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結局のところ、男爵令嬢リリアーヌは死罪になることが決まる。
それに騙されたばかりか、肝心の大事な聖女様を世界へ巡回させて罪で、アラミスも廃嫡されること見通しである。
アラミスが痩せた女を好きになったから、起こったので、第2王子からは、聖女様の好みを言ってはいけないことが決まるも、もう二度と聖女認定をしても、聖女様と認定されるものは一人も出てこない。
メープル国の民衆は、国を捨て始めたのである。今までは、グレースという聖女がいたからこそ魅力的な国であったのだが、なぜかここのところ、糞尿混じりの雨がよく降るようになって、洗濯物を外に干せなくなってしまったからである。
百姓は歓迎しているかというと、そうでもないらしい。収穫間近の作物に糞尿がかかれば、汚くて食べられない。
百姓も隣国へ移住し始めたのである。
貴族もあの結婚式に参列していたものがほとんどだったから、リリアーヌが嘘を吐いていた偽聖女だとわかり、なんだかんだ理由をつけて、王都から領地へ帰り、そこから出国するつもりでいるようだ。
今や王都は以前のような活気もなくなり、閑散としている。それもこれもすべてアラミスのせいである!糾弾されるようになっていく。
アラミスはいたたまれず、グレースを追って、世界旅行に出たが、グレースの行く先などわからない。
隣国への国境付近で、盗賊団と鉢合わせして、人質にされるも、王家は廃嫡したものだからと身代金を支払ってくれず、そこで盗賊団になぶり殺しにされてしまいます。
そんなことになっているとは、つゆ知らず、グレースは次の行き先を決められずにメープル国の上空を旋回しています。糞尿を垂れ流しながら。
いつまでも同じところを飛んでいても埒が明かないので、いったん、公爵邸に戻り、みんなの意見を聞いてみたら、とりあえず隣国へ行くことになったのである。
隣国の上空に差し掛かったところ、お友達の鳥の一羽が弓矢の矢に撃たれ、グレースの結界の中に逃げ込んできたのである。
公爵邸のところまで、飛びあがり手当てをするために寄る。
「なんて、ひどいことを!」
「仕方がありません、お嬢様。狩人も鳥を撃って売り、生計を立てているのです。」
グレースは他の鳥たちに自分の結界の外では飛ばないようにいい聞かせる。それしか自衛策がないからである。
そして仕返しのために、隣国の王都の王城の真上で公爵邸を傾け、下水の汚水をぶちまけて、素知らぬ顔をして、王都を通過するのであった。さらに南下して、また国境を越えて飛ぶ。
これって、不法入国にならないのかしら?急に不安が過る。
厳密には、なるらしいが多分、聖女様だからお咎めはないであろう。
そっか、ならいいや。ひとまず安心したら、急にお腹が空いてきたので、今度見えてくる大きな街で美味しいものを食べるために降りることにする。
しばらく飛んでいると、そこそこ大きな街が見えてきたので、誰もいない森の中に公爵邸を下ろすことにしたのである。
そして、そこからは徒歩で移動し、全員で街を見学、その後自由食で、好きなものを食べて、2時間半後にまた、森へ集合することになったのである。
領民や使用人へのお小遣いはすべて、公爵家持ちであるので、みんな大喜びして街に繰り出す。
領民たちが街のあちらこちらで、自分たちはメープル国から空を飛んできたこと、聖女様と一緒だということの口止めをしていなかったせいで、ずいぶん宣伝してもらったのだ。
美味しいものをたらふく食べ、森に戻ろうとしたら、街を守っている護衛の騎士団などに取り囲まれ尋問?されたので、面倒くさくなって、隠蔽魔法をかけて、透明人間になり、森へ戻ったのである。
一応、点呼をして全員がいるかどうかの確認後、ふたたび公爵邸を浮かせて、森から出ようとしたところ、領主と思しき初老の男性が、馬で駆けてきて、
「お待ちください。聖女様!」
グレースは、仕方なく公爵邸を元の場所に戻し、こういう交渉事は、父公爵のほうが慣れているので、父に任せる。
一応、公爵邸の応接室に領主の男性を招き入れ、なぜこの街を選んだのかなどを説明してもらったのである。
その間、料理長には、飛んでいる間にでも、簡単につまめるようなおやつを作ってもらっているのだ。
領主さまの話の内容は、思っていた通り、しばらくこの街に逗留して、それから聖女様には我が君主の王と対面してほしいということであったが、
「娘は世界中の美味しいものを食べつくしたいと申しておりますから、こちらから王都へ行く時間が惜しいのです。」
「世界中のグルメをぜひ、この街に集めましょうぞ。それならば、しばらくは逗留してくださるでしょうか?君主にもこの街へ来るように手配いたしますれば、今しばらくの出立のご猶予をいただきたく存じます。」
初老の男性は何度も頭を下げ頼み込む。このまま出て行かれたら、自分の面目が丸つぶれになるのであろう。父も宮仕えの経験があるので、よくわかる。
「わかりました。あと1週間か10日間は、この森におりますが、それでよろしいでしょうか?10日間経てば、ここから出立いたします。それまでの猶予です。お急ぎください。」
領主の男性は喜んで帰って行ったのだ。
「ええー?10日間もここにいなきゃいけなくなったの?」
ガッカリするグレースだったが、領主さまができるだけの世界の美食をこの街に集めると約束してくださったことを話すと、急に瞳が輝きだして、
「それなら、全部食べるわ!楽しみですわ。」
ゲンキンな態度に、周囲はやれやれといった感じになるのである。
それに騙されたばかりか、肝心の大事な聖女様を世界へ巡回させて罪で、アラミスも廃嫡されること見通しである。
アラミスが痩せた女を好きになったから、起こったので、第2王子からは、聖女様の好みを言ってはいけないことが決まるも、もう二度と聖女認定をしても、聖女様と認定されるものは一人も出てこない。
メープル国の民衆は、国を捨て始めたのである。今までは、グレースという聖女がいたからこそ魅力的な国であったのだが、なぜかここのところ、糞尿混じりの雨がよく降るようになって、洗濯物を外に干せなくなってしまったからである。
百姓は歓迎しているかというと、そうでもないらしい。収穫間近の作物に糞尿がかかれば、汚くて食べられない。
百姓も隣国へ移住し始めたのである。
貴族もあの結婚式に参列していたものがほとんどだったから、リリアーヌが嘘を吐いていた偽聖女だとわかり、なんだかんだ理由をつけて、王都から領地へ帰り、そこから出国するつもりでいるようだ。
今や王都は以前のような活気もなくなり、閑散としている。それもこれもすべてアラミスのせいである!糾弾されるようになっていく。
アラミスはいたたまれず、グレースを追って、世界旅行に出たが、グレースの行く先などわからない。
隣国への国境付近で、盗賊団と鉢合わせして、人質にされるも、王家は廃嫡したものだからと身代金を支払ってくれず、そこで盗賊団になぶり殺しにされてしまいます。
そんなことになっているとは、つゆ知らず、グレースは次の行き先を決められずにメープル国の上空を旋回しています。糞尿を垂れ流しながら。
いつまでも同じところを飛んでいても埒が明かないので、いったん、公爵邸に戻り、みんなの意見を聞いてみたら、とりあえず隣国へ行くことになったのである。
隣国の上空に差し掛かったところ、お友達の鳥の一羽が弓矢の矢に撃たれ、グレースの結界の中に逃げ込んできたのである。
公爵邸のところまで、飛びあがり手当てをするために寄る。
「なんて、ひどいことを!」
「仕方がありません、お嬢様。狩人も鳥を撃って売り、生計を立てているのです。」
グレースは他の鳥たちに自分の結界の外では飛ばないようにいい聞かせる。それしか自衛策がないからである。
そして仕返しのために、隣国の王都の王城の真上で公爵邸を傾け、下水の汚水をぶちまけて、素知らぬ顔をして、王都を通過するのであった。さらに南下して、また国境を越えて飛ぶ。
これって、不法入国にならないのかしら?急に不安が過る。
厳密には、なるらしいが多分、聖女様だからお咎めはないであろう。
そっか、ならいいや。ひとまず安心したら、急にお腹が空いてきたので、今度見えてくる大きな街で美味しいものを食べるために降りることにする。
しばらく飛んでいると、そこそこ大きな街が見えてきたので、誰もいない森の中に公爵邸を下ろすことにしたのである。
そして、そこからは徒歩で移動し、全員で街を見学、その後自由食で、好きなものを食べて、2時間半後にまた、森へ集合することになったのである。
領民や使用人へのお小遣いはすべて、公爵家持ちであるので、みんな大喜びして街に繰り出す。
領民たちが街のあちらこちらで、自分たちはメープル国から空を飛んできたこと、聖女様と一緒だということの口止めをしていなかったせいで、ずいぶん宣伝してもらったのだ。
美味しいものをたらふく食べ、森に戻ろうとしたら、街を守っている護衛の騎士団などに取り囲まれ尋問?されたので、面倒くさくなって、隠蔽魔法をかけて、透明人間になり、森へ戻ったのである。
一応、点呼をして全員がいるかどうかの確認後、ふたたび公爵邸を浮かせて、森から出ようとしたところ、領主と思しき初老の男性が、馬で駆けてきて、
「お待ちください。聖女様!」
グレースは、仕方なく公爵邸を元の場所に戻し、こういう交渉事は、父公爵のほうが慣れているので、父に任せる。
一応、公爵邸の応接室に領主の男性を招き入れ、なぜこの街を選んだのかなどを説明してもらったのである。
その間、料理長には、飛んでいる間にでも、簡単につまめるようなおやつを作ってもらっているのだ。
領主さまの話の内容は、思っていた通り、しばらくこの街に逗留して、それから聖女様には我が君主の王と対面してほしいということであったが、
「娘は世界中の美味しいものを食べつくしたいと申しておりますから、こちらから王都へ行く時間が惜しいのです。」
「世界中のグルメをぜひ、この街に集めましょうぞ。それならば、しばらくは逗留してくださるでしょうか?君主にもこの街へ来るように手配いたしますれば、今しばらくの出立のご猶予をいただきたく存じます。」
初老の男性は何度も頭を下げ頼み込む。このまま出て行かれたら、自分の面目が丸つぶれになるのであろう。父も宮仕えの経験があるので、よくわかる。
「わかりました。あと1週間か10日間は、この森におりますが、それでよろしいでしょうか?10日間経てば、ここから出立いたします。それまでの猶予です。お急ぎください。」
領主の男性は喜んで帰って行ったのだ。
「ええー?10日間もここにいなきゃいけなくなったの?」
ガッカリするグレースだったが、領主さまができるだけの世界の美食をこの街に集めると約束してくださったことを話すと、急に瞳が輝きだして、
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ゲンキンな態度に、周囲はやれやれといった感じになるのである。
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