欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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ピスタ男爵に挨拶へ行くとポップ男爵、ジャイア男爵も直ぐに駆けつけてくれ、現状の説明をしてくれた。
既に壁が出来上がっている事も有り作業は前倒しとなり、既に移住者全員が簡単なプレハブ小屋に住みながら開拓を行っていた。

「今はスラム街の冒険者と解体作業者、他に商人で連携を組んで
 開拓地周辺で退治した魔獣をその場で解体し、商人が買い取る状況が出来上がっています。
 事前にかなりの魔獣を退治した事も有り、王都周辺としては安全に狩りが出来る場所になっています。」

3人の男爵の話では、多くの魔獣が襲ってくる中での開拓とは考えられないスピードで進んでいるらしい。
拓としては自分が言い出したこともあり、改めて開拓地に寄らせてもらう事にした。


そして、ハックの治癒魔法について確認してみると、スラム街で実践を繰り返し順調に腕を上げていた。
ただ、医学の専門書が手に入らず、知識の方が伸び悩んでいるみたいだ。

「確かに医学書なんて城でしか見たことが無かったな。貴族のご子息なら城の書物庫に入れませんか?」

拓が聞いてみるが、書物庫に入れるのはある程度の地位か許可を受けた者しか入れず、男爵では無理らしい。

「今度神殿に寄らせてもらうけど、良ければ一緒に来ますか?
 ピースさんとトリスさんに頼めば、医学書を読ませてもらえるかも知れない。」

拓の誘いにハックは喜んで同行することにした。
最悪、人体の構造について位なら絵を写す位はしても良いだろう。

「そういえば、拓殿は昨日王都に帰って来たというのに、そのまま城に顔を出されたのですか?」
「いえ、近い内に顔を出す予定です。」
「国王陛下に報告する前に私共の所に寄って頂いていたのですか?」

ビスタ男爵だけでなくポップ男爵とジャイア男爵も驚いていた。

「もしかして、何か問題でも起きたのでしょうか?」

3人の様子に拓が不思議に思うと、免責札を持つ者が国王に顔を出す前に下の貴族に会うのは問題になると説明される。
ましてや相手は男爵となると尚更。

「あの、私は冒険者としての仕事をしていただけですよ。
 サリナ姫に土産を渡しに行きますが、特に報告する事では無いと思いますが?」

3人の男爵はお互いに顔を見合わせて困った顔をすると、
エチゴの村の巡回は拓が同行することになり、販売物資が増え、治療まで行っているため貴族達から注目を浴びている事を説明する。
そして、以前は盗賊退治、今回は妖精のコロニー壊滅まで行っている。
ここまでの活動をしていれば、只の冒険者としての仕事を超えていると。

「何故、そんな私達の旅の情報が伝わっているのですか?」
「それだけ貴族に注目されているという事です。」

エチゴの販売ルートによっては領主としての対応が変わると言われる程になっている。
OZには話していないが、エチゴはその辺を理解し商人との間でルートの調整を取っていた。
拓が貴族に対し興味が無いのであれば、貴族同士がお互いに牽制し合う様な立場に持って行くために。

今回はホワイトジャックまでが同行し、弟子を名乗っても良いとのお墨付きまでもらっている事まで知れ渡っていた。

「この状態で先に国王陛下に報告に行かないのは問題になります。」

拓は免責札を持っている為に貴族達に注目されていると思っているが
注目を浴びているのは免責札の影響よりも、拓の行動によるものが強い。
もし、拓が免責札を持っていない只の冒険者であれば、貴族達が権力を使って取り込みを計っていただろう。

「諦めろ。頑張って来いよ。姫様や浩司達に土産を渡すんだろ。
 良いじゃないか。元々行く予定だったんだ。俺達は剣の特訓をしたいから一週間位泊まって来い。
 バラン将軍にサポート力を鍛えてもらうのも良いかもしれないな。」
「色々と調べたいことも有るだろうから丁度良いじゃねぇか。
 戻ってきたら、ブルネリ公爵とロダン侯爵に顔出しして、神殿に寄ってから開拓地だな。」

ガラとレオが笑いながら拓の背中を叩き、ビスタ男爵達に迷惑が掛からない様に直ぐに登城することになった。
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