チートが無いのに聖女様~なぜだか囲まれてます~

深郷由希菜

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話1

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「じゃあごめん、行ってきまーす!」

「いってらっしゃい」

少しだけ複雑そうな顔のお母さんが見送ってくれたけど・・・。なんでだろ?




「行ったか」

「えぇ、あの子の能力的にはと思いますけど。大ばあ様の『預言』には叶いませんものね」

私が行ってから暫くして、出ていった扉を両親が見つめながらそんなことを話していた。

その意味を知るのは、もう少し後のこと。




「来たね。そこへお掛け」

小さく、2人分の食事を出したら埋まってしまうほどの木製の机に、同じ赤茶色の椅子が対面に2脚。

背もたれの部分がUの逆みたいな形で、その中に2本の木材がはめ込まれたような感じのそれに座る。

すると大ばあ様はお茶が入ったこれまた木製のコップを持ってきて、私に飲むように勧めてきた。

「ありがとう」

うん、大ばあ様のお茶はおいしい。ほっとする。

あ、ちなみにお茶の種類は緑茶に近い何か。

なんで「何か」って付けたかって、緑茶そのものじゃないから。

緑茶は飲んだことあるけど、それ以外に違う味もするんだよ。

ウーロン茶でも紅茶でもない、よくわからない味。でも好き。

あ、大ばあ様はそんなことを思っている間に空いているもう一脚に座っている。

「昼のご飯は話が終わってからにしよう。早速だけど、ルルーナ。あんたは聖女様じゃ」

「!?・・・げほっ、ごほっ!!」

いきなり言われた言葉に私は動揺する。

お茶も吹きそうになった。というかむせました。

けれど、大ばあ様はそんな私の様子を見もせず、瞳をつむっている。

「あんたは疑問に思わなかったかい?両親は濃い茶色の髪と瞳なのに、自分は銀の髪に緑の瞳だってこと」

うん?ちょっと待って、私の髪、瞳も、銀や緑じゃないよ?両親と同じ、濃い茶色だよ?

慌てて髪を見てみるけれど、私の肩まである髪色はちゃんと茶色・・・ダジャレじゃないよ?

なんで大ばあ様はそんなこと言うんだろう?
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