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214スラム街の状態

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移動中、拓は夜には空を飛び回り未発見の遺跡が無いか探索魔法で調べていたが何も発見できずにいた。

「有るとしたら地下だろうな。」
「そうなるよね。俺の探索魔法だと飛びながら地下を調べるなんて無理だしな。」

3人は一戦を終え、ベットの上でマッタリとしながら拓の遺跡探しの結果を聞いていた。

「拓は遺跡を見付けて何をしたいんだ。やっぱり、宝目当てか?」
「宝と言うより、魔獣の制御方法出来る魔道具探し、もしくはその方法かな。
 遺跡の中に瘴気の吹き溜まりが出来る以上、制御する手段が有ったと思って。」
「見つけてどうするつもりだ?」
「浩司達3人が戦う必要を無くす。あいつ等高校生だからね。放置なんて出来ないよ。」
「高校生?」
「元居た世界だと未だ子供って事。今のままだと戦う以外の選択肢を選べそうにないから。
 まぁ、俺も大人というにはイマイチだけどね。」
「浩司達が居なかったら拓はどうしていたんだ?」
「安全な場所で冒険者をしていたんじゃないかな。
 俺は勇者みたいに誰かの為に戦うなんて選択は出来ないよ。
 ただ、今の状態も結構気に入っているから、同じ事をしていたかもね。」

ガラとレオは力強く拓を抱きしめた。

「拓って腹黒いだけでなく、しっかりと考えているよな。」
「本当に只の性欲魔人じゃねぇよ。」
「・・・」

誉め言葉を並べながらダメだしされている?と思いながらも拓は2人に抱きしめられていた。


旅は順調に行われ、無事に王都に戻って来た。
次の日にOZ、クリームは早速、退治した魔獣の解体を依頼しにスラム街に向かったが人が少ない。

「ゴルゴさんやサブは居ないのですか?」

2人の代わりに対応してくれた老人に聞くと

「あの2人は開拓中の村に行っています。
 私は代理で管理を任されているセルガと申します。宜しくお願いします。」

スラム街の冒険者や解体作業を行う技術者の一部が現在開拓を行っている村に行っているらしい。
セルガに魔獣の解体を依頼し、ついでに治癒魔法を使おうと思ったが怪我人が少ない。

「実はハック様に来て頂き、治療を行ってもらっています。」
「ハックが?」
「治癒魔法の訓練を兼ねていると言われて、定期的に顔を出してくれます。
 おかげ様で、大変助かっております。」

拓は簡単な事を教えただけだが、弟子が褒められたような感じがして嬉しかった。
治療が終わった所で

「開拓状況も聞きたいし、ピスタ男爵の所に挨拶に行かないか?
 そうしたらハックに土産が有った方が良いか。」

拓が嬉しそうにガラとレオに話しかけ、土産物として遺跡で発見した治癒のロッドを取り出すと

「拓、冗談は止めような。」
「そんなの貰ったら、逆に困るだろうが。食べ物にしておけ。」

直ぐに2人から突っ込みが入っていた。
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