結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています

霧内杳/眼鏡のさきっぽ

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最終章 一番のサプライズ

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「純華ー。
じゃあ俺は、行ってくるな」

紘希に声をかけられ、目を開ける。

「……いってらっしゃい」

まだ寝ぼけている私に、彼は口付けを落とした。

「いってきます。
純華もそろそろ起きろよ?
イブキをよろしく」

「……うん」

出ていく彼をひらひらと手を振って見送り、ドアが閉まって大きく背伸びをした。

「さーてと。
とりあえずイブキの散歩に行きますかね!」

とにかく今日は、忙しいのだ。

イブキの散歩を終わらせ、軽くシャワーを浴びる。

「作んないでいいって言ったのに」

テーブルの上には、あとは温めるだけでいいように朝食が準備してあって、笑ってしまう。
自分の分はいらないんだし、いいって言ったのにこれだ。
相変わらず紘希は、私のお世話をしたがる。

朝食のあとはコーヒーを飲んで少しまったりし、持ち物の最終チェックをした。
それが終わると、念入りにお肌の手入れをする。
せっかくの晴れ舞台だもんね、最高の自分で紘希の隣に立ちたい。

そうこうしているうちに、紘希が手配していたタクシーが迎えに来る。

「はーい!
イブキ、行くよ」

「わん!」

いいお返事をしたイブキをキャリーに入れ、今日の会場である教会へと向かった。

係の方にイブキを預け、私も準備をする。
今日はもちろん、ドレスだ。
和装も見たいという紘希のリクエストで、そちらは写真を撮った。
というか衣装の下見に行った時点で、あれもこれも着せてみたいと本当に大変だったのだ。
しかも最終的に決められないからと、五着もスタジオで写真を撮る羽目になった。

「純華、お待たせー」

「お疲れー」

私より少しだけ遅れてきた紘希も、準備を始める。

「イブキ、おとなしくしてた?」

「可愛い可愛い言われて、すっげー得意げな顔してた」

想像して笑ってしまう。
今日の式はイブキも一緒だ。

「ドレス、似合ってるな」

「ありがとう」

褒められて素直にお礼を言う。
綺麗な純華を引き立てるのはシンプルなドレスだと、選んだドレスをベースに紘希はオーダーしてくれた。
張りのある、パールのような艶のあるシルクでできた、オフショルダーのAラインドレス。
生地の美しさを生かすために、装飾はほとんどない。
代わりに、ウェストについたリボンから伸びる垂れをたっぷりと取り、綺麗なドレープを描くようにしてもらった。
トレーンも長いのでその分重いが、今日の私を美しく見せるためなんだから、それくらい我慢できる。
ちなみに紘希は、私にあわせてクラシカルな黒タキシード姿だ。

「美しすぎて、またプロポーズしたくなる」

人目があるというのに紘希は、私に口付けしてきた。

「……人が見てるところでキス禁止って、前に言わなかったっけ?」

上目でジトッと彼を軽く睨む。

「そうだっけ?」

しかし彼には効いてなくて、華麗にすっとぼけてくる。
さらに。

「純華がすぐにキスしたくなる、可愛い顔してるからいけないんだぞ」

抗議した端からまた、私にキスしてきた。

「ちょっとゲスト、迎えに行ってくるなー」

準備が終わり、ひらひらと手を振りながら紘希は控え室を出ていった。

「ゲスト……?」

会長でも迎えに行ったのかな、なんて思っていたものの。
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