あの日々に戻りたくない!自称聖女の義妹に夫と娘を奪われた妃は、死に戻り聖女の力で復讐を果たす

青の雀

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3.ロベルト視点

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 ロベルトは、スカーレットの誕生日以来、ストーカーのようにしつこく付きまとっているが、さっぱりスカーレットと会うことはない。なぜか、寸前でするりと身をかわされてしまう。

 誕生日パーティの夜も、襲ってやろうと待ち構えていたが、
「お嬢様は、お疲れのご様子で、医者の診察を受けるため、お戻りになられました。今夜はお会いすることは叶いません。どうか、お引き取りを」

 執事から言われ、以前なら「無礼ではないか!」と怒りたくなる場面だが、体調が悪いと言っている女を手籠めにはできない。

 もし、そんなことをしたら、王子としての沽券にかかわるし、資質にも問題があるとみなされてしまう。

 また、いくらでも機会は来る。とその時までは、思っていたから、あっさりと引き下がった。

 だが、いつまで待っても、その機会は訪れる気配はない。ここしばらく、気のせいだとは思うが、なんとなく避けられているような気がする。

 スカーレットがお妃教育を受けて帰路に着く時間帯を狙い、いつもよく通る道順で待ち伏せしても、なぜかその日に限って、違う道を通り出ていく。

 業を煮やして、帰る時に、ロベルトの部屋を寄るようにと文官や教育係に頼んでも、その日は、野外での教育で王城に来ない日であった、など、あくまでもロベルトの気のせいだということにしたいが、こうも続くと、避けられている?と思わなくもない。

 学園を卒業すれば、スカーレットは外務大臣と共に、世界各国に外遊に出かける。それまでになんとしても、ロベルトの女にしなくては……、他の男にちょっかいを出されてしまったら、悔しい。

 もっとも、スカーレットの処女を奪った男がいるならば、その男を見つけ出し、首をはねてしまい、その後、スカーレットが身も心もロベルトに捧げるように仕向ければいいと思っている。

 女なんざ、処女を奪ってしまえば、後はこっちのもので、言いなりの性奴隷になるのだから、と本気で思っているどうしようもないクズ男としかいいようがない。

 ロベルトには、もう一つ気になることがあった。それは、スカーレットのことだが、やけに綺麗になったような気がする。なんというか、毎日、イキイキとして輝いて見える、どんな心境の変化が訪れたら、あんな風に輝けるようになるのか不思議で仕方がない。

 誕生日前までは、ロベルトの眼から見て、辛気臭い、陰気臭い、鈍くさい、面倒くさい女だった。いつも、「ロベルトさまぁ」と叫びながら走ってきては、一緒に帰りたい。同じ馬車に乗りたい。同じ空気を吸いたい。とまとわりついてくるだけの女。少しでもそっぽを向くと、すぐ泣きだしてしまう面倒臭い女でもあった。

 ところが、今はどうだ。他の男子生徒からも一目置かれる存在になっているではないか!

 なぜ、スカーレットはここまで変わってしまったのか?美人で姿勢が良く、必要以上に存在感があり威風堂々としている。公女というより、王女の風格がある。

 最初は二人の令嬢を連れて歩いていたようだが、女子生徒からは模範的な令嬢として、憧れ慕うものがいて、次々とその取り巻きの中に入っていきたがる。スカーレットにはカリスマ性があるようだ。今や、クラスの半分の人数を従えて歩くまでになっている。

 そうなれば、当然男子生徒の眼を惹き、ロベルトの婚約者であることから、声をかけるものはいないが、男子生徒のほとんどは、スカーレットの行く先々を目で追いかけている。

 それが、ロベルトには面白くない。というか、それより、スカーレットは自分の婚約者だと威張りたいぐらい。できればスカーレットを以前のように従わせて、歩き回りたいほどだった。

「あの美人は、婚約者で将来の妻だから、みんな遠慮をするように」

 側近には、言えるが、学校全部の男子生徒には言えない。本当は、言いふらしたい気分なのだが、そんなことを言えば、白い目で見られるのがオチ。だから辛抱している。

 どうにかして、スカーレットと二人きりになるチャンスを狙ってはいるが、これがなかなか実現しない。学園でスカーレットが一人きりになることは、皆無と言っていい。

 スカーレットの護衛と、令嬢たちの護衛で1個師団ぐらいの人数が動く。だから簡単に近づくことも、ままならない。

 学園では無理となっても、公爵邸なら、どうだ。ロベルトは毎日、従者に命じて、白薔薇の花束を届けさせている。なぜ、白バラの花束かというと、なぜかスカーレットの学園での二つ名が白薔薇令嬢と言われているからだ。

 白薔薇のように華やかで、それでいて赤薔薇のように出しゃばらないところが、白薔薇たる由縁らしい。

 なるほど、言い得て妙だ。ロベルトは、いつか白薔薇を自分色に染めることを夢見ている。

 だが、そんな日が訪れることは、もう二度とこないということにまだ気づいていない。

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