異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
110 / 761

110ブルネリ公爵兵

しおりを挟む
状況を説明するために、カイを連れて一度テントに戻ってきた。
話が終わると俺の事をガラが抱きしめてくれた。

「拓、無茶をしすぎるな。1人で背負い込むなよ。俺達もいるからな。」
「ありがとう、大丈夫。吹雪が止むまでだよ。」

俺と浩司は捕まっていた獣人を放置するわけにもいかず、洞穴に戻る。
カイはレムと一緒に居た方が良いだろうと置いてきて、俺と浩司は吹雪が納まるまで洞窟に待機することにした。
レオの感覚では、あと2、3日もあれば吹雪も止むらしい。

獣人の女性が料理を作ってくれたが、不味い。
たぶん、これが彼女達の一般的な料理なんだろう。
時間も有るので、女性陣を相手に簡単な料理を教えることにした。
他に子供と遊び、夜は錬成術で魔道具を作っている。

『拓、少し休んだらどうじゃ。』

グリムも浩司も心配してくれているのが分かるが、休んだら倒れて動けなくなってしまいそうだった。
今、皆の前で倒れる訳にはいかない。とにかく体を動かし続ける。

吹雪が収まり、移動しようと外に出ると街道に人の気配がある。
隠れて見に行くと、そこにはブルネリ公爵の兵士が居たので彼等の前に出ていくことにした。

「すみません、皆さんはブルネリ公爵の方々ですよね。どうしてこんな所に?」
「拓殿?我々は、盗賊が居るとの連絡を受けてやってきました。
 拓殿は、どうしてこんな所に居るのですか。他の方々も一緒ですか。」
「今、ここに居るのは俺と浩司だけです。盗賊に襲われた人達と吹雪が止むまで留まっていました。」

逃げた獣人が無事にブルネリ公爵領に辿り着き報告をしていた。
しかし吹雪が酷く、足止めを喰らい止むのを待って駆け付けてきたらしい。
皆が待っている洞窟まで案内する間に、状況を説明する。

「すると盗賊を吹雪の中、裸で放り出したと。」
「そうです。やはり問題になりますか?」
「いえ、盗賊を殺害しても問題ありません。
 ただ、幽体の魔獣に憑かれると問題ですので遺体を処分する必要があります。」

頭に血が登り過ぎて、後の事を何も考えていなかった。

「大丈夫ですよ。放り出した場所を教えて頂ければ、後はこちらで対処ます。
 捕まっていた獣人の方々も我々に任して下さい。」

エアウォークで移動していたので気にならなかったが、雪が積もって歩くのが大変だ。
足跡も付いていない場所を歩くなんて不自然だが、兵士は何も言わずに付いてきてくれる。

獣人の方々は兵士に従ってブルネリ公爵領へ移動する事になった。

「浩司様、拓様、救って頂き、本当にありがとうございました。」
「皆さんだけでも無事で良かったです。盗賊が溜めこんでいた宝は、新しい生活の支度金に使って下さい。」

盗賊の持ち物は退治した者の財産となるらしいが、魔石だけ受け取り、残りは被害者に譲る事にした。
浩司の言葉に、皆が頭を下げる。
俺は子供達の胸にガラスのブローチを付けてあげる。

「これから皆が幸せに暮らせる様に願いを込めたブローチ。
 四つ葉のクローバーといって、幸せのシンボルなんだ。魔力を込めてみて。」

子供達の胸で、ブローチが緑色に輝く。

「これから君達の進む道を照らしてくれますように。」

そう言って、子供達を1人づつ抱きしめる。

「皆さん、本当に気を付けて。大変でしょうけど、ブルネリ公爵領ならきっと大丈夫です。」

皆が見えなくなるまで手を振り続けた。

「拓殿、大丈夫ですよ。ブルネリ公爵は彼等を受け入れる体制を作っています。
 では、盗賊を放り出した場所を教えてもらえますか。」

兵士が広げた地図におおよその場所を示す。しかし

「拓殿、大丈夫ですか。顔が真っ青ですよ。救護班、早く拓殿を見てくれ。」

無事に皆が救出されて、安心したとたんにこれだ。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。 けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。 そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。 ‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。 「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!

日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」 見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。 神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。 特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。 突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。 なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。 ・魔物に襲われている女の子との出会い ・勇者との出会い ・魔王との出会い ・他の転生者との出会い ・波長の合う仲間との出会い etc....... チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。 その時クロムは何を想い、何をするのか…… このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...