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264龍神
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ドレイク船長が龍神に祈ると言うので拓は神殿に行くと思っていたが、やって来たのは港を見下ろせる丘。
そこには巨大な黒い球体が設置されていた。
球体に向かってドレイク船長以下、船乗り全員が目を閉じ航海の無事を祈った後は、コップに酒を注ぎ一気に飲んだ。
拓達も同じ様に酒を飲んだのだが
「ゲホゲホ・・・」
アルコール度数が高過ぎて拓は思いっきりむせてしまい、全員から笑われていた。
これで祈りの儀式は終わりとなり、拓はドレイク船長から黒い球体についての伝説を聞いた。
その昔、この海には龍神が住み着き、船を出せば沈んでしまうほど荒れていた。
人々が祈ると神の使いが現れ、龍神を鎮めるために龍の玉と呼ばれる漆黒の玉を与えらた。
龍の玉を龍神に捧げると、龍神は大人しくなり海に平和が訪れた。
「この球体は、龍の玉をイメージされて作られた物と言われている。
この町の船乗りは、龍の玉に航海の安全を祈る様になったんだ。」
面白いのは、他の港でも同じ様な龍神の伝説があり、名前は違うが球体を使って鎮める所まで同じらしい。
「船乗りは港を回るからな、それで伝説が広まったんじゃないか。」
確かにドレイク船長の言う通りなのかもしれない。
以前、ラムーの遺跡でも龍は力の象徴として使われていたので、この世界では一般的な話しみたいだ
そうであるなら、伝説は定着し易かっただろう。
拓は自分の考えをまとめると、丘の上からの景色を眺めていた。
ドレイク船長の船が出向を見送りビーチで皆で寛いでいると、海賊に襲われた船が何とか港へ逃げてきたとの話が聞こえてきた。
エチゴが直ぐに商人の繋がりで情報を入手してくると、かなり港に近い所に現れている。
「この辺は、小島が多いですからね。何処かの島に隠れていたのでしょう。」
「ドレイク船長の船は大丈夫でしょうか?」
「何とも言えません。朝早くに出向したので、もう通信は届かないでしょうし。」
襲撃に失敗した海賊船が、新しい獲物を見つけたとしたら・・・
「エチゴさん、ドレイク船長の航路は分かりますか?」
「航路予定は提出されていると思いますが・・・分かりました商人の伝手を使ってみます。」
エチゴは何も聞かず、直ぐに拓の為に情報を仕入れてくれた。
残念なことに、船が海賊に襲われた近くの海を通ることになっていた。
「気を付けろよ。」「無茶をするんじゃねぇぞ。」
ガラとレオに見送られ、拓はダイフクを頭に乗せて姿を消すと海の方へと飛んだ。
拓が全力で飛んでいると、船が2艘ジグザグに走っているのが探索魔法に引っ掛かる。
「奴等の方が足が速い。直線航路を取るな、島を回って港に戻るぞ。」
ドレイク船長が声を上げ、海賊船を近づかせない様に船を操っていた。
手加減無用。
拓は空から好き放題に火の玉を打ちまくった。
いきなり空から大量の火の玉が打ち込まれた海賊船は、ドレイク船長の船を追う余裕は無くなった。
「龍神だ。龍神が襲ってきた。」
燃えている荷物の沈下に動き回る海賊たちの前に突然現れた巨大な龍。
海賊船は収集の付かない騒ぎになった所に、大量の水の玉が放たれ海賊が海へと落ちていく。
拓は混乱に乗じ姿を消したまま船内に入り込むと、金目の物をアイテムボックスに収納しつつ火の玉を打ち込んでいた。
龍神の姿を見て戸惑っていた海賊達も、至る所から火の手が上がるのを見て次々と海へと飛び込んだ。
拓は可能な限り金目の物を収納し、最後に船の動力部となる巨大な魔道具を何とか外して収納すると脱出し空から燃える船が沈むのを眺めていた。
ドレイク船長も少し離れた所に船を止め、海賊船が沈んでいく様子を見ていた。
「本当に龍神が居たって言うのかよ。」
「本当に居たんだよ。龍神様が助けてくれたんだ。」
中には祈り出す船乗りまで出てきた。
問題ない事を確認し、拓は皆の元に戻って来た。
「拓、大丈夫か?」
「俺は大丈夫。ドレイク船長の船も問題ない。もう少しすれば捕まえた海賊を連れて港に戻って来る。」
ガラに答える拓の話しを聞いて、誰も拓が何をしたのかを聞かず、ただ全員が無事だった事を喜んでくれた。
問題は、回収してきた海賊船の中にあった金目の物。
金は良いとして、問題は品物の方だった。
普通であれば、海賊を退治した者の持ち物になり、元の持ち主は買い取ることになる。
ただ、今回の場合は拓が退治したことを名乗らない限り、通常の方法は使えない。
それどころか、拓が持っている事が知られると、窃盗罪に問われる可能性が有る。
そして、持ち帰って来た動力源となる魔道具だが、欲しいのは魔力を蓄積する部位を魔道具を制御する部位
独立した物を組み合わせているみたいで、簡単に分解する事が出来た。
そこには巨大な黒い球体が設置されていた。
球体に向かってドレイク船長以下、船乗り全員が目を閉じ航海の無事を祈った後は、コップに酒を注ぎ一気に飲んだ。
拓達も同じ様に酒を飲んだのだが
「ゲホゲホ・・・」
アルコール度数が高過ぎて拓は思いっきりむせてしまい、全員から笑われていた。
これで祈りの儀式は終わりとなり、拓はドレイク船長から黒い球体についての伝説を聞いた。
その昔、この海には龍神が住み着き、船を出せば沈んでしまうほど荒れていた。
人々が祈ると神の使いが現れ、龍神を鎮めるために龍の玉と呼ばれる漆黒の玉を与えらた。
龍の玉を龍神に捧げると、龍神は大人しくなり海に平和が訪れた。
「この球体は、龍の玉をイメージされて作られた物と言われている。
この町の船乗りは、龍の玉に航海の安全を祈る様になったんだ。」
面白いのは、他の港でも同じ様な龍神の伝説があり、名前は違うが球体を使って鎮める所まで同じらしい。
「船乗りは港を回るからな、それで伝説が広まったんじゃないか。」
確かにドレイク船長の言う通りなのかもしれない。
以前、ラムーの遺跡でも龍は力の象徴として使われていたので、この世界では一般的な話しみたいだ
そうであるなら、伝説は定着し易かっただろう。
拓は自分の考えをまとめると、丘の上からの景色を眺めていた。
ドレイク船長の船が出向を見送りビーチで皆で寛いでいると、海賊に襲われた船が何とか港へ逃げてきたとの話が聞こえてきた。
エチゴが直ぐに商人の繋がりで情報を入手してくると、かなり港に近い所に現れている。
「この辺は、小島が多いですからね。何処かの島に隠れていたのでしょう。」
「ドレイク船長の船は大丈夫でしょうか?」
「何とも言えません。朝早くに出向したので、もう通信は届かないでしょうし。」
襲撃に失敗した海賊船が、新しい獲物を見つけたとしたら・・・
「エチゴさん、ドレイク船長の航路は分かりますか?」
「航路予定は提出されていると思いますが・・・分かりました商人の伝手を使ってみます。」
エチゴは何も聞かず、直ぐに拓の為に情報を仕入れてくれた。
残念なことに、船が海賊に襲われた近くの海を通ることになっていた。
「気を付けろよ。」「無茶をするんじゃねぇぞ。」
ガラとレオに見送られ、拓はダイフクを頭に乗せて姿を消すと海の方へと飛んだ。
拓が全力で飛んでいると、船が2艘ジグザグに走っているのが探索魔法に引っ掛かる。
「奴等の方が足が速い。直線航路を取るな、島を回って港に戻るぞ。」
ドレイク船長が声を上げ、海賊船を近づかせない様に船を操っていた。
手加減無用。
拓は空から好き放題に火の玉を打ちまくった。
いきなり空から大量の火の玉が打ち込まれた海賊船は、ドレイク船長の船を追う余裕は無くなった。
「龍神だ。龍神が襲ってきた。」
燃えている荷物の沈下に動き回る海賊たちの前に突然現れた巨大な龍。
海賊船は収集の付かない騒ぎになった所に、大量の水の玉が放たれ海賊が海へと落ちていく。
拓は混乱に乗じ姿を消したまま船内に入り込むと、金目の物をアイテムボックスに収納しつつ火の玉を打ち込んでいた。
龍神の姿を見て戸惑っていた海賊達も、至る所から火の手が上がるのを見て次々と海へと飛び込んだ。
拓は可能な限り金目の物を収納し、最後に船の動力部となる巨大な魔道具を何とか外して収納すると脱出し空から燃える船が沈むのを眺めていた。
ドレイク船長も少し離れた所に船を止め、海賊船が沈んでいく様子を見ていた。
「本当に龍神が居たって言うのかよ。」
「本当に居たんだよ。龍神様が助けてくれたんだ。」
中には祈り出す船乗りまで出てきた。
問題ない事を確認し、拓は皆の元に戻って来た。
「拓、大丈夫か?」
「俺は大丈夫。ドレイク船長の船も問題ない。もう少しすれば捕まえた海賊を連れて港に戻って来る。」
ガラに答える拓の話しを聞いて、誰も拓が何をしたのかを聞かず、ただ全員が無事だった事を喜んでくれた。
問題は、回収してきた海賊船の中にあった金目の物。
金は良いとして、問題は品物の方だった。
普通であれば、海賊を退治した者の持ち物になり、元の持ち主は買い取ることになる。
ただ、今回の場合は拓が退治したことを名乗らない限り、通常の方法は使えない。
それどころか、拓が持っている事が知られると、窃盗罪に問われる可能性が有る。
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