聖女のひ孫~婚約破棄されたのなら自由に生きます

青の雀

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 瞬く間にアリエールの結婚式が近づいてきた。当初の予定では、もっと早かったのであるが、どうせなら、とセレナーデ王女との結婚式も合同でやることになり、遅れてしまったのだ。

 同じ日に道穴を通り、ルクセンブルク国とハーバムルト国の両方で、結婚式を行う。両国の強い結びつきを世界に発信するとともに、両国民に知らしめるため。

 両国の空には、大きなスクリーン状のもので、それぞれの結婚式の様子を映し出す。

 国民からの拍手喝さいが聞こえるようである。

 滞りなく両方の結婚式は無事終わる。列席者には、引き出物がふるまわれ、それぞれ帰るのに便利なように港まで、あるいは国境付近まで道穴を通し、送ることにした。

 その道穴は一度限りの道穴で、再びはない。

 道穴造りは、アリエールの作業が中心で、今夜初夜だというのに、ギリギリまで道穴造りに奔走している。

 各国の賓客のための道穴づくりは、まだ半分しかできていないというのに、もうそろそろ初夜の部屋に入る時間が来てしまう。

 廊下側の部屋と奥の部屋、真ん中にも部屋があり、それぞれキングサイズのベッドが置かれている。

 これは、初夜のためにだけ、第1位王位継承権者が結婚した際に使われる部屋であり、普段の夫婦の営みは別の部屋ということになる。

 ルクセンブルクのあの王宮にも、こんな部屋が用意されていたのかどうかはわからない。

 第1王子妃の処女性、純潔が重んじられていた国であったからこそすれ、ひいお婆様が呪いのような誓約魔法をかけられたのだろう。

 お妃教育では閨の決まり事として、すべて殿下のなさりたいように身を任せなさいとある。

 決して、抵抗したり、嫌がったり、泣いたり、声を上げてはいけません。といわれたけれど、コレって、ほとんどマグロじゃないの?と思う。

 また男性を悦ばせるために、というか妃となる者のカラダがお気に召さない場合、離縁封じのため、性技を覚えさせられる。これさえマスターしておけば、側妃を娶った後でも離縁されずに済むらしい。

 実物は使えないから、張り子で練習させられるのだが、張り子には、あらかじめ蜂蜜が塗ってあり、それをすべて舐めとらなければならない。

 張り子を手でほぐすというやり方も教わったが、男性は口でした方が喜ぶので、どうしても口に入りきらないサイズの場合は、舌で舐め上げ、手でマッサージするというやり方を練習させられたのだ。

 そのお妃教育の成果をやっと発揮することができる。今までグレゴリー相手にいくら手を伸ばしたところで、決して触らせてもらえなかった。

 いつも、いつも、一方的にアリエールだけが満足させてもらい申し訳ないと思っていたからだ。だから馬車デートの時、グレゴリーだけがパイ擦りしてイってしまったときでも、不満ではあったけれど、内心ホっとしたことも事実だったのだ。

 あの時は、思いっきり顔にぶっかけられビックリしたわ。

 今日は、顔にではなくちゃんと口で受け止めるつもりでいる。



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-



 「アっ……アっ……、んん……。」

 結局、いつものようにグレゴリーに転がされている。

 どうして!? こうなっちゃうの?

 ただ、いつもと違うところがあるとすれば、今夜純潔を奪われるということだけ。

 厳密にいえば、聖女として再生した純潔か?死んで生まれ変わるときにステファニー女神さまの手により、修復後のカラダなので、アソコも新品になった?ものをグレゴリーに捧げる。

 そのお印を国民に発表しなければならないことが、超恥ずかしい。

 少なくともアリエールの生まれ故郷では、そんな習わしを聴いたことがない。ジークフリートも、知らなかったことなのだろうから、きっとハーバムルト独特の習わしなのだろう。

 それぐらいハーバムルトは聖女様を待ち望んでいたということ。

 アリエールのひいお婆様フルーチェ聖女様をハーバムルトの王家に迎え入れることができなかったことへの焦心が、純潔志向へと導いたのであろう。
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