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現世:カフェレストラン
12.ユリアの実家
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ユリアの実家は、大きな商会を営んでいて、ユリア自身は、行儀見習いのためエストロゲン家に仕事を見つけて、ステファニーの侍女になったのだ。
久しぶりにユリアの実家でいい朝を迎えたステファニーは、早朝に愛馬サファイアが言っていたことを思い出し、これからはミドルネームのアイリーンを名乗ることにする。
その方が前世での夫、真一さんに会える確率が上がるような気がしたから、それにサファイアもあんな恰好ができるのだもの、きっと神様に違いがない。
それにしても不可解なのは、女神様呼びよね。
アイリーンことステファニーは、いくら考えても腑に落ちない。何かの間違いとしか思えないけど、半馬神のサファイアが言うのだから……そうかもしれない。でも女神さまといえども、たくさんいらっしゃり、それぞれ専門分野をお持ちのはずだから、アイリーンは自分が何の神様なのかもわからずにいる。
わからないことは考えない。そうは言っても、やはり気になるところ。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
アイリーンが滞在している子爵家の商会では、アイリーンが滞在したその日から空前絶後の売り上げを記録し続けている。
原因はわからないが、どう考えても、ユリアの仕えているアイリーン様のおかげとしか思い当たる節はない。
ひょっとすれば、ユリアはとんでもない運の強いご令嬢に仕えていたのではないかと思ってしまうぐらい商会の売り上げが伸びている。しかもお客様満足度は高く、リピーターになってくださっているので、その訳をお聞きしたところ、商会としてはいつまでもアイリーン様に逗留していただきたいと思っている。
「こちらの商品を買って帰ってから、いいことばかりが続くのよ。息子の縁談は決まるわ。主人の水虫は治るわ。それに、最近、お肌の調子が良くって、髪の毛もこの通りサラサラツヤツヤになってね。本当、アナタのところの商会のおかげだと思っているのよ」
エストロゲン家と言えば、特殊能力・すなわち異能で有名な家柄だから、そのご長女であらせられるアイリーン様もきっと、商売繁盛の異能の持ち主だとしてもおかしくはない。
それにご自身でも、店を開きたいと仰せで、できれば力になりたいと本気で思っているところなのだ。
ユリアのお父様が「いつまでもご逗留してください」とは、言ってくださるものの、それを鵜呑みにしていると前世で思わぬトラブルに巻き込まれてしまうこともあるから、なるべく早くダイニングレストランが開けるような店舗を、商業ギルドを通して、探してもらっている。
なんせ、3歳の頃より貯めてきた軍資金がたっぷりとある。
それにユリアを通して、商会でも探してもらっているし、そのうち見つかるだろうと思っているので、鷹揚に構えている。
そうしてようやく見つかったところが、目抜き通りと呼ばれる一等地にある2階建ての店舗で、かなり広い。
ここなら、1階をカフェ、2階をレストランにすることもできるし、ユリアのご実家に寝泊まりせず、店舗の上にロフトがあるので、そこで寝泊まりすることも可能だ。
子爵家の皆さまと別れを惜しみつつも、これでやっと自分の店を持てたことに感慨深く、こっそりとうれし涙を拭うアイリーン。
実家の公爵家では得られなかった喜びが、この家で初めて実現できて、本当に良かった。
これもすべて、ユリアのおかげだと思う。ユリアが自分の侍女で無かったら、家族の温かみを知らずにいたかもしれないと思う。
これからは、食事やお茶をしに来てくださったお客様のためにも、いい店、いい味、真心を込めたサービスを提供していこうと心に誓う。
そして、一日でも早く前世の真一さんを探さなければならないとも。もう栗栖にも、エストロゲン家にも誰にも邪魔をされたくない。自分の幸せは自分で掴むつもりでいる。
久しぶりにユリアの実家でいい朝を迎えたステファニーは、早朝に愛馬サファイアが言っていたことを思い出し、これからはミドルネームのアイリーンを名乗ることにする。
その方が前世での夫、真一さんに会える確率が上がるような気がしたから、それにサファイアもあんな恰好ができるのだもの、きっと神様に違いがない。
それにしても不可解なのは、女神様呼びよね。
アイリーンことステファニーは、いくら考えても腑に落ちない。何かの間違いとしか思えないけど、半馬神のサファイアが言うのだから……そうかもしれない。でも女神さまといえども、たくさんいらっしゃり、それぞれ専門分野をお持ちのはずだから、アイリーンは自分が何の神様なのかもわからずにいる。
わからないことは考えない。そうは言っても、やはり気になるところ。
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アイリーンが滞在している子爵家の商会では、アイリーンが滞在したその日から空前絶後の売り上げを記録し続けている。
原因はわからないが、どう考えても、ユリアの仕えているアイリーン様のおかげとしか思い当たる節はない。
ひょっとすれば、ユリアはとんでもない運の強いご令嬢に仕えていたのではないかと思ってしまうぐらい商会の売り上げが伸びている。しかもお客様満足度は高く、リピーターになってくださっているので、その訳をお聞きしたところ、商会としてはいつまでもアイリーン様に逗留していただきたいと思っている。
「こちらの商品を買って帰ってから、いいことばかりが続くのよ。息子の縁談は決まるわ。主人の水虫は治るわ。それに、最近、お肌の調子が良くって、髪の毛もこの通りサラサラツヤツヤになってね。本当、アナタのところの商会のおかげだと思っているのよ」
エストロゲン家と言えば、特殊能力・すなわち異能で有名な家柄だから、そのご長女であらせられるアイリーン様もきっと、商売繁盛の異能の持ち主だとしてもおかしくはない。
それにご自身でも、店を開きたいと仰せで、できれば力になりたいと本気で思っているところなのだ。
ユリアのお父様が「いつまでもご逗留してください」とは、言ってくださるものの、それを鵜呑みにしていると前世で思わぬトラブルに巻き込まれてしまうこともあるから、なるべく早くダイニングレストランが開けるような店舗を、商業ギルドを通して、探してもらっている。
なんせ、3歳の頃より貯めてきた軍資金がたっぷりとある。
それにユリアを通して、商会でも探してもらっているし、そのうち見つかるだろうと思っているので、鷹揚に構えている。
そうしてようやく見つかったところが、目抜き通りと呼ばれる一等地にある2階建ての店舗で、かなり広い。
ここなら、1階をカフェ、2階をレストランにすることもできるし、ユリアのご実家に寝泊まりせず、店舗の上にロフトがあるので、そこで寝泊まりすることも可能だ。
子爵家の皆さまと別れを惜しみつつも、これでやっと自分の店を持てたことに感慨深く、こっそりとうれし涙を拭うアイリーン。
実家の公爵家では得られなかった喜びが、この家で初めて実現できて、本当に良かった。
これもすべて、ユリアのおかげだと思う。ユリアが自分の侍女で無かったら、家族の温かみを知らずにいたかもしれないと思う。
これからは、食事やお茶をしに来てくださったお客様のためにも、いい店、いい味、真心を込めたサービスを提供していこうと心に誓う。
そして、一日でも早く前世の真一さんを探さなければならないとも。もう栗栖にも、エストロゲン家にも誰にも邪魔をされたくない。自分の幸せは自分で掴むつもりでいる。
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