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それから10年の月日が流れ、ベルーナは美しく成長し、家族と共に冒険者となっていた。
冒険者仲間の間では、ベルーナのことを「美の魔剣士」と呼び、憧れの的になっている。
ベルーナに一目ぼれをする冒険者が後を絶たないが、すべてマディソンが蹴散らかし、一向に恋愛できないベルーナは、秘かにエミリアに不満を漏らす。
「仕方ないわよ。まさか、マディソン自身もベルーナがここまで綺麗になるとは思っていなくて、綺麗になり過ぎて、ビックリしているのに、心配で仕方がないのよ。もう一生お嫁に行けないかもね」
「えっえー!ヤダ」
マディソンとエミリア夫婦には、6人の子供がいる。そのうち5人が実子で、ベルーナを含めて4人が冒険者となっているのだが、ベルーナとは、いわば他人の関係なので、顔立ちが全然違って、似ていない。
口さがない冒険者の間では、エミリアが浮気して、デキた子供がベルーナだと、まことしやかに信じられている。
「ベルーナは絶対、マディソンのタネではないぞ!」
「そうだな、でもエミリアが産んだとも、思えない程の美しさだぞ?」
「いやいや、エミリアの若い頃は、それなりにイイ女だったから、ベルーナはエミリアの娘であることは間違いない!」
「今は、潰れちまっているがな」
「ちげえねえ」
酒場では、ベルーナが美人だというだけで酒が飲める。肴などなくても、ベルーナの綺麗な顔を思い浮かべるだけで、満たされるのだ。
おかげで酒場では、酒しか売れず、料理を作っても、いつも余ってしまい困っている。
そんなある日のこと、冒険者ギルドにカサブランカ国から魔物討伐依頼が来た。
このギルドの登録者でSS級ランクはマディソンしかいないため、必然的にマディソンが依頼を受けることになり、マディソン一家は、カサブランカ国に出発する。
ちなみにS級冒険者は、エミリアとベルーナである。
ベルーナは13歳で冒険者登録をしてから、めきめきと腕を上げ、あっという間にエミリアと肩を並べることになったのだ。
この世界では、13歳で成人するので、エミリアの子供たちのうち15歳、14歳、13歳が冒険者登録をしている。
ベルーナの推定年齢は、16~17歳だが、拾われたとき0歳児だったとは思えないので、便宜上17歳ということになっている。
カサブランカへ出発する前日、冒険者有志が壮行会を開いてくれ、餞別をもらった。
何のことはないベルーナを酌婦とするため、開かれたものだった。
普段、言葉を交わせない若い冒険者が多数参加して、ベルーナを激励する。というのは建前で、他の男のものにならないでくれ。とお願いし、自分をアピールするためでもあった。
「ベルーナ、必ず生きて帰ってきてくれ。ご褒美に俺のカラダを空けておくからさ」
セクハラまがいの発言に、ベルーナは苦笑いしている。すると、ベルーナの一番の用心棒のマディソンが黙っていない!
「アハハ。お前なんぞにくれてやるのは、もったいない!ウチのベルーナはお姫様だからな。相応しい男が現れるまで、嫁にはやらん」
いつものマディソン節が復活して、大いに盛り上がり、飲んで食べた。
その横で、ベルーナとエミリアは秘かにため息をついている。
冒険者仲間の間では、ベルーナのことを「美の魔剣士」と呼び、憧れの的になっている。
ベルーナに一目ぼれをする冒険者が後を絶たないが、すべてマディソンが蹴散らかし、一向に恋愛できないベルーナは、秘かにエミリアに不満を漏らす。
「仕方ないわよ。まさか、マディソン自身もベルーナがここまで綺麗になるとは思っていなくて、綺麗になり過ぎて、ビックリしているのに、心配で仕方がないのよ。もう一生お嫁に行けないかもね」
「えっえー!ヤダ」
マディソンとエミリア夫婦には、6人の子供がいる。そのうち5人が実子で、ベルーナを含めて4人が冒険者となっているのだが、ベルーナとは、いわば他人の関係なので、顔立ちが全然違って、似ていない。
口さがない冒険者の間では、エミリアが浮気して、デキた子供がベルーナだと、まことしやかに信じられている。
「ベルーナは絶対、マディソンのタネではないぞ!」
「そうだな、でもエミリアが産んだとも、思えない程の美しさだぞ?」
「いやいや、エミリアの若い頃は、それなりにイイ女だったから、ベルーナはエミリアの娘であることは間違いない!」
「今は、潰れちまっているがな」
「ちげえねえ」
酒場では、ベルーナが美人だというだけで酒が飲める。肴などなくても、ベルーナの綺麗な顔を思い浮かべるだけで、満たされるのだ。
おかげで酒場では、酒しか売れず、料理を作っても、いつも余ってしまい困っている。
そんなある日のこと、冒険者ギルドにカサブランカ国から魔物討伐依頼が来た。
このギルドの登録者でSS級ランクはマディソンしかいないため、必然的にマディソンが依頼を受けることになり、マディソン一家は、カサブランカ国に出発する。
ちなみにS級冒険者は、エミリアとベルーナである。
ベルーナは13歳で冒険者登録をしてから、めきめきと腕を上げ、あっという間にエミリアと肩を並べることになったのだ。
この世界では、13歳で成人するので、エミリアの子供たちのうち15歳、14歳、13歳が冒険者登録をしている。
ベルーナの推定年齢は、16~17歳だが、拾われたとき0歳児だったとは思えないので、便宜上17歳ということになっている。
カサブランカへ出発する前日、冒険者有志が壮行会を開いてくれ、餞別をもらった。
何のことはないベルーナを酌婦とするため、開かれたものだった。
普段、言葉を交わせない若い冒険者が多数参加して、ベルーナを激励する。というのは建前で、他の男のものにならないでくれ。とお願いし、自分をアピールするためでもあった。
「ベルーナ、必ず生きて帰ってきてくれ。ご褒美に俺のカラダを空けておくからさ」
セクハラまがいの発言に、ベルーナは苦笑いしている。すると、ベルーナの一番の用心棒のマディソンが黙っていない!
「アハハ。お前なんぞにくれてやるのは、もったいない!ウチのベルーナはお姫様だからな。相応しい男が現れるまで、嫁にはやらん」
いつものマディソン節が復活して、大いに盛り上がり、飲んで食べた。
その横で、ベルーナとエミリアは秘かにため息をついている。
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