異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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553カレー工場始動

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今日から、本格的にカレー工場が始動する。
俺の前には作業着に着替えた獣人の人達が並んでいる。
その後ろには、サリナ姫ご一行が楽しそうに様子を眺めていて、本当にやり辛い。

「おはようございます。
 ようやく準備が終わり、カレー工場を稼動させることが出来る様になりました。
 ここで働くことが決まってから、期間が開いてしまったにも関わらず全員が来てくれたとこに感謝します。
 皆さんには、今日からカレー粉作りを行ってもらいます。
 作業の工程を考えて設置をしていますが、改善点、危険な事などが有れば上に伝えて下さい。
 工場のライン責任者はカインさんとベックさん
 カレー粉の品質責任者はジャン料理長に兼任してもらいます。
 警備責任者はソードさんとバックラさん。
 特に初めは大変だとは思いますが、宜しくお願いします。」

俺の挨拶も終わり、これで今日の最大の山場は終わりだ。

現在、警備員としてスラム街で自衛団をしていたシンクさん達4人を雇っている。
これはニックさんの提案で、真っ当に生活をしていれば、きちんとした仕事に就ける事を示すのが目的らしい。
ソードさんとバラックさんに徹底的に鍛えられ何とか合格点を貰えたが、スラム街でもぐりの医者をしているダリアさんに毎日治療をしてもらっていたらしい。
そんな大変な状態を見ていて、スラムの人に希望を持たせられるのか疑問に思ったが、意外と子供達からは羨望のまなざしで見られている。


総責任者のニックさんからの話も終わり、早速作業を行ってもらう。
素材を粉にする者、量を測り調合する者、炙る者、瓶に詰める者とそれぞれの役割で働いてもらい
出来上がったカレー粉の確認をしたが、良い感じで出来上がっている。
ジャン料理長とルミナスさんにも確認してもらったが問題ない。

1ヶ月間は作業工程を確認しながら、カレー専門店で使う分を用意する。
カレー粉自体の販売は、もう少し後になる予定だ。
初めからフル稼働で工場を動かしているが、ニックさんの予測は大丈夫だろうか。
余ったら、家に在るミスリルで作った拡張ボックスにしまっておいて、機会を見つけてカレーの宣伝をするしかないか。

幾つか指摘が上がり、見直しを行った以外は問題なさそうだ。
後は任せて1週間ほど作業をしてもらい、問題点を洗い出して行く事にする。

店の方は、明日 パウロさんが調理や接客をしてくれる人を連れてくるので、ジャン料理長に仕切ってもらう。
既にルミナスさんから意見を頂いて配置などの調整は終わっている。


大きな問題が無いことを確認して家に戻ると、力が抜けた。

「あー、緊張した。」

従業員の前では自信有りげな顔をしていたが、心配で仕方が無い。
ニックさんから売上予測を見せてもらってはいるが、継続して売れるだろうか。
全員が十分に生活できるだけの収入を継続して得られるだろうか。

「そんなに心配しなくても大丈夫だ。
 ニックはあれで中々のやり手だ。
 それに、手を貸してくれる商人も素晴らしい者達ばかりではないか。
 拓殿は、どっしりと構えていれば良い。」

疲れきった俺に、ブルネリ公爵が声を掛けてくれる。
ブルネリ公爵もロダン侯爵も、良く領地経営なんて出来ると思う。
俺がそんな立場になったら、ストレスで胃潰瘍にでもなってしまうのではないだろうか。
俺は平民で本当に良かった。
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