異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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109血に染まる手

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「何だよこれは、酷過ぎる。」

獣人の男は縛られて拷問を受けたかの様にボロボロの状態で部屋の隅に転がされ
女は、裸にされて・・・

「こんな小さな子どもまで・・・服もボロボロだ。
 とりあえず獣人に回復魔法をかけるから、浩司は盗賊を裸にひんむいておいて。」

俺は1人1人回復魔法を掛け、裸にした盗賊は土魔法で地面に張り付けておく。
先に起き始めたのは獣人達だった。
初めはどうして良いのか迷っていたみたいだが、盗賊が地面に張り付けられているのを見て助けられた事を理解したみたいだ。

「とりあえず、皆さん服を着て下さい。盗賊のですが、今の状態よりはマシでしょう。」

そうしている内に、盗賊が目を覚まし始めた。

「てめーら、こんな事をしてタダで済むと思っているのか。さっさと枷を外しやがれ。」
「俺達は人間なんだよ。獣人をどうしようと勝手だろうが。」
「てめーの顔は覚えたぞ。」

小さい子が、怯えてしまっている。
おまけに魔法を使おうとするので、徹底的に顔にレイアローを打ち込んで筋肉弛緩剤を口に流し込んでおく。
入口で待たせていたカイを呼ぶ。捕らえられた仲間の中に自分の親が居ないと分かると

「誰か、俺の両親を知りませんか。」

仲間に問いかけるが、誰もが辛そうな顔をしていた。

「カイ、無事だったのか。皆、バラバラになり、捕まったのはここに居る者だけだ。」

その言葉を聞くと、カイが盗賊の1人に詰め寄っていく。

「俺の父さんと母さんをどうした。」

たぶん、襲ってきた盗賊なんだろう。筋肉弛緩の解毒剤を飲ませる。

「あの時、逃げたガキか。お前の親も人間に歯向かわなければ長生き出来たのにな。」

殺してやると言って、カイが男の顔を殴り始めた。
殴って、殴って、男が意識を失っても殴り続けた。
浩司が男から引き剥がすと、血で染まった自分の手を見て泣き始めた。

もう十分だ。こんな奴の為にカイがこれ以上手を汚す必要はない。
子供達を洞窟の奥へ連れていかせると、俺は盗賊の喉を潰す。
この世界の人間は呪文を唱えられなければ魔法は使えない。
そして1人づつ両腕両足を潰して枷を外し、洞穴から1キロ位離れた場所に裸のまま捨ててくる。
浩司は初め俺の行動を黙って見ていたが、何も言わずに盗賊の腕を潰し始めた。
全員を外に放り出し終えた所で、カイに話しかける。

「お父さんとお母さんを探しに行こう。」

カイが俺をじっと見て、涙を拭って立ち上がった。
浩司が何か言おうとしたが、何も言わずにそのまま黙っている。

「浩司、この人達をお願い。行ってくる。」

ガラ達が推測した街道沿いを探すと、雪の下に横たわる両親が見つかった。
カイは暫くの間、両親の横に黙って立ち続けていたが

「両親を埋めるのを手伝ってもらえませんか。」
「どうして、こんな所に。」
「本当は、火葬をして墓を建ててあげたいけど、2人を運ぶことは出来ないので。
 でも放置はできないから。」

今にも泣きそうな顔だ。だったら俺のやる事は1つしかない。
ご両親の体の傷跡を錬成術で奇麗にして、服を整える。

「優しそうなご両親だね。」

アイテムボックスから魔獣の皮を取り出し遺体を包み、アイテムボックスに入ってもらった。

「レムにも別れの挨拶をさせてあげないと。」

カイが泣きながら頭を下げていた。
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