欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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233師匠

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神殿の前の広場に次々に運び込まれる怪我人。
魔獣の素材を大量に入手する為に若い冒険者が集団で退治を行っていたが、強力な魔獣が現れて今回の惨事になっていた。
成功すれば高利益となるので、狙う冒険者達がたまに居る。

「ハック、俺達も治療を行うよ。」「はい。」

トリスは拓の手伝いにと男性を一人付けてくれた。
酷い怪我人は神官が行っているので、後回しにされている人達の治療を始める。

「俺が傷口を魔力で浸すから、ハックは治癒魔法で治す。先ずは傷口をしっかりと確認。」

拓は冒険者にタオルを噛ませると、傷口を水で洗い流しハックに確認させてから治癒魔法を使わせる。
当然、冒険者が痛みで声を上げるが気にしない。
しかし傷口の確認を行う事で、ハックの治癒魔法は無駄が少なく行われた。

「魔力を浸すとこんなにも違うのですね。」
「感想は後にして怪我を治す事に集中。神殿の方は、他に怪我をしていないか検診をお願いできますか」

拓の手伝いについた男性は、この一連の作業に驚きながらも直ぐに検診の支持を出してくれた。
拓の豊富な魔力があるとはいえ、ハックの治療技術は上達していて怪我の痕跡も残らない様に治療が行われる。
だが、酷い怪我人を相手にしているので3人の治療でハックは限界だった。

「凄く上達したね。ここからは俺が治療するから見ててもらえるかな。」

拓はハックに見学するように言って、残りの怪我人の治療を始める。

「こちらの冒険者が最後だから、ついでに検診を行ってみようか。出来るかな?」

たまたま、体格の良い冒険者が最後となったと言う事も有り、他に怪我が無いか検診する方法をハックに教える。
骨にヒビが入っているのか、ハックが黒いシミの様な物を感じたので治癒魔法で治した。
拓も冒険者の体を撫でる様にして検診を行い問題ない事を確認して治療は終了した。


「拓殿、ハック殿、ご助力ありがとうございました。」
「お陰で、早く終える事が出来ました。」

神殿の人達は重症患者の対応に追われていたので、結局 中級魔法で対応できる患者20人を拓とハックとで治療をした。

「重症患者の治療お疲れさまでした。
 私達の方は、検診を神殿の方に任せてしまったので楽をしてしまいましたけどね。」

拓は笑って言うが、あれだけの外傷の対応を、これだけの時間で完璧に行う事は神官達では出来ないだろう。

「これは、今回治療を行った方からのお布施です。お受け取り下さい。」

神殿では治療費をお布施として受け取っており、ピース神官が拓とハックが行った分を渡すと
拓は半分をハックに渡し、半分はピース神官に戻した。

「技術を教えて頂いたり、書物の閲覧を許可して頂きましたので、私は十分です。」

ハックも返そうとしたが、拓が「それは受け取っておきなよ」と言って止めていた。

「ハック殿は、師匠に恵まれていますね。」

ピース神官に言われ、拓を師匠と呼ぶなんて恐れ多くハックが否定しようとするが

「えっ、師匠ですか?俺が師匠なの?そんな師匠と言われてもな。そうか師匠か。ちょっとカッコいいな。」
「・・・」

にやけた顔とキリっとしようとした顔が交互に現れる拓を見て、言葉に詰まってしまった。
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