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第二十四章 機能家族
第504話 迷路攻略
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『トモダチ? 無理だネ』
「えぇっ!? なんでなんで!?」
『アタシはオジのパソコンを借りてプレイをしているんダ。今日ガ終われバもう会えなイ』
「むぅ~っ!」
テオはほっぺを膨らませて不満を露わにします。
「じゃあどこに住んでいるか教えてよ! 父さんに頼んで君宛にパソコンを送って貰う!」
『ハァ? ナニヲ言っているんダ……。パーク内デ個人情報のやり取リなんて、デキルはずなイだろウ』
「パークの運営を買収すればできるよ」
『……。ハァ?』
ジョーさんは意味がわからない、と言った声を出しました。
「外国のお金を買ったり売ったりするとか、会社の株を買ったり売ったりすれば、パークを丸ごと買うぐらいできるもん」
『オマッ、オマエ……。ナニ怖いコト言っているんダ』
そう言って、ジョーさんはテオの手から離れてしまいます。
『稼ぎヲ期待できルぐらいの資本ガアルことも恐ろしイが……。そもそもオマエいつくヨ? マダ学校にも通っていなイんじゃナイカ?』
「5歳っ!」
『ソノ年で仮想通貨や為替や株ノ取引がデキル訳ナイだろウ!? 年齢制限ニ引っかかル!』
「父さんか母さんにお願いすればいいだけだもん」
『オマッ、オマエ……』
ジョーさんはまた一歩、テオから離れました。きっとテオの本気が伝わったのでしょう。
でも離れられたことに納得できないテオは、ジョーさんにぐいっと近寄るとカードをむんずと掴みます。今度は手から逃れられないように、強く。
「だってオレ、まだまだジョーさんと遊びたいんだもん。仮想空間が駄目ならリアルで会おうよ! どこに住んでいるの? オレは⬛︎⬛︎⬛︎……。あ、ルールに引っかかっちゃった。えーっと、スイスに住んでいるよっ!」
『……スイスか。アタシは中国ダ。残念だったネ』
「中国かぁっ! わぁ、行くの楽しみだなぁ!」
『エッ』
声を弾ませるテオに、ジョーさんは戸惑った様子です。
『そ、ソンナ気軽に来ラレる距離じゃ……。……いや、オマエは金持ちダッタカ……。ダガ、会うノハやはり無理だろウ。国だけワカッテモ落ち合うコトは不可能ダ』
「パークの運営に“お願い”するか、アカウントの元を辿ればおおよその場所くらいわかるけどなぁ」
『ハッキ⬛︎⬛︎する気カ!?』
どうやらハッキング、という単語は規制対象のようです。
ジョーさんの音声にノイズが挿入されました。
『オマエ。何としてでもアタシと会いたイようダガ、ヤメテおケ。住む世界がチガウ』
「住む世界? 国は違っても同じでしょ?」
『育ちヤ文化がチガウとトラブルが起きると言っているんダ。仮にアタシの家がワカッテ、パソコンを送ってくれタとしてモ、そのパソコンは使われずニ売られル』
「売っちゃうの!? 何で!?」
『アタシの家が貧しいカラダ。アタシが今、遊園地ヲプレイできてイるノダッテ、農業ガ収穫期デ、親ガ留守デ、預けられたオジが子守りハ面倒ダカラと、パソコンでヒマをツブさせているからヨ』
ジョーさんの親は、どうやら農家のようです。
テオの頭の中で、中国国内で農業が盛んな地域がピックアップされます。
「でもジョーさん。できればまたゲームしたくない?」
『……マァ、ヒまツブしには最適だナ』
「ふーん。じゃあせめて、今日は目一杯遊ぼうよ! ねぇねぇ、パーク時間で何時までいられる?」
『あト一時間だナ』
「一時間かぁ。じゃあ迷路行くのどうかな? 一緒に回らない?」
『……迷路カ。いいゾ』
「やったぁ!」
同意を得たテオはジョーさんと一緒に、ガーデンラビリンスを回ることにしました。
途中で薔薇の蔦が通路を塞いでいたり、坂道で岩が転がってきたり、トラップや謎解きも盛り沢山の迷路。テオは笑いながら、ジョーさんは『奇天烈ダ』と不満をこぼしながらも、ゴールまで一緒に遊びました。
その途中、
「ねぇ、ジョーさんのお家はどんな作物を育てているの? えっ、薬草!? 珍しい! 見てみたいな~」
「農家さんは天気見るの大事だよね。スイスは昨日、雨だったよ。そっちはどうだった?」
「普段はどんな遊びをしているの?」
「お出かけしていて楽しい場所は?」
「ジョーさんの好きなおやつは?」
と、テオはずぅっとジョーさんのことを訊き続けました。
ジョーさんはちょっと鬱陶しさを覚えながらも、今日だけなのだしと、質問に答え続けました。
ジョーさんにとっても、テオはスムーズにお喋りができる初めての子供で、一緒にいるのが確かに楽しかったのです。
そうして、一時間はあっという間に過ぎてしまいました。
「楽しかったよ、ジョーさん!」
パークのゲートの前で、テオはジョーさんに沢山手を振ります。
『そうカ。アタシも、退屈ハしなかったヨ』
「よかった! お別れ、さびしいなぁ」
『……。オマエは目立ちそうだかラナ。キット世界ニュース辺りデ、会えるダロウ』
「うん、そうかも。また会おうね、ジョーさん!」
微妙に噛み合わない会話を交わし、2人はバイバイしました。
数日後。
迷路攻略時の質問攻めからジョーさんの住所を特定したテオが、プライベートジェット機を飛ばして会いに来ることになるのですが……。
それはまた別のお話。
「えぇっ!? なんでなんで!?」
『アタシはオジのパソコンを借りてプレイをしているんダ。今日ガ終われバもう会えなイ』
「むぅ~っ!」
テオはほっぺを膨らませて不満を露わにします。
「じゃあどこに住んでいるか教えてよ! 父さんに頼んで君宛にパソコンを送って貰う!」
『ハァ? ナニヲ言っているんダ……。パーク内デ個人情報のやり取リなんて、デキルはずなイだろウ』
「パークの運営を買収すればできるよ」
『……。ハァ?』
ジョーさんは意味がわからない、と言った声を出しました。
「外国のお金を買ったり売ったりするとか、会社の株を買ったり売ったりすれば、パークを丸ごと買うぐらいできるもん」
『オマッ、オマエ……。ナニ怖いコト言っているんダ』
そう言って、ジョーさんはテオの手から離れてしまいます。
『稼ぎヲ期待できルぐらいの資本ガアルことも恐ろしイが……。そもそもオマエいつくヨ? マダ学校にも通っていなイんじゃナイカ?』
「5歳っ!」
『ソノ年で仮想通貨や為替や株ノ取引がデキル訳ナイだろウ!? 年齢制限ニ引っかかル!』
「父さんか母さんにお願いすればいいだけだもん」
『オマッ、オマエ……』
ジョーさんはまた一歩、テオから離れました。きっとテオの本気が伝わったのでしょう。
でも離れられたことに納得できないテオは、ジョーさんにぐいっと近寄るとカードをむんずと掴みます。今度は手から逃れられないように、強く。
「だってオレ、まだまだジョーさんと遊びたいんだもん。仮想空間が駄目ならリアルで会おうよ! どこに住んでいるの? オレは⬛︎⬛︎⬛︎……。あ、ルールに引っかかっちゃった。えーっと、スイスに住んでいるよっ!」
『……スイスか。アタシは中国ダ。残念だったネ』
「中国かぁっ! わぁ、行くの楽しみだなぁ!」
『エッ』
声を弾ませるテオに、ジョーさんは戸惑った様子です。
『そ、ソンナ気軽に来ラレる距離じゃ……。……いや、オマエは金持ちダッタカ……。ダガ、会うノハやはり無理だろウ。国だけワカッテモ落ち合うコトは不可能ダ』
「パークの運営に“お願い”するか、アカウントの元を辿ればおおよその場所くらいわかるけどなぁ」
『ハッキ⬛︎⬛︎する気カ!?』
どうやらハッキング、という単語は規制対象のようです。
ジョーさんの音声にノイズが挿入されました。
『オマエ。何としてでもアタシと会いたイようダガ、ヤメテおケ。住む世界がチガウ』
「住む世界? 国は違っても同じでしょ?」
『育ちヤ文化がチガウとトラブルが起きると言っているんダ。仮にアタシの家がワカッテ、パソコンを送ってくれタとしてモ、そのパソコンは使われずニ売られル』
「売っちゃうの!? 何で!?」
『アタシの家が貧しいカラダ。アタシが今、遊園地ヲプレイできてイるノダッテ、農業ガ収穫期デ、親ガ留守デ、預けられたオジが子守りハ面倒ダカラと、パソコンでヒマをツブさせているからヨ』
ジョーさんの親は、どうやら農家のようです。
テオの頭の中で、中国国内で農業が盛んな地域がピックアップされます。
「でもジョーさん。できればまたゲームしたくない?」
『……マァ、ヒまツブしには最適だナ』
「ふーん。じゃあせめて、今日は目一杯遊ぼうよ! ねぇねぇ、パーク時間で何時までいられる?」
『あト一時間だナ』
「一時間かぁ。じゃあ迷路行くのどうかな? 一緒に回らない?」
『……迷路カ。いいゾ』
「やったぁ!」
同意を得たテオはジョーさんと一緒に、ガーデンラビリンスを回ることにしました。
途中で薔薇の蔦が通路を塞いでいたり、坂道で岩が転がってきたり、トラップや謎解きも盛り沢山の迷路。テオは笑いながら、ジョーさんは『奇天烈ダ』と不満をこぼしながらも、ゴールまで一緒に遊びました。
その途中、
「ねぇ、ジョーさんのお家はどんな作物を育てているの? えっ、薬草!? 珍しい! 見てみたいな~」
「農家さんは天気見るの大事だよね。スイスは昨日、雨だったよ。そっちはどうだった?」
「普段はどんな遊びをしているの?」
「お出かけしていて楽しい場所は?」
「ジョーさんの好きなおやつは?」
と、テオはずぅっとジョーさんのことを訊き続けました。
ジョーさんはちょっと鬱陶しさを覚えながらも、今日だけなのだしと、質問に答え続けました。
ジョーさんにとっても、テオはスムーズにお喋りができる初めての子供で、一緒にいるのが確かに楽しかったのです。
そうして、一時間はあっという間に過ぎてしまいました。
「楽しかったよ、ジョーさん!」
パークのゲートの前で、テオはジョーさんに沢山手を振ります。
『そうカ。アタシも、退屈ハしなかったヨ』
「よかった! お別れ、さびしいなぁ」
『……。オマエは目立ちそうだかラナ。キット世界ニュース辺りデ、会えるダロウ』
「うん、そうかも。また会おうね、ジョーさん!」
微妙に噛み合わない会話を交わし、2人はバイバイしました。
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