異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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325光苔

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3時間歩き続けたが、全く何も発見できなかった。
当り前の事だが、坑道はどこを通っても同じ様な穴で飽きてきた。

「物語だと塊が見つかったりするけど、現実は厳しいね。
 この坑道の先が広間になっているみたいだから、そこまで調べたら地上に戻ろうか。」

坑道の先は空洞で、辺り一面が苔で覆われていた。

『リッチが灯りを消す様に言ってるにゃ。』

言われた通り光を消すと、周囲の苔が淡い光を発し始めた。

「光苔か。実物を見るのは初めてだ。」
「俺も初めてみた。でも、この世界の方が断然明るいよな。光苔の光で相手が見えるなんてあり得ないだろ。」

浩司の言う通り、光苔の明りだけで皆の顔が分かる。
ただ、光を感じると、光るのを止めてしまう。
皆も、この景色に驚いているみたいだ。

『この光苔は乾かして煎じれば薬になるそうにゃ。
 にゃんでも、毒の特効薬になるそうにゃ。』

誰も知らないという事は、人間に採り尽くされて絶滅したのかもしれない。
いや、人の目につく所には存在しなくなってしまったのか。
困った事に、探索していた俺の土の魔力に数m下にミスリルらしき反応が・・・
流石に、発掘するわけにはいかないか。

少し採って薬を作ってみると奇麗なオーラを持った薬が出来上がった。
煎じてみると、苦い。信じられないほど苦い。
皆、苦い、苦いと言いながら飲み回していた。
何故、人は変な物を飲んでみたくなるのだろう。

「これは凄い味だな。効果範囲が広いと言っても、出来れば飲みたく無い。」

レオの感想が皆の意見を代表していた。
かと言って、他の解毒剤の味が良いと言う訳ではない。
この世界の薬は、ポーションを含め例外なく不味い。

光苔は光は無くても良く水と魔力が有れば育てるのは簡単らしい。
特に木の属性の魔力に対する反応が良いそうだ。
実際に、俺が木の属性の魔力を地面に流すと光苔の光が強くなった。
これなら家で栽培できそうだ。
少し持って帰る為に入れ物を用意した。

今日はここでデッキチェアを並べて光苔の光の中で寝る事になった。


******(エチゴ)

浩司さんは光苔を見て、確かに「この世界」と言った。
「この世界」とはどういう意味だ。
拓さんと浩司さんは他の世界からやって来たとでも言うのだろうか。
我々とは異なる考え方、あの知識に魔力、別の世界から来たというのなら納得できる。
しかし、そんな事があり得るのだろうか。

「どうしました、エチゴさん。眠れませんか。」

私が起きているのを気にして、アルが声を掛けてきた。

「こんな風景を見られる機会なんて滅多に無いでしょうから、寝てしまうのがもったいないと思いましてね。」

私の言い訳にアルも納得してくれたみたいだ。
そのまま、黙って光苔の景色を眺めている。

この世界という言葉に気が付いたのは、私の他にガラさん位だろうか。
あの2人が何も言わないのなら、余計な事は言わない方が良いだろう。
彼等が居た世界か。どんな世界なのだろう。
私は、見た事も無い世界を想像しながら眠りに着いた。
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