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ずっとそばに
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そして落ち着いたら、私の顔を覗き込んで悠人がこう言った。
「俺はあんたが好きだ。だから、俺とまた仲良くしてほしい。すぐに復縁しようとは言わない。だが、もう1度交際してもいいかな、と思ってもらえるよう頑張るから。だからたまにご飯食べに行ったりしてくれないか」
「3年間、恋人は?」
「いなかったよ。好きな人も。大事な人を忘れている気がして」
悠人はずっと私のことを好きでいてくれた。3年私を忘れていたのに、その間も心のどこかで私を想っててくれていた。それなら。
「復縁はしない」
「あ、恋人いる?」
「いる」
「そっかー。3年だもんな。あんた可愛いし、他の男が放っておくはずねえよな」
悪かった、と言った彼は私から離れようとしたけれど。
「っ、おい」
私は悠人に抱きついた。
「彼氏いるんだろ! まずいって!」
「いるよ、目の前に」
「……は?」
「3年間。ずっとずっと好きだった。悠人が私のこと忘れてて、七海ちゃんがまだ好きなら忘れなきゃ、って思ったし、この前の結婚式であんたのこと完全に忘れようとしたけど、半年経っても忘れられなかった」
「それって」
「別れたつもりない。だから復縁もしない」
そう言った私にホッとしたのか、彼は「意地悪しないでくれ。心臓に悪い」と言って私を強く強く抱きしめ返してくれた。
その後彼は私の家まで送ってくれた。そして、次の土日でデートをすることを約束してその日は解散した。
デート当日。悠人の家でのお家デートだった。その日は、会っていなかった3年間のことを話そう、と言っていたのだ。3年間、何をしていた、どういう生活をしていた、どんなことを楽しみに生活していた、と言ったことを話していた。3年間会わないという選択肢を取ったのは私だけど、彼が私のことを忘れていても友人として、新しく関係を築いていれば良かったな、と少し後悔した。それは彼も思っていたようで。
「あの日、あんたに名前呼ばれて抱きつかれて。その時は気にしてなかったけど、よくよく考えたら、なんで抱きついたんだ? ってなったんだよ。でもまあいっか、って流しちまって。あの時七海か芳樹に、野中友恵についてちゃんと聞いときゃ良かったな、って。恋人とか言われたけど、ピンとこなくてさ。もったいなことしたと思ったよ」
それから昼食、夕食を食べながらも色々と話をした。夜になって、そう言えば、と悠人が話を切り出した。
「俺さ、始めてデートした時のこといまだに覚えててさ。ほら、これ。友恵と一緒に撮ったプリ。スマホに送ってもらったやつ。好きすぎて待ち受けにしてるんだよ」
あ、やばい。私消した。
「他にも色々思い出あるよな。このスマホ解約しなくて良かったわ」
そう言ってニコニコしながら写真を見返している悠人のスマホを覗き込んでいたら、
「友恵のお気に入りの写真は?」
と聞かれた。待って、自分のスマホで見せる感じ? でも、でも。焦ってどうしようと思っていたら、
「まさか、消したの?」
とものすごい低い声で、怖い顔をして聞かれた。
「はい……」
正直に言うしかなかった私は目を逸らしてそう答えたのだった。
「忘れようと思って、消しました。連絡先も」
どうしよう、どうしよう。嫌われちゃったかな。そう思っておそる恐る顔を上げたら、悲しそうな顔をした悠人と目が合った。
「え」
「ごめんな、俺のせいだ。本当にごめん。俺がもっと早く思い出せれば」
「いや、悠人は悪くないよ」
「ありがとう。じゃあさ、俺のところにある写真送っていいか?」
「いいの?」
「ああ。昔のこと忘れてほしくないし、たまにでいいから思い出して欲しいから」
そう言った悠人は7年間の、いや付き合う前の写真も全部私のスマホに送ってくれた。
それから数週間後にはお互いの両親に、1ヶ月後には七海ちゃんと芳樹くんに、再び付き合い始めたことを報告した。(色々とややこしいので、復縁した、と話した)そうしたらみんなすごく喜んでくれて、すごく嬉しかった。
それからは本当に順調に交際を続けた。クリスマスには悠人からとても素敵なプロポーズを受け、私たちは結婚することになった。これからもずっと隣にいさせて、悠人。
「俺はあんたが好きだ。だから、俺とまた仲良くしてほしい。すぐに復縁しようとは言わない。だが、もう1度交際してもいいかな、と思ってもらえるよう頑張るから。だからたまにご飯食べに行ったりしてくれないか」
「3年間、恋人は?」
「いなかったよ。好きな人も。大事な人を忘れている気がして」
悠人はずっと私のことを好きでいてくれた。3年私を忘れていたのに、その間も心のどこかで私を想っててくれていた。それなら。
「復縁はしない」
「あ、恋人いる?」
「いる」
「そっかー。3年だもんな。あんた可愛いし、他の男が放っておくはずねえよな」
悪かった、と言った彼は私から離れようとしたけれど。
「っ、おい」
私は悠人に抱きついた。
「彼氏いるんだろ! まずいって!」
「いるよ、目の前に」
「……は?」
「3年間。ずっとずっと好きだった。悠人が私のこと忘れてて、七海ちゃんがまだ好きなら忘れなきゃ、って思ったし、この前の結婚式であんたのこと完全に忘れようとしたけど、半年経っても忘れられなかった」
「それって」
「別れたつもりない。だから復縁もしない」
そう言った私にホッとしたのか、彼は「意地悪しないでくれ。心臓に悪い」と言って私を強く強く抱きしめ返してくれた。
その後彼は私の家まで送ってくれた。そして、次の土日でデートをすることを約束してその日は解散した。
デート当日。悠人の家でのお家デートだった。その日は、会っていなかった3年間のことを話そう、と言っていたのだ。3年間、何をしていた、どういう生活をしていた、どんなことを楽しみに生活していた、と言ったことを話していた。3年間会わないという選択肢を取ったのは私だけど、彼が私のことを忘れていても友人として、新しく関係を築いていれば良かったな、と少し後悔した。それは彼も思っていたようで。
「あの日、あんたに名前呼ばれて抱きつかれて。その時は気にしてなかったけど、よくよく考えたら、なんで抱きついたんだ? ってなったんだよ。でもまあいっか、って流しちまって。あの時七海か芳樹に、野中友恵についてちゃんと聞いときゃ良かったな、って。恋人とか言われたけど、ピンとこなくてさ。もったいなことしたと思ったよ」
それから昼食、夕食を食べながらも色々と話をした。夜になって、そう言えば、と悠人が話を切り出した。
「俺さ、始めてデートした時のこといまだに覚えててさ。ほら、これ。友恵と一緒に撮ったプリ。スマホに送ってもらったやつ。好きすぎて待ち受けにしてるんだよ」
あ、やばい。私消した。
「他にも色々思い出あるよな。このスマホ解約しなくて良かったわ」
そう言ってニコニコしながら写真を見返している悠人のスマホを覗き込んでいたら、
「友恵のお気に入りの写真は?」
と聞かれた。待って、自分のスマホで見せる感じ? でも、でも。焦ってどうしようと思っていたら、
「まさか、消したの?」
とものすごい低い声で、怖い顔をして聞かれた。
「はい……」
正直に言うしかなかった私は目を逸らしてそう答えたのだった。
「忘れようと思って、消しました。連絡先も」
どうしよう、どうしよう。嫌われちゃったかな。そう思っておそる恐る顔を上げたら、悲しそうな顔をした悠人と目が合った。
「え」
「ごめんな、俺のせいだ。本当にごめん。俺がもっと早く思い出せれば」
「いや、悠人は悪くないよ」
「ありがとう。じゃあさ、俺のところにある写真送っていいか?」
「いいの?」
「ああ。昔のこと忘れてほしくないし、たまにでいいから思い出して欲しいから」
そう言った悠人は7年間の、いや付き合う前の写真も全部私のスマホに送ってくれた。
それから数週間後にはお互いの両親に、1ヶ月後には七海ちゃんと芳樹くんに、再び付き合い始めたことを報告した。(色々とややこしいので、復縁した、と話した)そうしたらみんなすごく喜んでくれて、すごく嬉しかった。
それからは本当に順調に交際を続けた。クリスマスには悠人からとても素敵なプロポーズを受け、私たちは結婚することになった。これからもずっと隣にいさせて、悠人。
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