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7.西の庭にて
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クリストファーは内心、怒っている。自分の側近だと思っていた大親友のマクシミリアンがミッシェルにちょっかいを出しているかもしれないと疑っているからだ。
あの時、確かにマクシミリアンのカラダから一瞬だったが、ミッシェルの匂いがしたからだ、俺の女にちょっかいを出しやがって。ふつふつとした怒りがこみあげてくる。
だが、証拠はない。ミッシェルが卒業したら、いくいくは、クリストファーの側妃にするつもりでいる。修道院などには、やらない。
もう今は、ミッシェルなしで生きていく自信がない。アイリスは正妃としておいてやり、表の仕事はアイリスにやってもらい、夜の仕事はミッシェルに担当させるつもりでいる。
もし、アイリスを抱いて、まあまあの味だったとしても、夜伽をさせるのは、ミッシェルしかいない。考えられないのだ。
アイリスにミッシェルと同じことを求めても無駄だし、無理だとわかっている。
今のうちから、マクシミリアンにミッシェルが俺の女だということを知らしめたほうがいいかもしれない。そうすれば、アイツのことだから、さっさと身を引くだろう。
でも、キズモノ令嬢の心の隙に入り込むやり方は好きではない。だから、どうすればいいかを相談したい。でも、誰にもこのことは相談できない負い目がある。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
お昼休み、食堂へ行かず、西の庭でお弁当を広げるミッシェル。お天気がいいと、時々、ここでお弁当を食べることが多くなった。
食堂に行ってもいいけど、思ったよりキズモノ令嬢として、見られる視線が痛い。いくら、ブラウン侯爵様が婚約を白紙撤回にしてくださったとはいえ、周知されていないのだから、キズモノとみなされても致し方がないこと。
それでも、最近は王太子殿下とマクシミリアン様の慰み者になっているから、まだ気はまぎれる。
それに、学園内でいくら睦ごとをしても、孕まないと聞いてからは、けっこう自由奔放にヤっている。
お弁当を食べ終わったので、堤直していると、何やら言い争う声が聞こえてくる。ひとりは男性の声で、もう一人は女性の声のような気がする。
ここ西の庭は、今まで穴場的な存在で、滅多に生徒が近寄ることはなかったというのに、困ったわね。見て見ぬふりをしようかどうしようかと、悩んでいるとその声は、さらに近づいてくる。
女性の方は、男爵令嬢のリリアーヌ様で、もう一人の男性の方は、筆頭公爵家の嫡男でアラミス・ハプルブルグ様だということが分かった。
「もういい加減にしてくれ!俺たちは君と同じように生徒なんだよ。それを、勉強を教えてくれなどと、教えられる立場にはないのだよ。そんなに教えてほしければ、教員に頼みなさい。そうするのが筋というものさ。」
「そんなぁ、意地悪しないで少しだけでもいいから教えてくださいよぉ。」
甘ったれた声を聴いて、こちらまで気分が悪くなる。
お二人が西の庭に来たので、さっと立ち上がり、自分の教室に戻ることにしたら、不意に腕を掴まれてしまう。
?
なに、これ?またマクシミリアン様と同じパターン?
「ちょうどいいところに、まともな貴族令嬢がいた。君が証人になってくれないか?この女がしつこく勉強を教えてくれと言うので、断っていたところなのだが、勉強を教えるのは、教員の仕事で、生徒ではないということを承認になってもらいたい。」
思わず、ミッシェルは、コクリと頷いてしまい、リリアーヌ様からキっと睨まれる。
でも、睨まれただけ。ミッシェルはモブだから、リリアーヌ様からすれば、関係のないゴミ扱いなのだ。
リリアーヌは、怒ったまま、その場から立ち去っていく。
ホッとしたのも、つかの間、アラミス様は、なかなかミッシェルの腕を解放してくれない。
「あの……。」
「ああ、すまない。君からあまりにも、いい匂いがするので、放したくないと思ってね。もう、お昼は済んだの?残念だな。ちょっと折り入って話したいことがあるのだけど、聞いてくれないか?」
「わたくしでよければ……。」
あの時、確かにマクシミリアンのカラダから一瞬だったが、ミッシェルの匂いがしたからだ、俺の女にちょっかいを出しやがって。ふつふつとした怒りがこみあげてくる。
だが、証拠はない。ミッシェルが卒業したら、いくいくは、クリストファーの側妃にするつもりでいる。修道院などには、やらない。
もう今は、ミッシェルなしで生きていく自信がない。アイリスは正妃としておいてやり、表の仕事はアイリスにやってもらい、夜の仕事はミッシェルに担当させるつもりでいる。
もし、アイリスを抱いて、まあまあの味だったとしても、夜伽をさせるのは、ミッシェルしかいない。考えられないのだ。
アイリスにミッシェルと同じことを求めても無駄だし、無理だとわかっている。
今のうちから、マクシミリアンにミッシェルが俺の女だということを知らしめたほうがいいかもしれない。そうすれば、アイツのことだから、さっさと身を引くだろう。
でも、キズモノ令嬢の心の隙に入り込むやり方は好きではない。だから、どうすればいいかを相談したい。でも、誰にもこのことは相談できない負い目がある。
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お昼休み、食堂へ行かず、西の庭でお弁当を広げるミッシェル。お天気がいいと、時々、ここでお弁当を食べることが多くなった。
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それでも、最近は王太子殿下とマクシミリアン様の慰み者になっているから、まだ気はまぎれる。
それに、学園内でいくら睦ごとをしても、孕まないと聞いてからは、けっこう自由奔放にヤっている。
お弁当を食べ終わったので、堤直していると、何やら言い争う声が聞こえてくる。ひとりは男性の声で、もう一人は女性の声のような気がする。
ここ西の庭は、今まで穴場的な存在で、滅多に生徒が近寄ることはなかったというのに、困ったわね。見て見ぬふりをしようかどうしようかと、悩んでいるとその声は、さらに近づいてくる。
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「もういい加減にしてくれ!俺たちは君と同じように生徒なんだよ。それを、勉強を教えてくれなどと、教えられる立場にはないのだよ。そんなに教えてほしければ、教員に頼みなさい。そうするのが筋というものさ。」
「そんなぁ、意地悪しないで少しだけでもいいから教えてくださいよぉ。」
甘ったれた声を聴いて、こちらまで気分が悪くなる。
お二人が西の庭に来たので、さっと立ち上がり、自分の教室に戻ることにしたら、不意に腕を掴まれてしまう。
?
なに、これ?またマクシミリアン様と同じパターン?
「ちょうどいいところに、まともな貴族令嬢がいた。君が証人になってくれないか?この女がしつこく勉強を教えてくれと言うので、断っていたところなのだが、勉強を教えるのは、教員の仕事で、生徒ではないということを承認になってもらいたい。」
思わず、ミッシェルは、コクリと頷いてしまい、リリアーヌ様からキっと睨まれる。
でも、睨まれただけ。ミッシェルはモブだから、リリアーヌ様からすれば、関係のないゴミ扱いなのだ。
リリアーヌは、怒ったまま、その場から立ち去っていく。
ホッとしたのも、つかの間、アラミス様は、なかなかミッシェルの腕を解放してくれない。
「あの……。」
「ああ、すまない。君からあまりにも、いい匂いがするので、放したくないと思ってね。もう、お昼は済んだの?残念だな。ちょっと折り入って話したいことがあるのだけど、聞いてくれないか?」
「わたくしでよければ……。」
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