異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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713スタンビート

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大森林に近い近い場所で一人の少女が立っていた。
少女の足元には魔法陣が描かれ、周囲には巨大な魔石が設置されている。

「何で、拓や浩司は獣人の味方をして、僕達と戦おうとするんだ。
 獣人なんて只の実験動物じゃないか。あんなのの為に。」

そう呟くと首から下げていた銀の笛のペンダントを手に取った。
魔法陣が発動し、巨大な魔力が少女の体に流れ込む。
少女は風の魔力を森の中に広げ、銀の笛を吹いた。

人間が聞こえるより更に高い音域の音が森の中に響き渡る。
人には音は聞こえていないが、魔獣はその音に反応した。
その音を聞いた魔獣の目には攻撃の意思が現れ、町を襲うために移動を開始し始めた。


マクニス王国には、周囲の状況を監視するために砦がある。
それは、大森林に対しても監視は行われている。

「光弾を打ち上げろ。お前達は、マクニカ王国に詳細の伝令を」
「しかし、」
「これは命令だ。王国の一大事だ。早く行け。」
「「「はい」」」

若い2人の兵士が砦から馬に乗って駆けて行った。
そして、非常事態を伝えるための信号弾が打ち上げられ空を明るく照らす。
打ち上げられた信号弾は、途中の町で中継され王国へと連絡が届く。

「残った連中は時間稼ぎだ。悪いな。」
「何を言っているんです。別に、俺達で全部倒してしまっても構わないんですよね。」
「そうだな。全員、塀に並べ。魔法弾を放つ準備しろ。引き寄せて一斉に攻撃する。」

魔獣の咆哮が聞えてくる。
こんな事は初めてだ。大量の魔獣が森から溢れ出そうとしている。


******

俺達は広場で打ち上げられた信号弾を見ていた。

「オリバーさん、あの光は何ですか。」
「あれは、非常信号だ。スタンビート、大森林から大量の魔獣が溢れ出す。」

俺にオリバー隊長が信号の意味を説明する。

「このタイミングでか。」
「多分、このタイミングだからだよ。俺達は4本指の拠点、勇者の遺産に続く道に向かっている。」
「ナターシャ達の攻撃ってことかよ。」
「嫌がらせと言うよりも、本気で潰しに来たのかもしれませんね。もしくは時間稼ぎ。」
「時間稼ぎか。」
「マクニス王国から奪った魔道具を使い、何かをするまでの時間稼ぎって事か。」

俺達がこの状態を推測している間に、オリバー隊長は今後の行動を決めた。

「我々は、スタンビートの対応をする。直ぐに出発する。準備を急げ。」

広場に響き渡る声で話すオリバー隊長に

「待ってください。私達の進行を防ぐためにこの状況を作り出したのなら、2手に分かれた方が良くないでしょうか。」

サリナ姫の意見が採用され、
オリバー隊長を先頭に第3騎士団とブルネリ公爵の私兵、そしてグランザム兵がスタンビートに向かうことになった。

「俺達が先導しよう。足もないなら、森を抜けた方が早い。
 それなら、騎士より冒険者の俺達の方が慣れている。」

バルク・ギルドマスターやゴルゴ達が道案内を買って出てくれた。更にゴルゴは

「良いか、拓。スタンビートなんて俺がサクっと倒してくるから、絶対に無茶な事をするなよ。」
「分かった。必ず、皆で無事に戻ってくるよ。」
「なっ、何だよ。今日は素直な反応だな。まぁ、分かっていれば良い。」
「これを持って行ってくれないか。
 相手が魔獣を操っている可能性を考えて対策を立ててみた。
 ただ、効果はぶっつけ本番になるけど。」

俺が準備しておいた拡張バッグをギルドマスターのバルクとゴルゴ達に託す。

「お前が作ったんだろ。だったら十分な保証付きだ。」

合わせて取り扱い説明を書いた紙を渡すと

「・・・お前、こんな面倒な事を俺にしろっていうのか・・・分かった何とかしてみる。」
「それから、これを。ぶっつけ本番だけど、ゴルゴ達なら使いこなせる。」

次から次へと・・・
ゴルゴは頭を抱えたが、砦に向かって出発した。
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