356 / 761
356引き渡し
しおりを挟む
「拓、浩司、何か有ったの。」
俺と浩司が先に門番の所へ行き山賊を捕まえた事を話していると、俺達に気付いたアニスがやってきた。
俺達が馬に乗り、門番と話しているのを見て心配して来てくれたみたいだ。
門番の1人が兵士を呼びに行っている間、アニスに山賊に襲われた事を伝えた。
「無事でよかったよ。
それにしても、クリームを襲うなんて命知らずだね。
山賊に何か秘策でも有ったのかな。」
山賊の1人が人質の振りをして俺達を騙そうとした事を教えると、どうやって見破ったのか聞いて来るので
「皆、人を見る目が肥えているから、その位の嘘は見破れるみたいだよ。」
と適当に誤魔化しておいた。
俺が人のオーラを見て嘘を見破れる事を言うと引かれると思ったからだ。
そんな話をしていると、門番の方が兵士を連れて戻ってきたので、アニスと別れて兵士と一緒に皆の所へ戻った。
山賊は門の所で兵士に引き渡され、後日国から報奨金が渡される。
馬は専門の業者に引き取ってもらい、アマメの素材はエチゴさんの伝手で全て売る事が出来た。
そして、この大量のアマメ退治の評価は高く、ガラにとっての良い実績になった。
子供に関しては、ジェニファーとロビンが調べたが、家族は殺されていた。
マクニス王国にある孤児院を徹底的に調べあげ、見つけ出した信頼できる場所はヨーゼフさんの商会が経営している所だった。
この死と隣り合わせの世界で、孤児は幾らでも居る。空きが無い所を無理にお願いしたらしい。
山賊から手に入れた盗品はヨーゼフさんに寄付する事を皆で決めた。
子供数人が成人となる14歳まで孤児院で生活する分は十分だろう。
山賊の報奨金が出るまで2週間ほどかかるため、騎士団寄宿舎を拠点にギルドの依頼を受けて過ごした。
しかし報奨金が出た後も、ナターシャと同じ魔法を使う人間が出てきたという事でバラン将軍だけでなく、昨日からブルネリ公爵も来て話をしている。
反ギリス教の中心的な立場のブルネリ公爵が狙われる可能性を考えていた。
ナターシャがギリス教と繋がっていた事を考えると、彼女が所属していたと思われる4本指にとってもブルネリ公爵は邪魔な存在になるからだ。
今回狙われたのは、クリームがブルネリ公爵の護衛を良く行っている為ではないかと考えている。
話が政治的な内容になってきたので、OZは席を外し、俺はヨーゼフさんの店に渡す食器作りを行う事にした。
「拓ちゃん、開店は先なんだから、そんなに混詰める必要はないだろ。」
「そうなんだけど、何が有るか分からないからね。
それに、人生、時間が有る様で、意外と無いものなんだよ。」
浩司が入れてくれた紅茶を受け取って一息ついた。
「その台詞、子供の姿で言われてもコントにしかなってないよ。」
浩司は笑って、部屋に積まれた食器を見ていた。
グラスは各100個。食器は各50個を明後日の午前中までには作り上げられそうだ。
割れた時の予備として、時間をみつけて後で同数作る予定だ。
「しかし、4本指の対策はどうしたものかな。
これ以上、邪魔されるのも嫌だし。俺達にやれる事って無いのか。」
紅茶を飲みながら、浩司が考えていた。
確かに、こう何度も接点が出てくると邪魔で仕方がない。
しかし、存在が全く掴めない犯罪組織に対して、俺達のやれることか。
「今回の元にはナターシャ、更には2000年前に勇者を追って立ち去ったアブラムとムーサーが絡んでいるわけだろ。
そこから、何か掴めないか。」
浩司の言う通り、それはアブラムとムーサーの名前を聞いた時のナターシャの反応で間違いない。
「彼女達の魔法はグリムの知識を凌駕していた。
更に、リッチの時代でも知らない魔法だ。そこから導き出される答えは、」
「その答えとは」
「彼等は勇者の知識。つまり勇者の遺産を手に入れたんじゃないかな。
しかし、文明がずっと進んでいたというのに、やっている事は俺達でも対処できる程度。
つまり、手に入れられたのは勇者の遺産の一部でしかない。
そして、4本指とはアブラムとムーサの子孫が引き継いできた秘密結社ではないだろうか。」
浩司の考えに従いリッチに改めて聞いてみたが、アブラムとムーサーについては新しい情報は得られなかった。
俺と浩司が先に門番の所へ行き山賊を捕まえた事を話していると、俺達に気付いたアニスがやってきた。
俺達が馬に乗り、門番と話しているのを見て心配して来てくれたみたいだ。
門番の1人が兵士を呼びに行っている間、アニスに山賊に襲われた事を伝えた。
「無事でよかったよ。
それにしても、クリームを襲うなんて命知らずだね。
山賊に何か秘策でも有ったのかな。」
山賊の1人が人質の振りをして俺達を騙そうとした事を教えると、どうやって見破ったのか聞いて来るので
「皆、人を見る目が肥えているから、その位の嘘は見破れるみたいだよ。」
と適当に誤魔化しておいた。
俺が人のオーラを見て嘘を見破れる事を言うと引かれると思ったからだ。
そんな話をしていると、門番の方が兵士を連れて戻ってきたので、アニスと別れて兵士と一緒に皆の所へ戻った。
山賊は門の所で兵士に引き渡され、後日国から報奨金が渡される。
馬は専門の業者に引き取ってもらい、アマメの素材はエチゴさんの伝手で全て売る事が出来た。
そして、この大量のアマメ退治の評価は高く、ガラにとっての良い実績になった。
子供に関しては、ジェニファーとロビンが調べたが、家族は殺されていた。
マクニス王国にある孤児院を徹底的に調べあげ、見つけ出した信頼できる場所はヨーゼフさんの商会が経営している所だった。
この死と隣り合わせの世界で、孤児は幾らでも居る。空きが無い所を無理にお願いしたらしい。
山賊から手に入れた盗品はヨーゼフさんに寄付する事を皆で決めた。
子供数人が成人となる14歳まで孤児院で生活する分は十分だろう。
山賊の報奨金が出るまで2週間ほどかかるため、騎士団寄宿舎を拠点にギルドの依頼を受けて過ごした。
しかし報奨金が出た後も、ナターシャと同じ魔法を使う人間が出てきたという事でバラン将軍だけでなく、昨日からブルネリ公爵も来て話をしている。
反ギリス教の中心的な立場のブルネリ公爵が狙われる可能性を考えていた。
ナターシャがギリス教と繋がっていた事を考えると、彼女が所属していたと思われる4本指にとってもブルネリ公爵は邪魔な存在になるからだ。
今回狙われたのは、クリームがブルネリ公爵の護衛を良く行っている為ではないかと考えている。
話が政治的な内容になってきたので、OZは席を外し、俺はヨーゼフさんの店に渡す食器作りを行う事にした。
「拓ちゃん、開店は先なんだから、そんなに混詰める必要はないだろ。」
「そうなんだけど、何が有るか分からないからね。
それに、人生、時間が有る様で、意外と無いものなんだよ。」
浩司が入れてくれた紅茶を受け取って一息ついた。
「その台詞、子供の姿で言われてもコントにしかなってないよ。」
浩司は笑って、部屋に積まれた食器を見ていた。
グラスは各100個。食器は各50個を明後日の午前中までには作り上げられそうだ。
割れた時の予備として、時間をみつけて後で同数作る予定だ。
「しかし、4本指の対策はどうしたものかな。
これ以上、邪魔されるのも嫌だし。俺達にやれる事って無いのか。」
紅茶を飲みながら、浩司が考えていた。
確かに、こう何度も接点が出てくると邪魔で仕方がない。
しかし、存在が全く掴めない犯罪組織に対して、俺達のやれることか。
「今回の元にはナターシャ、更には2000年前に勇者を追って立ち去ったアブラムとムーサーが絡んでいるわけだろ。
そこから、何か掴めないか。」
浩司の言う通り、それはアブラムとムーサーの名前を聞いた時のナターシャの反応で間違いない。
「彼女達の魔法はグリムの知識を凌駕していた。
更に、リッチの時代でも知らない魔法だ。そこから導き出される答えは、」
「その答えとは」
「彼等は勇者の知識。つまり勇者の遺産を手に入れたんじゃないかな。
しかし、文明がずっと進んでいたというのに、やっている事は俺達でも対処できる程度。
つまり、手に入れられたのは勇者の遺産の一部でしかない。
そして、4本指とはアブラムとムーサの子孫が引き継いできた秘密結社ではないだろうか。」
浩司の考えに従いリッチに改めて聞いてみたが、アブラムとムーサーについては新しい情報は得られなかった。
23
あなたにおすすめの小説
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー
不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました
今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った
まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います
ーーーー
間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします
アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です
読んでいただけると嬉しいです
23話で一時終了となります
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
令和日本では五十代、異世界では十代、この二つの人生を生きていきます。
越路遼介
ファンタジー
篠永俊樹、五十四歳は三十年以上務めた消防士を早期退職し、日本一周の旅に出た。失敗の人生を振り返っていた彼は東尋坊で不思議な老爺と出会い、歳の離れた友人となる。老爺はその後に他界するも、俊樹に手紙を残してあった。老爺は言った。『儂はセイラシアという世界で魔王で、勇者に討たれたあと魔王の記憶を持ったまま日本に転生した』と。信じがたい思いを秘めつつ俊樹は手紙にあった通り、老爺の自宅物置の扉に合言葉と同時に開けると、そこには見たこともない大草原が広がっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる