欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

文字の大きさ
464 / 586

464試合1

しおりを挟む
次の日、拓はオリバー隊長に連れられて訓練場へと移動したのだが、何時もの場所ではない。
何故かバラン将軍の他にグリム魔導士、第1騎士団 ダッソン将軍、第2騎士団 シンシア将軍まで居る。
更におかしいのは、何故か将軍3人が防具を身に付け準備運動をしている事だろうか。

「これから訓練を始めますので、拓殿も体を温めてください。」

オリバー隊長に言われ拓も体を解すが、絶対に碌な事ではない。
ほどほどに体が温まった所で、国王が登場。
素晴らしい笑顔で拓に手を振ると、バラン将軍が前に出る。
拓がジト目でバラン将軍を見ると、バラン将軍は咳ばらいをして話を始めた。

「今後の魔獣の脅威を考え、魔獣と戦うため勇者3名と拓殿を加えた訓練を行う。
 先ずは乱戦状態での勇者3名のサポート力確認、その後は拓殿とダッソン将軍、シンシア将軍との試合を行う。」

拓としては、何故そうなる?ここに国王まで居るのは何故だ?と問いただしたい所だ。
浩司、由美、里香の方を見ても、3人ともこの状況は知らなかったみたいだ。

先ずは乱戦になった時の勇者3人のサポート力の確認
騎士団が2組に分かれて乱戦を模擬する中、浩司達がその後方の攻撃を行う。
中級魔法の攻撃だが、戦い合っている兵士達を避けて魔法攻撃が後ろへと届く。
正確に狙う事は出来ないが、乱戦状態の兵士達を避けて後ろに攻撃魔法を飛ばせるだけでも十分な成果と言える。

「そこまで。」

バラン将軍の号令で確認は終わり、兵士達から勇者3人に惜しみない拍手が送られていた。
拓もサポートとして付いていたが、特に手を出す必要もなく無事に終了。

「次は拓殿とダッソン将軍、シンシア将軍との試合を始める。先ずはダッソン将軍。」

爽やかなイケメン、ダッソン将軍が拓の前に進み出て挨拶をする。
眩しい程のキラキラオーラ。
とは言っても、この城に仕える将軍。爽やかに見えて中身はドSなのだろうと拓は失礼な事を考えていた。

「始め」

バラン将軍の掛け声と共に拓は姿を消して距離を取る。
ダッソン将軍も魔獣との戦いの為と言う事で、開始早々の攻撃をしてこない。

拓が水魔法で攻撃を仕掛けると、初めは体術と剣で対応していたが、攻撃手数が増えていくと光波を張り攻撃を防いでいた。
直ぐに拓は先に攻撃をしていた水を操作しダッソン将軍の周囲を覆うと、光波を弾けさせて水を飛ばす。

「オリバー隊長を追い詰めた魔法か。さすが拓殿だ。」

美形の男の笑い顔を怖いと思ったのは拓にとって初めての事だった。
やはり、この国に仕える上の人間は危険な人しかいないと理解した。
拓は再び攻撃を開始。
放った水で霧を発生させ視界を塞ぐ。そして、周囲に落とし穴を作り上げた。
が、ダッソン将軍は既にこの手は知っていたのか、その場から動かず拓の攻撃を防ぎ残波という気の塊を飛ばして拓を攻撃する。
このままこう着状態が続くかと思ったが、突然ダッソン将軍の足元の地面が崩れると、ダッソン将軍は一気に飛んで拓の懐に入る。

「そこまで。」

バラン将軍の声が響き、試合は終了。

「あの様な攻撃をするとは、流石は拓殿です。いい勉強になりました。」

拓とダッソン将軍が握手をすると、この試合を見学していた人達から惜しみない拍手が送られた。
地面は土魔法を使う魔導士によって平らにされ、今度はシンシア将軍が前に出る。

「拓殿、宜しくお願いしますね。」

柔らかい口調で話して来るシンシア将軍は、笑顔だが目が笑っていない。
拓は美男美女と言うのは、それだけで恐怖を振りまく生物だと改めて感じていた。


シンシア将軍との試合が始まった。
シンシア将軍も拓が攻撃を仕掛けるまで剣を構えて対峙している。
しかし、拓が攻撃を仕掛けると、信じられないスピードで拓に迫ってくる。
拓もシールドを張って距離を取ろうとするが、姿を消した拓を的確に捉えるシンシア将軍。
どうやら、ガラードやワンガの様な特別な絶対空間を使う事が出来るみたいだ。

拓は火魔法で大量の火球攻撃を行い、何とか絶対空間の外まで離れると魔力を隠した攻撃を行うが全て避けられてしまう。
攻撃を仕掛けながら、自分と等身大の闇の魔力の塊を飛ばすとシンシア将軍の剣が唸るが全て外れ・・・
しかしシンシア将軍は慌てずに背後から攻撃を仕掛ける拓に向けて剣を向けた。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

一夜限りで終わらない

ジャム
BL
ある会社員が会社の飲み会で酔っ払った帰りに行きずりでホテルに行ってしまった相手は温厚で優しい白熊獣人 でも、その正体は・・・

黒に染まる

曙なつき
BL
“ライシャ事変”に巻き込まれ、命を落としたとされる美貌の前神官長のルーディス。 その親友の騎士団長ヴェルディは、彼の死後、長い間その死に囚われていた。 事変から一年後、神殿前に、一人の赤子が捨てられていた。 不吉な黒髪に黒い瞳の少年は、ルースと名付けられ、見習い神官として育てられることになった。 ※疫病が流行るシーンがあります。時節柄、トラウマがある方はご注意ください。

男だって愛されたい!

朝顔
BL
レオンは雑貨店を営みながら、真面目にひっそりと暮らしていた。 仕事と家のことで忙しく、恋とは無縁の日々を送ってきた。 ある日父に呼び出されて、妹に王立学園への入学の誘いが届いたことを知らされる。 自分には関係のないことだと思ったのに、なぜだか、父に関係あると言われてしまう。 それには、ある事情があった。 そしてその事から、レオンが妹の代わりとなって学園に入学して、しかも貴族の男性を落として、婚約にまで持ちこまないといけないはめに。 父の言うとおりの相手を見つけようとするが、全然対象外の人に振り回されて、困りながらもなぜだか気になってしまい…。 苦労人レオンが、愛と幸せを見つけるために奮闘するお話です。

突然の花嫁宣告を受け溺愛されました

やらぎはら響
BL
暁尚里(あかつきなおり)は赤貧ながらバイト先の黒崎(くろさき)の元で細々と働いていた。 黒崎はアルバナハルという、マナという世界人口の六割が使えるといわれる自然を操る超常能力者を多く輩出している南国の島に憧れていた。 その影響でアルバナハル語を話せる尚里。 ある日お使いを頼まれた本屋で、アルバナハルの軍事総司令官であるルキアージュに出会い、突然自分の花嫁だと告げられる。 さらに彼には今までの前世の記憶があると言われ、うさん臭さを感じる尚里。 他サイトでも発表しています。

【完結】僕は、メタルスライムに転生しちゃった。2

そば太郎
BL
僕は、平凡な男子高校生だったんだ。あの日までは・・・。 気がついたら、森の中にいて、何故かメタルスライムになっていた・・・。 え? そんな僕が、三白眼のガチムチな冒険者のお嫁さんを手に入れた!さぁ、頑張って、可愛がるぞぉ♡♡♡⬅️今は、ここから少し先に進んだ未来♡♡ぐへへ、赤ちゃん出来ちゃった♡♡もちろん、スライム♡♡ ※メタルスライムとは、攻撃が1しか入らず、しかもヒットの確率は限りなく低い。運良く倒すと。経験値が爆上がり!なスライム。しかし、主人公はちょっと特殊みたいで・・・。 ⚠️赤ちゃんスライム産みましたし、現在進行形で孕んでいます♡♡ ⚠️スライム×ガチムチ冒険者 ムーンさんでも投稿しています。少し題名変えてますけど。

騎士が花嫁

Kyrie
BL
めでたい結婚式。 花婿は俺。 花嫁は敵国の騎士様。 どうなる、俺? * 他サイトにも掲載。

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる

ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。 アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。 異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。 【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。 αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。 負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。 「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。 庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。 ※Rシーンには♡マークをつけます。

処理中です...