転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀

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来世:サザビー王女として

66.マクシミリアン視点

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 俺の名前はマクシミリアン・アンドロイド。

 筆頭公爵家の嫡男だったが、女神アフロディーテの天罰により、白いゴキブリ姿に変えられてしまった。

 このことがきっかけとなり、俺は前世の記憶がよみがえったのだ。

 俺の前世は、エストロゲン公爵家の次男、病気になる前は「賢者」と呼ばれていたことを。

 俺には、異能なしの姉と剣聖の兄、そして聖女様の妹スザンヌがいた。どうやって、死んだかは、まったく覚えていないが、奇妙な病気にかかってしまい、そのことが原因で死去したのだろうと推察する。

 とにかく、あの日、リリアーヌがスザンヌの妹だと名乗りさえしなければ、俺は絶世の女神アフロディーテと結婚し、幸せな家庭を築けたというものを、あの悪女め、いや正確には魔女だった女のために、家門に傷をつけ、婚約破棄しゴキブリに身を貶めてしまったのだ。

 よく考えてみれば、スザンヌに双子の妹などいなかったというのに、もうその時には、あのリリアーヌの罠に引っかかっていたと思うと悔しい。



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 あの日は卒業式の後のパーティだったので、俺は白いタキシードを着用していたからだ。他の奴らもだいたい、白か水色、ピンク色といった薄色を着用していたから、同級生の奴らは、すぐ見つかった。

 俺たちは、一か所に集まるものの、これからの対策を講じようにも講じられない。なんせ白いゴキブリは目立ってしようがない。

 だが、幸いなことに大理石の床の上では、それほど目立つ存在でもないということがわかってくる。

 それでも令嬢から忌み嫌われる存在になったことは間違いなく、カサカサと歩き回るだけで、悲鳴が起こってしまうほどだ。

 あの後、アイリーン王女殿下は、女神の姿のまま、ハリー・フォードと結婚される。国王ご夫妻が祈って、泣いて懇願されたことで、哀れに思ったアイリーン女神さまが戻ってこられたのだ。

 だが、アフロディーテは戻ってこない。もう俺は永遠に許しを請うこともできなくなってしまったのだ。

 結婚式は、神界で行われ、教皇様と司祭様も参列されることになったが、当然、俺の家は呼んでもらえなかった。そもそも神に呪われてしまった俺に行くチャンスはなかったのだが。

 ゴキブリになった俺にはすぐ恋人ができたが、相手もゴキブリ。あれから同級生の奴らと行動を共にしていたが、人間からはスリッパで叩かれ、逃げ惑っているうちに、だんだん人数が減ってきて、ついに仲間とはぐれてしまった。

 そこに、何十匹ともいえるメスのゴキブリにレイプされてしまったのだから、完全に逃げ場を失ってしまう。

 ゴキブリが繁殖力が旺盛だと、俺は納得する。果てても、果てても、許してもらえない。でも、その中の1匹とは、相性が良かった。それでそのゴキ子と恋人になったというわけ。

 それから約1年後、女神様は王子と王女の双子を出産してから、神の国へ帰られたのであるが、その時、王配であるハリーに王位を譲位されたのだ。その結果、我がアンドロイド家は筆頭公爵の座から引きずり降ろされ、フォードが筆頭公爵家になりやがった。まったく、ハリーの奴め、たいして才もないのに、うまいことやったものだと感心する。



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「ねえ、今度は平民の美形にしない?」

「えっ!?アフロディーテ、もうにんげんか委は懲りたのではなかったの?」

「この前の設定には、だいたい無理があったわよ。デブスなんて、楽しいわけないじゃん」

「それ、言い出したのは、アフロディーテよ」

「それにしても、聖女様になりたがる娘がいたことにビックリしたわよ」

「本当にね。それも、どこからどう見ても無理って娘が多かったわね」

「前に話していたビュッフェ形式のレストランって、いいんじゃない?わたくし、アイリーンの作る料理、大好きよ」

「ありがとう。でも、平民で食堂をするには原資となる現金不足になるわね。それに平民からは、そんなにお金獲れないでしょ?」

「ああ、商売だからね、タダというわけにはいかないものね。前々世で、こども食堂をしたことあったでしょ?あれも賛否両論だったものね」

「前々世のユリアみたいな、そこそこ裕福な商会の娘は、平民ではないしね。王家が爵位を与えたがって、その国に留めおくようにしたいからね」

「うーん。そうしてみると、意外と難しいわね。いっそのこと、前々々世で行った黒髪の国はどうよ?」

「あそこは平民ばかりの国だけど、ビュッフェ形式のレストランをやろうと思うと、大資本でなければ、元は取れないわ。ホテル内のレストランならできるだろうけど、社長令嬢になるしかないから無理っぽい」

「やっぱり子爵令嬢辺りを狙えば?そう簡単に憑依できるカラダがあるかが問題だけどね」

「そうね。男爵令嬢よりは家格が上だけど……、憑依できる娘がいるかどうかよね」
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