異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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643戦争

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「それは本当か。」
「はい、マクニス王国においても戦争の準備が始まります。」

バラン将軍の元に連絡の為 部下の兵士がやって来た。、
ジレット王国がマクニス王国に戦争を仕掛ける準備をしているとのことだった。
どうやら、毒を撒いて死刑になるはずだった貴族達が動いているらしい。

「バラン将軍、これがナターシャ達がやりたかった事ですか。何のために。」
「分からない。しかし、囚人達はマクニス王国を潰したいのだろう。
 ジレット王国は人間至上主義の影響が強い国だ。繋がりが有っても不思議ではない。」

バラン将軍は、元貴族と言わずに囚人と呼んでいる。
獣人に対し排他的な考え方を持っていた元貴族。
ここまで来れば、貴族なんて言葉を付ける価値も無いか。

バラン将軍の立場だが、今回の戦争には参加せず、サリナ姫の護衛任務を続ける事になるらしい。
バラン将軍の所属する第3騎士団もマクニス王国の治安維持を行う。

「それは、どういう事だ。」
「第1、第2騎士団、そして貴族派閥が自らの軍で対応します。」

はっきりとは言わないが、今までの流れを考えると貴族派閥の見栄なのだろう。
そんな事で国は大丈夫なのか。

「後、ブルネリ公爵よりこちらの手紙を預かっております。
 OZ、アーク、クリームの方々にも見せても問題ないと伺っています。」

手紙を見せて貰うと、ジレット王国軍の今後の行動について詳細が書かれている。
ブルネリ公爵が独自の情報網を築いているみたいだ。
しかし、これを俺達の所に送って来た理由は何だ。

「ガラ、ジレット王国軍が動くコースを確認したい。地図は有る?」

俺が問いかけると、ガラが直ぐに地図を用意してくれた。
ナターシャが何を企んでいるのかは分からない。
バラン将軍が外されたのも、企みの1つなのかも知れない。

「バラン将軍、俺と浩司の能力を知っても問題ない人間はどれだけ集められるでしょうか。」

やってやろうじゃないか。
俺が魔道具を作っていただけだと思うなよ。


******(バラン将軍)

拓殿に言われ、第3騎士団とブルネリ公爵領、ロダン侯爵領から200名の兵士が集まった。
全員、冒険者としての格好をしている。
他にラグテルの町のギルドマスター バクル殿やゴルゴ殿のB級冒険者のパーティが加わっている。
森の中を移動するのなら、信頼出来る冒険者を追加した方が良いと拓殿が連れて来た。
我々の事は信頼できる仲間と言うだけで細かい事は明らかにしなかったが、拓殿達の仲間という言葉だけで受け入れてくれた。


「私の護衛より、戦争を回避する方が重要です。宜しくお願いします。」

護衛の対応をどうするか考えていたが、逆にサリナ姫から言われてしまった。
ヨハン王子に言われ、ガゼルス将軍も同行している。
護衛にはリチャード魔道師、ハンナ騎士が付き、残りは全員、拓殿の計画に参戦する。

拓殿と浩司殿は、事前の細工を行うと言って既に出発している。
我々は、事前に打ち合わせをしておいた、ジレット王国の森の中に待機中だ。

「しかし、あいつが俺に依頼するとは意外だったな。」
「今のお前なら信頼できるに値すると思われているんだろう。期待を裏切るなよ。」
「当り前だ。あいつの期待以上の行動をしてみせるぜ。
 しかし、万の軍隊相手にたかだか200人で山賊の真似ごとをするとはどういう事だ。」
「上手く行かなければ撤退と言っていたが、詳しくは分からない。
 しかし、そんな話しで良くも依頼を受けたな。」
「それはギルドマスターも同じだろ。まぁ、拓なら信じても良いと思ったからな。」
「確かに、そこはお互い様だな。」

バクル殿とゴルゴ殿が話しを聞いただけでも、拓殿達は彼等から絶対の信頼を得ているのだろう。
しかし、本当に200名で戦争を止める事が出来るのか。

夜遅く、拓殿と浩司殿が戻ってきた。

「皆さん、協力ありがとうございます。
 事前準備は順調です。後は、彼等に夜襲をかけるだけです。
 但し、俺の作戦が失敗したら、何もせずに退却してください。
 バクルさん、ゴルゴ、その時は退却の道案内をお願いします。」

最終確認をし、後はジレット王国軍が来るのを待つだけとなった。

次の日の夜、ジレット王国軍が一夜を過ごすために平原に野営の準備をし始めると

「武力だけが力で無いと思い知らせてやりますよ。」

そう言って、浩司殿とヨギ魔道師がハングライダーで飛び立ち、拓殿が気配を消してジレット王国兵士の方へ向かって行った。


******(ジレット王国兵士)

「この遠征は妙に疲れが溜まるな。」
「やはり、ここまで大きな戦争は久しぶりだからな。知らずのうちに緊張しているのかも知れない。」
「マクニス王国でクーデターやオーガによる騎士団への襲撃。弱っている今が、絶好の機会なんだろ。」
「しかし、マクニス王国の元貴族なんて一緒に戦う価値が有るのか。負けて逃げ出した連中なんだろ。」
「奴等にすれば、ここで武勲を立てなければ後が無いんだからよ。」

野営の準備をしながら仲間と話していると、ポツリと雨が降ってきた。
空を見上げると、雲は出ているが雨雲では無い。

「天気雨だ、直ぐに止むさ。それより早く準備を終わらせようぜ。」

そう言われ、天気雨を気にせず野営の準備を進めた。
思っていたより疲れが溜まっているみたいだ。
早く寝て、明日に備えた方が良さそうだ。
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