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4.レオン
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外での用事を終え、屋敷に戻る。
馬車が屋敷の前で止まると、従者のロベルトが扉を開いた。
屋敷までの石垣を、月明かりに照らされた静けさの中、歩いていく。
ガチャリ。
大きな玄関の扉が開く。
吹き抜けの高い天井、その中央に伸びる螺旋階段。
見慣れたはずの光景。
だが、そこに存在する“違和感”があった。
(ん?ルーミエール?)
屋敷で顔を合わせることの無い婚約者が、珍しく階段を登って……
いや。登っている訳ではなさそうだった。
手すりに必死にしがみつき、今にも転がり落ちそうな様子がみてとれる。
「危ないっ!」
崩れ落ちる彼女に、反射的に駆け寄り、その体を抱きとめる。
「どうした?」
「大丈夫か?」
問いかけても返事は無い。
腕の中の彼女の肌は冷たく、顔色は青白く見えた。
一体何が起こった?
「ベルっ!」
ロベルトを呼ぶと、直ぐに駆けつけた。
「レオン様。いかが致しましたか?」
「分からない。体調が悪いのに出歩くような者では無いはずだが……。」
名目上は“婚約者”。
だが実際、彼女のことは何も知らない。
こちらから条件付きで縁談を進めただけ――。
使用人や周囲の人物から報告が上がってるのを聞いている限り、日々言動の横暴っぷりは甚だしく、男の影が絶えないとか。
その真偽を確かめる気も起きなかった。
ただの名ばかりの関係。そう、思っていた。
『体調が悪い、気分が乗らない、会いたくない』
真実かどうかはさて置き、社交の場に赴く以外、顔を合わせることのないお飾りの婚約者と、屋敷内で顔を合わせることは無かったのだが……。
……なのに、今こうして腕の中に抱いていると、どこか違和感があった。
彼女を抱え上げ、階段を上る。
「レオン様!? お、お運びに……!」
動揺を隠せないロベルトは慌てて後をついてくる。
彼女の部屋の前まで来ると、メイドが1人待ち構えていた。
確か、ニーナという名だったはずだ。
身の回りの世話をさせているメイドだ。
「ル!ルーミエールさまっ!!??」
ニーナは手際よくベッドを整え、あれこれと薬を手配し始めた。
そこに、他のメイドが加わりバタバタと湯冷ましを作り、着替えの準備だの何だのに大忙しだ
(手際がいい……。まるで、こうなることを予想していたかのようだ)
「ベル。戻っていろ。」
ロベルトに指示を出し、静まり返った室内でルーミエールをベッドに横たえる。
天蓋を閉じ、しばらくメイドたちが世話を焼くのを、壁に寄りかかって静かに観察した。
廊下の向こうから、メイドたちの囁き声が聞こえてくる。
「だから申し上げたんですよ、あれほど好き嫌いなさらぬようにって」
「クスクス……」
偏食なのは報告に上がっていたが、それが原因であんな様子になるなんて想像できない。
やがて騒ぎが収まり、天蓋のカーテンが結ばれ、ニーナを残して他のメイドたちは去っていった。
「ルミ様……。」
ルミ?
……ぁぁ。ルーミエールの事か。
「ニーナと言ったな?良くあることなのか?」
部屋の隅からベッドに向かって歩を進めながら静かに声をかけると
ニーナは、ハッとして、慌てて頭を下げ、深々とお辞儀をする。
「大変失礼致しました。レオン様がこちらにいらっしゃることに気づきませんでした。お戻りになられたとばっかり……。」
「し、失礼致します。」
慌てて部屋を出ようとするニーナの腕をパッとつかみ、
「何か知ってるなら話して欲しい。」
と、告げる。
ニーナは、口をキュッと結び、力弱く震えながら言葉を噛み殺していた。
やはり、何かあるようだ。
はぁ……。あまりこの手の言葉は選ぶのに気が引ける
「何か知っているな?私に隠し事をするとはいい度胸だな。話せ。」
「も……申し訳……ございませんっ!!!!」
ニーナは床に突っ伏して許しを乞うた
「顔を上げろ。ここには私だけしか居ない。言っている意味が分かるな?」
ようやくニーナは口を開いた。
「お嬢様は、きっと毒を盛られたんです」
「は?毒?」
屋敷内で?誰に?
予想だにしない返答に、驚きを隠せなかった。
「あるいは、傷んだ食材、加熱が行き届いてない調理……。ですので、味付けの濃いもの、風味が分からないもの、違和感があるものは極力お召し上がりにならないように、と、ご注意を申し上げているのですが……。」
選り好みが激しく、食べ物の好みも極端で、偏食家。口に合わないから下げさせる。といった報告も聞いている。
だが……。
「よくあることなのか?」
「いえ。最近はございません。お気を付けておいででしたので。」
ベッドのほうから、弱い息づかいが聞こえた。
薄く開いた瞳――淡い茶色の光が、ゆらりとこちらを見上げる。
ニーナは枕元で薬湯を用意して、せっせと世話を焼いている。
2人の姿を横目に、スっと部屋を後にした。
馬車が屋敷の前で止まると、従者のロベルトが扉を開いた。
屋敷までの石垣を、月明かりに照らされた静けさの中、歩いていく。
ガチャリ。
大きな玄関の扉が開く。
吹き抜けの高い天井、その中央に伸びる螺旋階段。
見慣れたはずの光景。
だが、そこに存在する“違和感”があった。
(ん?ルーミエール?)
屋敷で顔を合わせることの無い婚約者が、珍しく階段を登って……
いや。登っている訳ではなさそうだった。
手すりに必死にしがみつき、今にも転がり落ちそうな様子がみてとれる。
「危ないっ!」
崩れ落ちる彼女に、反射的に駆け寄り、その体を抱きとめる。
「どうした?」
「大丈夫か?」
問いかけても返事は無い。
腕の中の彼女の肌は冷たく、顔色は青白く見えた。
一体何が起こった?
「ベルっ!」
ロベルトを呼ぶと、直ぐに駆けつけた。
「レオン様。いかが致しましたか?」
「分からない。体調が悪いのに出歩くような者では無いはずだが……。」
名目上は“婚約者”。
だが実際、彼女のことは何も知らない。
こちらから条件付きで縁談を進めただけ――。
使用人や周囲の人物から報告が上がってるのを聞いている限り、日々言動の横暴っぷりは甚だしく、男の影が絶えないとか。
その真偽を確かめる気も起きなかった。
ただの名ばかりの関係。そう、思っていた。
『体調が悪い、気分が乗らない、会いたくない』
真実かどうかはさて置き、社交の場に赴く以外、顔を合わせることのないお飾りの婚約者と、屋敷内で顔を合わせることは無かったのだが……。
……なのに、今こうして腕の中に抱いていると、どこか違和感があった。
彼女を抱え上げ、階段を上る。
「レオン様!? お、お運びに……!」
動揺を隠せないロベルトは慌てて後をついてくる。
彼女の部屋の前まで来ると、メイドが1人待ち構えていた。
確か、ニーナという名だったはずだ。
身の回りの世話をさせているメイドだ。
「ル!ルーミエールさまっ!!??」
ニーナは手際よくベッドを整え、あれこれと薬を手配し始めた。
そこに、他のメイドが加わりバタバタと湯冷ましを作り、着替えの準備だの何だのに大忙しだ
(手際がいい……。まるで、こうなることを予想していたかのようだ)
「ベル。戻っていろ。」
ロベルトに指示を出し、静まり返った室内でルーミエールをベッドに横たえる。
天蓋を閉じ、しばらくメイドたちが世話を焼くのを、壁に寄りかかって静かに観察した。
廊下の向こうから、メイドたちの囁き声が聞こえてくる。
「だから申し上げたんですよ、あれほど好き嫌いなさらぬようにって」
「クスクス……」
偏食なのは報告に上がっていたが、それが原因であんな様子になるなんて想像できない。
やがて騒ぎが収まり、天蓋のカーテンが結ばれ、ニーナを残して他のメイドたちは去っていった。
「ルミ様……。」
ルミ?
……ぁぁ。ルーミエールの事か。
「ニーナと言ったな?良くあることなのか?」
部屋の隅からベッドに向かって歩を進めながら静かに声をかけると
ニーナは、ハッとして、慌てて頭を下げ、深々とお辞儀をする。
「大変失礼致しました。レオン様がこちらにいらっしゃることに気づきませんでした。お戻りになられたとばっかり……。」
「し、失礼致します。」
慌てて部屋を出ようとするニーナの腕をパッとつかみ、
「何か知ってるなら話して欲しい。」
と、告げる。
ニーナは、口をキュッと結び、力弱く震えながら言葉を噛み殺していた。
やはり、何かあるようだ。
はぁ……。あまりこの手の言葉は選ぶのに気が引ける
「何か知っているな?私に隠し事をするとはいい度胸だな。話せ。」
「も……申し訳……ございませんっ!!!!」
ニーナは床に突っ伏して許しを乞うた
「顔を上げろ。ここには私だけしか居ない。言っている意味が分かるな?」
ようやくニーナは口を開いた。
「お嬢様は、きっと毒を盛られたんです」
「は?毒?」
屋敷内で?誰に?
予想だにしない返答に、驚きを隠せなかった。
「あるいは、傷んだ食材、加熱が行き届いてない調理……。ですので、味付けの濃いもの、風味が分からないもの、違和感があるものは極力お召し上がりにならないように、と、ご注意を申し上げているのですが……。」
選り好みが激しく、食べ物の好みも極端で、偏食家。口に合わないから下げさせる。といった報告も聞いている。
だが……。
「よくあることなのか?」
「いえ。最近はございません。お気を付けておいででしたので。」
ベッドのほうから、弱い息づかいが聞こえた。
薄く開いた瞳――淡い茶色の光が、ゆらりとこちらを見上げる。
ニーナは枕元で薬湯を用意して、せっせと世話を焼いている。
2人の姿を横目に、スっと部屋を後にした。
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