異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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610日記

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皆の酔いが治まるまで休んでから話をする事にし
その間に、俺は土魔法で簡単なドームを作り、賢者の遺体をそこに横たえ地下室に有った魔道具を調べる事にした。

皆が休んでいる間に魔道具を調べてみたのだが動かない。
グリムが以前に遺跡で発見した動力源として使っていた魔力増幅の魔法陣に似ていると言うので
分かる範囲で記載した用紙と比較してみると、確かに似ている。

「多分、ここの魔法陣が駄目になっていると思うけど、おかしいな。」

魔法陣を直せば使える様になると思うが、治療にこれを使うのは危険だと思う。
調べた所、制御できる魔力量が大き過ぎるみたいだ。
リッチは魔力暴走と言っていたが、患者を簡単に死なせる事になるのではないだろうか。

「これは、多分別の目的で作られた魔道具だと思うよ。
 治療用に、こんな無駄に強力な魔道具は作らない。」

もしくは、何かの装置の1部と考えるのが妥当だろう。
リッチは勇者が使っているのを見ていただけで、そんな事を考えもしなかったらしい。

「拓殿、浩司殿、魔道具の検証は如何ですか。」

島の周囲の様子を確認してきたガゼルス将軍が戻ってきた。
あの中で、ガゼルス将軍だけが魔力の影響を受けていなかった。
壊れているが、この魔道具で扱える魔力量は大きいと推測される事を話すと

「強力な魔道具ですか。後で皆に相談した方が良さそうですね。」

正直、分解してしまう方が良いと思うが、リッチにとっては思い出の品だろうし壊すのは躊躇われる。
かと言って、知ってしまったからには放置する訳にもいかない。


皆の酔いが治まり状況を説明した所で、俺と浩司は地下室を皆は地上の部屋を調べる事になった。
天井に灯りの魔道具を設置し、改めて部屋を見ると棚には薬草についての本や賢者の書いたノートが有った。

「秘密の研究室か。どんな研究をしていたんだろうな。」

中を見てみると薬の調合について綴られており、1冊は薬を作る苦悩が綴られている日記だった。

******(賢者の日記より)

ポーションを組み合わせた薬は失敗した。
薬草で風土病の症状を抑える事しか出来ない。
4大王国の間で戦争が起こったらしい。
怪我人も多数出て、食料や薬が徴収された。


王国の方では戦火が広がり、徴兵で息子が連れて行かれた。
戦争は、私から全てを奪うのだろうか。
息子が旅立つ日、薬を完成させるのを楽しみにしていると言われた。
せめて、風土病の治療薬だけでも完成させたい。


祖先が勇者様より預かった魔道具を使ってみようと思う。
危険なので使用しない様に言われてきたが、この魔道具は魔力の流れを制御できると聞いている。
魔力を操作し、薬に魔力を組み合わせ強い効果を得られないか実験を行う。


魔道具の制御をしきれず、自分の体の魔力の流れを崩してしまったみたいだ。
それでも、薬の効果は得られなかった。
どうすれば良い。
私には風土病を直す事が出来ないのだろうか。


魔道具の影響だろうか。体を動かすのがきつくなってきた。
私には時間が無い。
どうすれば、薬が出来る。
このままでは、薬が完成させられない。
今までの研究を引き継ぐことも出来ず、息子との約束も守れない。

******

ノートの最後には、この記述が最後に終わっていた。
賢者は、風土病の治療薬が出来なかった事を悔やんで無くなったのだろう。

『素晴らしい研究者じゃな。』

グリムの言う通りだと思う。
しかも、日記の内容をみると魔道具の危険性も書かれている。
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