異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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116舞踏会

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******(サリナ姫)


「はぁ~、舞踏会か…何でこんなにやるのかしら。」

今日、何度目の溜息だろうか。

「サリナ様、溜息ばかり付いていないで、そろそろ準備を致しませんと。
 ブルネリ公爵の所から戻って来られた時には、あれだけ張り切っていたのに。
 しっかりして頂かないと。」

侍女のクリスティーヌは私が小さい頃から付いていてくれて有能で信頼できるけど厳しいのよね。
基本的に、私に問題が有るのは分かっているけど…
クリスティーヌに促されドレスに着替えると、拓ちゃんからもらったブローチを付ける。

「本当に素敵なブローチですね。とてもお似合いですよ。
 最後に、香水をつけますね。」

問題は拓ちゃんからもらった、このブローチと香水なのよね。

「私も、初めは光るブローチを貴族に広めようと張り切っていたけど
 あんなに反応が有るとは思っていなかったのよ。
 奇麗だけど、宝石も付いていない只のガラスのブローチよ。
 おまけに、香水にまで興味を持たれてしまうし。」

舞踏会で花のブローチに光を灯すと、視線が集まるのが分かった。
初めは成功したと思ったけど、想像以上のブローチの人気で対応に困ってしまう。
更に、香水を付けている事が知られると、この香りに人気が出てしまい、製作者を知りたがる貴族が多いこと。

「何かにつけて、ブローチや香水の製作者を聞き出そうとするのよ。
 女だけでなく男まで。いい加減、疲れるわ。」
「あのサリナ様がブローチや香水をつけるので、少しは女性らしくなられたのかと思いましたのに・・・
 サリナ様、これほど繊細なブローチを作るには非常に高度な技術が必要です。
 これでしたら、輝かせると宝石が付いてない方が奇麗なのではないでしょうか。
 ブルネリ公爵やバラン将軍も付けていらっしゃいますから男性も興味があるのでしょう。
 それに、この香水。本当に良い香りですから仕方が無いと思いますよ。」
「もう、あのって何なのよ。」

綺麗だとは思っていたけど、そこまで凄いとは思っていなかったのよね。
私、装飾品を見る目が無いからな。
廃材品の再利用で高級ブローチか・・・
同じ様に光るガラスのブローチやペンダントを付ける貴族も出てきたけど、私が見てもイマイチなのよね。
拓ちゃんも自分が作ったブローチの価値を分かっていないだろうな。
でなければ、あんなに気楽に配りはしないか。
でも、あの拓ちゃんなら価値に関係なく気楽に配ってそうよね。
これは、注意を促しておいた方が良いわ。

「クリスティーヌ、今日の晩餐会にブルネリ公爵が来られるか分かる?」
「出席の予定ですが、もしかすると難しいかも知れません。
 以前に行ったイルミネーションの反響が大き過ぎて大変らしいですから。
 トリス錬成術師の店にも貴族が押し寄せて、現在 店を閉めていると聞いています。」

はぁ~、反響が大きかったのは知ってはいたけど、そんな事になっていたとは
ブルネリ公爵から伝えてもらおうと思ったけど厳しいか・・・

トントン

「サリナ様、バラン将軍がお迎えになられました。」

そうよ、バラン将軍が居るじゃない。

「バラン将軍に、こちらに来てもらえるように伝えてもらえますか。」
「かしこまりました。」


やってきたバラン将軍に手紙を預ける。

「この手紙を拓殿に渡せば良いのですね。
 確かに、このブローチに対する貴族の人気は凄い。一言いっておいた方が良いでしょう。
 しかし、羨ましがる奴等の顔を見るのは気持ち良いですな。」
「そんな風に言ってられるのは、バラン将軍だけよ。
 私もブルネリ公爵も大変なんだから。
 拓ちゃんが調子に乗って、色々と作っていそうで恐いわ。
 自分の作った装飾品の価値も分からなそうだし。まぁ、私も分かっていなかったけど。」
「ハッハッハ、確かに拓殿は価値は分かっていないでしょうね。
 これだけ話題になる様な物を作っても、素人の趣味と言い切ってしまうのですから。
 手紙は早く渡した方が良さそうですね。直ぐに対応致します。
 ではサリナ姫、舞踏会に行きましょうか。」

******(拓)

「拓ちゃん、入るぞ。旅の準備も終わったのに、何を作っているんだ?」
「浩司か・・・ガラとレオも一緒なら丁度良い。俺の作品を見てもらえる。」

机の上には俺が作ったガラスの器やグラス、箸置きが置いてある。

「さすが拓だな。なかなか綺麗じゃないか。
 色は変えてあるけどデザインは統一して有るんだな。」
「確かに良いな。夏は、この涼しげな器が合いそうだ。」

ガラやレオにも好評の様だ。ただ、浩司だけが不思議そうに

「でも拓ちゃん、人数分以上有るけどどうするんだ。」
「エチゴさん達の分も作ってみたんだ。とりあえず、好評で良かった。」
「そういう事か。今度、ブルネリさんやサリナさんの分も用意したら喜ぶんじゃないか。
 ブローチも喜んでくれたし」
「う~ん、貴族の屋敷に俺の食器か・・・
 ブローチは光らなかったら、ただの素人作品でしかないしな。
 それに、屋敷で食事を頂いた時に使っていた食器は凄かったからな。」
「確かに高級な感じがしたな。レオの料理も、あんな食器に盛ったら映えるんじゃないか。」

浩司の言葉に、ガラが同意しているが

「何を言っているんだよ。俺の料理をあんな凄い食器に盛れる訳ないだろ。」

と肝心のレオが及び腰。

「実は、俺もレオの料理に使って欲しいと思ってルドルフ料理長に聞いてみたんだよ。
 そうしたら、殆どが貴族が買ってしまうので一般市民が買うのは難しいって。
 おまけに、最近は更に流通量が減っているみたいで貴族も手に入れにくくなっているらしいよ。
 まぁ、それだけ一流の食器を使っているなら、俺の食器は邪魔になると思うよ。」
「そうかな。確かに素人だけど、俺は拓ちゃんの作品は凄く好きだよ。」
「ありがとう、嬉しいけど、恋人のフィルターがかかてるよ。」
「いや~、恋人フィルターか~。確かに凄くかかってるかも知れない。でも、かかって無くても好きだよ。」
「全く、そういうのは2人だけの時にやってくれ。」

ガラが突っ込み、レオは笑っている。
嬉しいけど、恥ずかしい・・・
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