王様の恥かきっ娘

青の雀

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 今日は、王立学園の卒業式、式の後に記念祝賀パーティが開かれる予定。

 今日のこの日まで、よくぞお父様は、生きてくださっていたことに感謝しています。本来なら、お兄様に家督を譲り隠居されていても、おかしくないお年頃だというのに。

 わたくしがお嫁に行くその日まで、現役は譲れない!とおっしゃってくださり、ありがとうございます。

 今日、何事もなければ、明日、お嫁に行きます。今まで育ててくださったご恩は忘れません。お父様とお母様も末永くお幸せであられんことを祈念致します。





 卒業記念パーティでの出来事。今日は、朝から頑張って準備していたのに、婚約者のアラミス様は、何処へ?

 お城にも迎えに来てくださらず、エスコートなしで一人ぼっちで会場に入るのは、気が引け、恥ずかしかったというのに。

 ドレス選びは、お母様が喜んでくださったから、いいとしても……。ああ、そうか今日は、甥っ子の卒業式でもあるから、そちらがお忙しいのね。きっと、そう。きっと。

 歓談タイムが終了しかけるころになっても、まだアラミス様はわたくしのところへお見えにならない。

 いくら甥っ子の卒業式と同じ日だからと言って、あまりにもひどいのではないかしら?明日から、夫婦になるというのに。

 その時、遅れて国王陛下が入城される。学園長に遅れて済まないと挨拶した後、ジョセフィーヌが一人で佇んでいるのを見て、怪訝な顔をする。

 ああ。お父様にまで心配かけてしまって、もう、早く来てよ!

 しばらく経つと、ようやく来てくれて、ホっと胸を撫でおろすが、どこか怒ったような顔をされている。

「ジョセフィーヌ。本日をもって、貴様との婚約を破棄させてもらうことにする!」

 突然の婚約破棄宣言に場内のざわつきはやまない。



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-



 時はさかのぼること、18年前。

 国王陛下38歳。王妃様の寝室前の廊下を白熊のように行ったり来たり。

「父上、少しは落ち着かれませ」

「これが落ち着いてなどいられるか!お前も直にわかる」

「リリアーヌは若いから大丈夫ですよ」

「それはどういう意味だ?母さんに言いつけるぞ」

「勘弁してくださいよ。この年で、結婚してまで、母上に叱られたくありません」

 んぎゃぁっ!んぎゃぁっ!んぎゃぁっ!んぎゃぁっ!んぎゃぁっ!

「お!ついに生まれたか!よかった。」

 隣にいた長男のエドワードは、

「俺の時は、執務室で仕事をしていたくせに」

「仕方ないだろ!なんせ、マルコーなんだからなっ!」

「あっ!父上まで、そんなことを言っては、母上がかわいそうでしょ」

 その時、部屋の扉がガチャリと開き、侍医が顔を見せる。

「元気な女の子の赤ちゃんですよ。おめでとうございます。母子ともに健康です」

「そうかぁ、女の子かぁ、将来は、妻に似て、きっと美人になるだろうな」

「俺の妹か……きっと、可愛い娘になるに決まっている」

 二人して親バカ、兄バカの連発をしている。


「おメメパッチリでかわいい赤ちゃんですよ。髪は薄い色の金髪で、おそらくプラチナゴールドかと思います」

「説明はいいから、早く会わせろ」

「湯浴みをなさって、おいでですから、もうしばらくかかるかと」

「ええいっ!早く致さぬか!」

「王女様にとっては、大切な時間でございます」

「……」

 ほどなくして、やっと寝室には入れた。

「ご苦労だった。そなたに似て、可愛らしい娘で良かった。名前はジョセフィーヌと名付ける。廊下でずっと考えていたのだ」

「まあ!ステキな名前ですこと。良かったわねジョセフィーヌちゃん」

 国王夫妻の計らいで3歳までは王城で育てるが、それ以降は、王の領地でのびのびと育てたいと思っている。
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