713 / 761
713スタンビート
しおりを挟む
大森林に近い近い場所で一人の少女が立っていた。
少女の足元には魔法陣が描かれ、周囲には巨大な魔石が設置されている。
「何で、拓や浩司は獣人の味方をして、僕達と戦おうとするんだ。
獣人なんて只の実験動物じゃないか。あんなのの為に。」
そう呟くと首から下げていた銀の笛のペンダントを手に取った。
魔法陣が発動し、巨大な魔力が少女の体に流れ込む。
少女は風の魔力を森の中に広げ、銀の笛を吹いた。
人間が聞こえるより更に高い音域の音が森の中に響き渡る。
人には音は聞こえていないが、魔獣はその音に反応した。
その音を聞いた魔獣の目には攻撃の意思が現れ、町を襲うために移動を開始し始めた。
マクニス王国には、周囲の状況を監視するために砦がある。
それは、大森林に対しても監視は行われている。
「光弾を打ち上げろ。お前達は、マクニカ王国に詳細の伝令を」
「しかし、」
「これは命令だ。王国の一大事だ。早く行け。」
「「「はい」」」
若い2人の兵士が砦から馬に乗って駆けて行った。
そして、非常事態を伝えるための信号弾が打ち上げられ空を明るく照らす。
打ち上げられた信号弾は、途中の町で中継され王国へと連絡が届く。
「残った連中は時間稼ぎだ。悪いな。」
「何を言っているんです。別に、俺達で全部倒してしまっても構わないんですよね。」
「そうだな。全員、塀に並べ。魔法弾を放つ準備しろ。引き寄せて一斉に攻撃する。」
魔獣の咆哮が聞えてくる。
こんな事は初めてだ。大量の魔獣が森から溢れ出そうとしている。
******
俺達は広場で打ち上げられた信号弾を見ていた。
「オリバーさん、あの光は何ですか。」
「あれは、非常信号だ。スタンビート、大森林から大量の魔獣が溢れ出す。」
俺にオリバー隊長が信号の意味を説明する。
「このタイミングでか。」
「多分、このタイミングだからだよ。俺達は4本指の拠点、勇者の遺産に続く道に向かっている。」
「ナターシャ達の攻撃ってことかよ。」
「嫌がらせと言うよりも、本気で潰しに来たのかもしれませんね。もしくは時間稼ぎ。」
「時間稼ぎか。」
「マクニス王国から奪った魔道具を使い、何かをするまでの時間稼ぎって事か。」
俺達がこの状態を推測している間に、オリバー隊長は今後の行動を決めた。
「我々は、スタンビートの対応をする。直ぐに出発する。準備を急げ。」
広場に響き渡る声で話すオリバー隊長に
「待ってください。私達の進行を防ぐためにこの状況を作り出したのなら、2手に分かれた方が良くないでしょうか。」
サリナ姫の意見が採用され、
オリバー隊長を先頭に第3騎士団とブルネリ公爵の私兵、そしてグランザム兵がスタンビートに向かうことになった。
「俺達が先導しよう。足もないなら、森を抜けた方が早い。
それなら、騎士より冒険者の俺達の方が慣れている。」
バルク・ギルドマスターやゴルゴ達が道案内を買って出てくれた。更にゴルゴは
「良いか、拓。スタンビートなんて俺がサクっと倒してくるから、絶対に無茶な事をするなよ。」
「分かった。必ず、皆で無事に戻ってくるよ。」
「なっ、何だよ。今日は素直な反応だな。まぁ、分かっていれば良い。」
「これを持って行ってくれないか。
相手が魔獣を操っている可能性を考えて対策を立ててみた。
ただ、効果はぶっつけ本番になるけど。」
俺が準備しておいた拡張バッグをギルドマスターのバルクとゴルゴ達に託す。
「お前が作ったんだろ。だったら十分な保証付きだ。」
合わせて取り扱い説明を書いた紙を渡すと
「・・・お前、こんな面倒な事を俺にしろっていうのか・・・分かった何とかしてみる。」
「それから、これを。ぶっつけ本番だけど、ゴルゴ達なら使いこなせる。」
次から次へと・・・
ゴルゴは頭を抱えたが、砦に向かって出発した。
少女の足元には魔法陣が描かれ、周囲には巨大な魔石が設置されている。
「何で、拓や浩司は獣人の味方をして、僕達と戦おうとするんだ。
獣人なんて只の実験動物じゃないか。あんなのの為に。」
そう呟くと首から下げていた銀の笛のペンダントを手に取った。
魔法陣が発動し、巨大な魔力が少女の体に流れ込む。
少女は風の魔力を森の中に広げ、銀の笛を吹いた。
人間が聞こえるより更に高い音域の音が森の中に響き渡る。
人には音は聞こえていないが、魔獣はその音に反応した。
その音を聞いた魔獣の目には攻撃の意思が現れ、町を襲うために移動を開始し始めた。
マクニス王国には、周囲の状況を監視するために砦がある。
それは、大森林に対しても監視は行われている。
「光弾を打ち上げろ。お前達は、マクニカ王国に詳細の伝令を」
「しかし、」
「これは命令だ。王国の一大事だ。早く行け。」
「「「はい」」」
若い2人の兵士が砦から馬に乗って駆けて行った。
そして、非常事態を伝えるための信号弾が打ち上げられ空を明るく照らす。
打ち上げられた信号弾は、途中の町で中継され王国へと連絡が届く。
「残った連中は時間稼ぎだ。悪いな。」
「何を言っているんです。別に、俺達で全部倒してしまっても構わないんですよね。」
「そうだな。全員、塀に並べ。魔法弾を放つ準備しろ。引き寄せて一斉に攻撃する。」
魔獣の咆哮が聞えてくる。
こんな事は初めてだ。大量の魔獣が森から溢れ出そうとしている。
******
俺達は広場で打ち上げられた信号弾を見ていた。
「オリバーさん、あの光は何ですか。」
「あれは、非常信号だ。スタンビート、大森林から大量の魔獣が溢れ出す。」
俺にオリバー隊長が信号の意味を説明する。
「このタイミングでか。」
「多分、このタイミングだからだよ。俺達は4本指の拠点、勇者の遺産に続く道に向かっている。」
「ナターシャ達の攻撃ってことかよ。」
「嫌がらせと言うよりも、本気で潰しに来たのかもしれませんね。もしくは時間稼ぎ。」
「時間稼ぎか。」
「マクニス王国から奪った魔道具を使い、何かをするまでの時間稼ぎって事か。」
俺達がこの状態を推測している間に、オリバー隊長は今後の行動を決めた。
「我々は、スタンビートの対応をする。直ぐに出発する。準備を急げ。」
広場に響き渡る声で話すオリバー隊長に
「待ってください。私達の進行を防ぐためにこの状況を作り出したのなら、2手に分かれた方が良くないでしょうか。」
サリナ姫の意見が採用され、
オリバー隊長を先頭に第3騎士団とブルネリ公爵の私兵、そしてグランザム兵がスタンビートに向かうことになった。
「俺達が先導しよう。足もないなら、森を抜けた方が早い。
それなら、騎士より冒険者の俺達の方が慣れている。」
バルク・ギルドマスターやゴルゴ達が道案内を買って出てくれた。更にゴルゴは
「良いか、拓。スタンビートなんて俺がサクっと倒してくるから、絶対に無茶な事をするなよ。」
「分かった。必ず、皆で無事に戻ってくるよ。」
「なっ、何だよ。今日は素直な反応だな。まぁ、分かっていれば良い。」
「これを持って行ってくれないか。
相手が魔獣を操っている可能性を考えて対策を立ててみた。
ただ、効果はぶっつけ本番になるけど。」
俺が準備しておいた拡張バッグをギルドマスターのバルクとゴルゴ達に託す。
「お前が作ったんだろ。だったら十分な保証付きだ。」
合わせて取り扱い説明を書いた紙を渡すと
「・・・お前、こんな面倒な事を俺にしろっていうのか・・・分かった何とかしてみる。」
「それから、これを。ぶっつけ本番だけど、ゴルゴ達なら使いこなせる。」
次から次へと・・・
ゴルゴは頭を抱えたが、砦に向かって出発した。
62
あなたにおすすめの小説
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー
不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました
今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った
まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います
ーーーー
間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします
アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です
読んでいただけると嬉しいです
23話で一時終了となります
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
令和日本では五十代、異世界では十代、この二つの人生を生きていきます。
越路遼介
ファンタジー
篠永俊樹、五十四歳は三十年以上務めた消防士を早期退職し、日本一周の旅に出た。失敗の人生を振り返っていた彼は東尋坊で不思議な老爺と出会い、歳の離れた友人となる。老爺はその後に他界するも、俊樹に手紙を残してあった。老爺は言った。『儂はセイラシアという世界で魔王で、勇者に討たれたあと魔王の記憶を持ったまま日本に転生した』と。信じがたい思いを秘めつつ俊樹は手紙にあった通り、老爺の自宅物置の扉に合言葉と同時に開けると、そこには見たこともない大草原が広がっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる