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第一章 新しい生活の始まり
005-3
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パンくずをお腹に回収し終えたコッコを裏庭に放し、厨房に戻った所、裏庭からコッコの悲鳴が聞こえた。
裏庭に行くと、コッコが猫に乗られていた。
乗られていたんだけど、なんか様子がおかしい。コッコに噛み付いていない。
そうかと思うと、猫はパタリと倒れた。
「?!」
慌てて駆け寄ると、猫はお腹のあたりが真っ赤で、呼吸が荒かった。
死んじゃう! 猫が死んじゃうよ!!
「おーい、アシュリー、今コッコの声が……ってそれ、猫か?」
背後からラズロさんの声がした。
「ラズロさん、猫が死んじゃう! どうしよう! 猫が!」
「ちょっと待ってろ!」
猫のお腹を気持ち心臓より上にして傷を圧迫し、これ以上血が出ないようにする。
みるみる僕の手が真っ赤に染まっていく。
長い時間待ったような気持ちになった時、足音が聞こえた。ラズロさんかな。
「アシュリー! 待たせた!」
「アシュリー!」
ノエルさんの声だった。
僕は振り返って半泣きのまま、ノエルさんの名前を呼んだ。見ると、トキア様までいた。
「ノエルさん……猫が……猫が死んじゃう……」
「アシュリー、手を離して、直ぐに治療するから」
トキア様は猫のお腹の上に手をかざすと、何やら聞きなれない呪文を唱えた。手から光が溢れて、お腹に吸い込まれていく。
それに合わせて、血が溢れなくなっていった。
「内臓と皮膚の表面の傷を癒した。これで死にはしないだろう」
「ありがとうございますっ、トキア様、ありがとうございますっ」
水魔法で自分の手と猫の身体を洗い、風魔法で乾かした。
猫の呼吸はさっきより落ち着いてきて、一度目を開けたけど、また目を閉じた。
「茶ァ、淹れたぞ」
ラズロさんに呼ばれて、食堂に戻る。
何があったのかを説明してくれと言われたので、あったままを説明した。
「傷を抱えたまま、狩りをしたんだろうなぁ」
猫は僕の膝の上で寝ている。どうも嫌じゃないみたいだ。
「トキア様、本当にありがとうございました」
「いや……ラズロがアシュリーが大変だと言うから来てみれば……猫とはな……」
息を吐くトキア様。お忙しいだろうトキア様とノエルさんを連れて来た理由がそれって……。
ラズロさんは悪びれずに言った。
「アシュリーがパニックになってて大変だったからな、何も間違ってない」
うわぁ……そのお陰で猫は助かったけど、さすがにそれは僕でもどうかと思う、ラズロさん!
「アシュリー、この猫の傷が治ったら、テイムすれば?」
ノエルさんが言った。
膝の上ですやすや眠るその姿に、そうなってくれたら良いな、とは思うものの、無理強いはしたくないなとも思った。
「そうですね、もし猫が僕にテイムされてもいいって思ってくれたら、そうします」
猫、何なら食べれるかなぁ。
目が覚めたら栄養のあるものを食べさせてあげたいんだけど……。
出血いっぱいしてたし……。
「アシュリー、ちょっと良いか?」
トキア様に声をかけられて、慌てて顔を上げる。
「は、はいっ」
「面白い魔法の使い方をしていたな」
「え? あ、手を洗っていたからですか?」
「そうだ」
「アシュリーは料理でも魔法を使うんですよ」
ほぅ、とトキア様は呟くと顎を撫でる。鳶色の瞳がじっと僕を見つめていて、落ち着かない。
「魔力の少ない者でも、アシュリーのように魔法を使えば、日々の生活が楽になるかも知れんな」
生活の殆どを魔法に頼ってる僕としては、頷くしかない。
「とても便利ですよ」
トキア様は目を閉じて何か思案し始めてしまった。
ノエルさんを見ると、ノエルさんはにっこり微笑んで、「大丈夫だよ」と言ってくれたので、気にしない事にする。
「アシュリー、猫は肉食だから、余ってるお肉なんかがあったら食べさせてあげるといいよ」
「あ、ありがとうございます」
そうだよね、さっきコッコを狙ってたしね。
猫の傷、早く良くなるといいなぁ。
「おまえ、助かって良かったね」
そっと撫でると、猫はうっすら目を開けて、みゃ、と鳴いてまた目を閉じた。
裏庭に行くと、コッコが猫に乗られていた。
乗られていたんだけど、なんか様子がおかしい。コッコに噛み付いていない。
そうかと思うと、猫はパタリと倒れた。
「?!」
慌てて駆け寄ると、猫はお腹のあたりが真っ赤で、呼吸が荒かった。
死んじゃう! 猫が死んじゃうよ!!
「おーい、アシュリー、今コッコの声が……ってそれ、猫か?」
背後からラズロさんの声がした。
「ラズロさん、猫が死んじゃう! どうしよう! 猫が!」
「ちょっと待ってろ!」
猫のお腹を気持ち心臓より上にして傷を圧迫し、これ以上血が出ないようにする。
みるみる僕の手が真っ赤に染まっていく。
長い時間待ったような気持ちになった時、足音が聞こえた。ラズロさんかな。
「アシュリー! 待たせた!」
「アシュリー!」
ノエルさんの声だった。
僕は振り返って半泣きのまま、ノエルさんの名前を呼んだ。見ると、トキア様までいた。
「ノエルさん……猫が……猫が死んじゃう……」
「アシュリー、手を離して、直ぐに治療するから」
トキア様は猫のお腹の上に手をかざすと、何やら聞きなれない呪文を唱えた。手から光が溢れて、お腹に吸い込まれていく。
それに合わせて、血が溢れなくなっていった。
「内臓と皮膚の表面の傷を癒した。これで死にはしないだろう」
「ありがとうございますっ、トキア様、ありがとうございますっ」
水魔法で自分の手と猫の身体を洗い、風魔法で乾かした。
猫の呼吸はさっきより落ち着いてきて、一度目を開けたけど、また目を閉じた。
「茶ァ、淹れたぞ」
ラズロさんに呼ばれて、食堂に戻る。
何があったのかを説明してくれと言われたので、あったままを説明した。
「傷を抱えたまま、狩りをしたんだろうなぁ」
猫は僕の膝の上で寝ている。どうも嫌じゃないみたいだ。
「トキア様、本当にありがとうございました」
「いや……ラズロがアシュリーが大変だと言うから来てみれば……猫とはな……」
息を吐くトキア様。お忙しいだろうトキア様とノエルさんを連れて来た理由がそれって……。
ラズロさんは悪びれずに言った。
「アシュリーがパニックになってて大変だったからな、何も間違ってない」
うわぁ……そのお陰で猫は助かったけど、さすがにそれは僕でもどうかと思う、ラズロさん!
「アシュリー、この猫の傷が治ったら、テイムすれば?」
ノエルさんが言った。
膝の上ですやすや眠るその姿に、そうなってくれたら良いな、とは思うものの、無理強いはしたくないなとも思った。
「そうですね、もし猫が僕にテイムされてもいいって思ってくれたら、そうします」
猫、何なら食べれるかなぁ。
目が覚めたら栄養のあるものを食べさせてあげたいんだけど……。
出血いっぱいしてたし……。
「アシュリー、ちょっと良いか?」
トキア様に声をかけられて、慌てて顔を上げる。
「は、はいっ」
「面白い魔法の使い方をしていたな」
「え? あ、手を洗っていたからですか?」
「そうだ」
「アシュリーは料理でも魔法を使うんですよ」
ほぅ、とトキア様は呟くと顎を撫でる。鳶色の瞳がじっと僕を見つめていて、落ち着かない。
「魔力の少ない者でも、アシュリーのように魔法を使えば、日々の生活が楽になるかも知れんな」
生活の殆どを魔法に頼ってる僕としては、頷くしかない。
「とても便利ですよ」
トキア様は目を閉じて何か思案し始めてしまった。
ノエルさんを見ると、ノエルさんはにっこり微笑んで、「大丈夫だよ」と言ってくれたので、気にしない事にする。
「アシュリー、猫は肉食だから、余ってるお肉なんかがあったら食べさせてあげるといいよ」
「あ、ありがとうございます」
そうだよね、さっきコッコを狙ってたしね。
猫の傷、早く良くなるといいなぁ。
「おまえ、助かって良かったね」
そっと撫でると、猫はうっすら目を開けて、みゃ、と鳴いてまた目を閉じた。
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