欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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387思い通りにならないのが世の中

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ロダン侯爵のパーティでは、貴族達から拓が決闘で使った呪いやロッドについて色々と聞かれたが、冒険者としての手札を教える事は出来ないと笑って誤魔化していた。
しかし、拓に決闘を挑んだ貴族やワンガに対する敵対心が想像以上に強かった。

「もう終わった事なので、これ以上事を荒立てる気は有りません。」
「拓殿が優しいのは分かりますが、しっかりした態度で挑んだ方が良いでしょう。」

と注意をする貴族まで居る。
ここで何かを言っても無駄の様なので、拓は相手の意見に同調せずその場を流していた。
拓は貴族達とある程度話した後、ガラとレオの居る控室に顔を出すと、ガラとレオは他の貴族の護衛達に拓が使った呪いの魔法や、呪いのロッドについて質問攻めに合っていた。

「皆さん、その辺の追及は止めてもらえますか。
 あれだけの観客の前で隠しておいた奥の手を見せてしまいました。
 これ以上の詮索は今後の活動に影響が出てしまいますので。」

拓が断りを入れると、護衛の人達もそれ以上の詮索を止めた。

「それにしても、また抜け出してきたのか?」
「一応、挨拶は終えて来たから問題ないだろ。」
「お前は、何時もそうじゃねぇか。」
「会場は大変なんだよ。呪いに付いての質問やワンガさん達に対する敵対心が強くて少し疲れた。」
「まぁ、仕方ないんじゃないか?」
「ワンガさん達の場合、貴族としての面子みたいなのが有るみたい。
 ただ、俺自身はワンガさんの悪口を言われるのは良い気はしない。
 それに、色々と手伝ってもらうのに邪魔なだけだから。」

拓の話しを聞いていた護衛達は「自分に決闘を挑んで来た相手だというのに何故?」と思っていた。
そして、何をしようとしているのか気になりOZの会話を聞いていたが、それ以上の話は無かった。

「まぁ、貴族の方々の考えが有るだろうけど、俺は俺で勝手にやらせてもらうよ。」
「今のお前、良い顔しているぞ。」
「そうかな?俺に惚れたら、火傷するぜ。」

拓はガラとレオに突っ込まれ笑うと、今度は護衛に向かって話しかける。

「この中で、開拓地に行く序に休憩所に寄られた方は居ますか?
 良ければ感想を聞かせて頂きたいのですが。」

殆どの方々が行かれていて、思った以上に好評の様だ。
強いて問題を上げれば、トイレの数だろうか。
下手をすると、朝はトイレの争奪戦が起きてしまうかもしれない。
設置や管理も有るので数については領主に任せるしかないのだが。

とりあえず、今回の改造をもって休憩所は完了として問題なさそうだった。

「拓殿はバラキエ公爵の派閥の地域にも休憩所を作るのですか?」
「こちらの提案を受け入れるのであれば作ります。」
「ですが、開拓地を功績を奪おうとしたのですよ。」
「本当に邪魔ですよね。ですが、それとこれは別です。
 これ以上、彼に無駄な時間を掛けて関係ない人達が困るのを放置できません。」

拓の言葉に護衛達は黙ってしまった。
拓にとって貴族も派閥も邪魔なだけでしかない・・・それどころか見てもいないと理解した。

「先ほどワンガ達と何かをしようとしている様な話が聞こえたのですが、内容を伺えないでしょうか?」
「具体的な話しは決まっていませんが、彼等には護衛をしてもらいたいと考えています。」
「待ってください。拓殿に決闘を挑んだ男ですよ。」
「そうですが、ワンガさんは信頼できますから。彼、なかなか良い男ですよ。自分の背中を預けても問題ありませんので。」

護衛達には拓が信頼する理由が全く分からずにいた。

「とは言っても、思い通りにならないのが世の中です。
 私の力だけではどうしようもない事が幾らでも有ります。
 正しいことをしていると思った時には、力を貸して頂けないでしょうか。宜しくお願いします。」

拓が頭を下げると、ガラとレオも立ち上がって頭を下げる。
護衛達はOZの行動に戸惑っていたが「「「分かりました」」」そう言って拓に向かって頭を下げていた。


パーティが終わり、貴族達は護衛から待機所での拓ついて聞くと
ワンガに対する貴族が持つ敵意を、拓が良く思っていなかった事
これから何かを行なおうとしていて、その護衛をワンガに頼もうとしている事
バラキエ公爵に対し良い感情は持っていないが、派閥の地域に休憩所を作りたいと思っている事
拓が見ている物は、貴族とは全く異なる事
と話していた。
ただ、自分に決闘を挑んだワンガに対する気持ちが理解できず
拓が見ている物については、護衛も上手く説明できずにいた。
それでも、護衛は拓に力を貸す事は出来ないかという思いを込めて自分の主に話していた。

「我々は拓殿に多くの恩を受けているからな。免責札に関係なく力を貸すつもりだ。
 しかし、お前は私の配下なのか、拓殿の使いなのか判断に苦しむぞ。」

貴族は笑いながらも、拓という魔導士について改めて考えていた。
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