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「公爵令嬢マリアベルーナ・アマリリス、貴様との婚約は今をもって、破棄させてもらおう!」
高らかな宣言をされたのは、この国の第1王子レオンハルト・ブランシェ様。
「何故でございましょうか?わたくしのどこが至らなかったのか、お聞かせいただきたいのです」
「世間では、マリアベルーナのことを完ぺきなる淑女と呼んでおるものも少なからずいる。だが、お前がリリアーヌにしてきたいじめは何だ?完ぺきな淑女が聞いて呆れる。お前のそういう外面の良いところが気に入らない」
「一方的にリリアーヌの言い分だけを頭からお信じになられたということなのですね?わたくしは、断じて異母妹のリリアーヌを苛めたりはしていません」
「なんだ。その言い方は。無礼であるぞ。俺はリリアーヌと結婚するつもりでいる。リリアーヌの方がお前より、よっぽど可愛くて、魅力的だからな。それに同じアマリリス家の娘であるならば、母上も文句は言われまい」
「どうぞ、お幸せに」
「ああ。そうだ。もう少し可愛げがある女だったら、俺の側妃としておいてやったものだが、それも止めた。お前は胸だけは立派だからな」
下卑た笑い方に我慢ができなくなり、その場を辞した。あの10数年に及ぶ妃教育に何の意味があったというのだろうか?
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
レオンハルトとは5歳の頃より、互いの母親同士が友人であったことも手伝って、婚約者にさせられてしまった間柄。
元よりマリアベルーナには、好き嫌いを言える立場でないことは、よくわかっていた。将来の王族になることには、抵抗もない代わりに執着もない。
お妃教育は、すぐ始まったが、それよりも厳しい母の躾があったことは言うまでもない。お妃教育の方が、何倍も楽なほど、母の躾は厳しく。それは父が母と娘を置き去りにしたまま、他の女のところに入り浸っていた当てつけのように感じた。
いくら政略で結婚したからと言っても、それはあまりにもむご過ぎる。そんなに好きな女がいるのなら、そもそも結婚しなければいいと思うのだが、母と結婚しなければ、アマリリス家の家督を継げないという理由で、形だけの婚姻をした。
それならなぜ白い結婚にせず、マリアベルーナを作ってしまったのか!?という疑問も残る。父の身勝手な振る舞いのせいで、母とマリアベルーナ、相手の愛人、それにリリアーヌと何人の女性を不幸にすれば、気が済むのだろうか?
もう何もかもリリアーヌに奪われてしまった今となっては、せんないことと諦めながら帰路に着く。
そして、早々に荷造りをして、夜中、家の者が寝静まった頃を見計らい、置手紙を残して家を出た。
マリアベルーナの向かった先は、修道院。母が死んだとき、なんとなくこういう日が来ると漠然と考えていた。そのため、日ごろから少しずつではあるが貯金をしていき、宝石の小粒もいくつか貯めておいた。
公爵令嬢であるマリアベルーナは、一人では生きていけないことを早々に悟り、それで修道院に助けを求め、この身を神に捧げるつもりでいたのだ。
修道院までの道のりは、少しでも、路銀を安く抑えたいと思って、愛馬に乗って移動することにした。
修道院は、基本誰でも受け入れてくれるが、中には寄付金の額により修道院の中での処遇が変わるところもある。
以前、レオンハルトの公務に同行した際の修道院は、そういうところだったようで、だから、それ以外の修道院をその頃から探していたのだ。
母からは、「毅然とした態度でいれば、どこからどう見ても公爵令嬢なのだから、他人からバカにされないためにも、完ぺきでいなさい」と常々言われていたことが、仇となったような婚約破棄だった。
高らかな宣言をされたのは、この国の第1王子レオンハルト・ブランシェ様。
「何故でございましょうか?わたくしのどこが至らなかったのか、お聞かせいただきたいのです」
「世間では、マリアベルーナのことを完ぺきなる淑女と呼んでおるものも少なからずいる。だが、お前がリリアーヌにしてきたいじめは何だ?完ぺきな淑女が聞いて呆れる。お前のそういう外面の良いところが気に入らない」
「一方的にリリアーヌの言い分だけを頭からお信じになられたということなのですね?わたくしは、断じて異母妹のリリアーヌを苛めたりはしていません」
「なんだ。その言い方は。無礼であるぞ。俺はリリアーヌと結婚するつもりでいる。リリアーヌの方がお前より、よっぽど可愛くて、魅力的だからな。それに同じアマリリス家の娘であるならば、母上も文句は言われまい」
「どうぞ、お幸せに」
「ああ。そうだ。もう少し可愛げがある女だったら、俺の側妃としておいてやったものだが、それも止めた。お前は胸だけは立派だからな」
下卑た笑い方に我慢ができなくなり、その場を辞した。あの10数年に及ぶ妃教育に何の意味があったというのだろうか?
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レオンハルトとは5歳の頃より、互いの母親同士が友人であったことも手伝って、婚約者にさせられてしまった間柄。
元よりマリアベルーナには、好き嫌いを言える立場でないことは、よくわかっていた。将来の王族になることには、抵抗もない代わりに執着もない。
お妃教育は、すぐ始まったが、それよりも厳しい母の躾があったことは言うまでもない。お妃教育の方が、何倍も楽なほど、母の躾は厳しく。それは父が母と娘を置き去りにしたまま、他の女のところに入り浸っていた当てつけのように感じた。
いくら政略で結婚したからと言っても、それはあまりにもむご過ぎる。そんなに好きな女がいるのなら、そもそも結婚しなければいいと思うのだが、母と結婚しなければ、アマリリス家の家督を継げないという理由で、形だけの婚姻をした。
それならなぜ白い結婚にせず、マリアベルーナを作ってしまったのか!?という疑問も残る。父の身勝手な振る舞いのせいで、母とマリアベルーナ、相手の愛人、それにリリアーヌと何人の女性を不幸にすれば、気が済むのだろうか?
もう何もかもリリアーヌに奪われてしまった今となっては、せんないことと諦めながら帰路に着く。
そして、早々に荷造りをして、夜中、家の者が寝静まった頃を見計らい、置手紙を残して家を出た。
マリアベルーナの向かった先は、修道院。母が死んだとき、なんとなくこういう日が来ると漠然と考えていた。そのため、日ごろから少しずつではあるが貯金をしていき、宝石の小粒もいくつか貯めておいた。
公爵令嬢であるマリアベルーナは、一人では生きていけないことを早々に悟り、それで修道院に助けを求め、この身を神に捧げるつもりでいたのだ。
修道院までの道のりは、少しでも、路銀を安く抑えたいと思って、愛馬に乗って移動することにした。
修道院は、基本誰でも受け入れてくれるが、中には寄付金の額により修道院の中での処遇が変わるところもある。
以前、レオンハルトの公務に同行した際の修道院は、そういうところだったようで、だから、それ以外の修道院をその頃から探していたのだ。
母からは、「毅然とした態度でいれば、どこからどう見ても公爵令嬢なのだから、他人からバカにされないためにも、完ぺきでいなさい」と常々言われていたことが、仇となったような婚約破棄だった。
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