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第一章 新しい生活の始まり
007-3
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パンに具を挟んだ奴を、トキア様はとても気に入ってくれた。
何と呼ばれる料理なのかと尋ねられたけど、ネロを見て思い付きで作ったので名前は無いです、と答えると少し驚かれた後、パニーノと名付けてくれた。
食堂が落ち着いてからで良いので持って来てもらえるかとお願いされた。ラズロさんは良いぜ、と答えていた。ラズロさんが良いなら僕に異論はない。
良かった、これでトキア様、ちゃんとごはんが食べられるね。
食堂に戻るとネロがタオルを引っ掻き回していた。
「ネロー!」
叱ろうと思ったら棚の下に隠れてしまった。諦めてタオルを畳み直しているといつの間にか足元にやって来てて、僕を見上げてなぅー、と鳴く。
ごめんなさい、って言ってるみたいで、叱る気持ちが何処かにいってしまう。
「ネロ用のベッドを作ってあげるから、もうくしゃくしゃにしちゃ駄目だよー?」
分かっているのかいないのか、に!と鳴く。可愛い。
「そうだ、アシュリー、ネロにネズミの事を頼んでおいてくれよ」
厨房に立って洗い物をしているラズロさんから声がかかった。
あ、そうだった。
ネロを見ると、僕を見上げる。
「ネロ、ネズミを見つけたらやっつけてくれる?」
にゃん!と鳴くと長い尻尾をゆらりとさせた。
少しでもネズミが減ってくれると良いんだけど。
畳んだタオルを棚にしまい、シーツを交換する。
色々と食べてもらう為にスライムをテイムした訳だけど、あまりにフルールが可愛いので、僕もラズロさんも頭を悩ませた。
じゃがいもの皮とかを食べるぐらいなら良いけど、スライムは超絶雑食だから……。
「可愛いフルールが変なもの食べてる所とかは、見たくないなぁ」
思わず口に出して呟いてしまう。
コッコとネロがフルールを見つめる。
その日はノエルさんとラズロさんが一緒に夕飯を取ってくれた。
平日は夜も食堂をやってるけど、休日はさすがの食堂もお休みなのだ。
いつもは休日には王都の馴染みの店に食べに行くというラズロさんは、僕が初めての休日だからと、一緒に夕飯を食べてくれている。
今度連れてってやるよ、とラズロさんが僕の頭を撫でながら言った。楽しみ!
フルールを捕まえに行っている間に、ラズロさんは色々と食材を買って来てくれたみたいで、氷室や棚に食材が増えていた。
「まだネズミの問題が片付いてないからな。少しずつ補充するしかねぇなぁ」
ネロが捕まえてくれると嬉しいけど、ネズミは繁殖力の強い生き物だから、数が増えてると思われる今の状況からだと、しばらくはパンを犠牲にするしかないのかな。
ネズミ避けの道具なんかもラズロさんは買って来ていたみたいで、厨房のあちこちに置かれていた。
ナスでなんか作ってくれ、とラズロさんに言われたので、半分にスライスしておく。小麦粉とオイルとミルクでソースを作って、そこにしっかりと味を付けたひき肉を混ぜておく。
ナスの上にソースとひき肉をのせて石窯で焼いていたら、トキア様がやって来た。
……休日なのに、家に帰らないのかな……? 帰れないとか……?
焼き上がったナスの上にチーズを削ってのせ、火魔法で溶かしていく。
かぼちゃは茹でて潰し、スープにする。
じゃがいもは適当に切って、オイルで揚げて塩を振っておく。
気が付いたら顔は知ってるけど、名前は知らない人たちも集まってて、ラズロさんと僕は厨房で料理を作ったり、食べたりした。
……食べ過ぎたー。
食べ終えて後片付けをして、寛いでいた時にノエルさんがネロのおなかを撫でながら言った。
「ネロの怪我はもう問題ないよ」
良かった!
ごはんも美味しそうに食べるし、高い所に登ったりして寛いでいたりもするから、だいぶ良いんだと思ってたけど、おなかの中の状態は僕には分からないから。
みんなが帰った後、結構な時間になってて、慌てて寝る支度をしてベッドに潜り込んだ。
コッコはお気に入りのカゴの中に。ネロはベッドの上。フルールは部屋の隅にいる。……スライムって寝るのかな……?
猫もウサギも飼いたかったから、嬉しい。
家族と離れて暮らすのはやっぱり、ちょっとした時に寂しくなるけど、ラズロさんにクリフさん、ノエルさんがいてくれるし、コッコにフルール、ネロが居てくれるからか、何とかやっていけそうな気がする。
まだ、ダンジョンメーカーのスキルの事はよく分かってないけど。
今の僕が気になるのは、トキア様に出すパニーノの具を明日はどんなものするか、と言う事。
毎日同じ具じゃ飽きてしまうし、身体にもよくないと思う。明日は卵にしてみようかな。
何と呼ばれる料理なのかと尋ねられたけど、ネロを見て思い付きで作ったので名前は無いです、と答えると少し驚かれた後、パニーノと名付けてくれた。
食堂が落ち着いてからで良いので持って来てもらえるかとお願いされた。ラズロさんは良いぜ、と答えていた。ラズロさんが良いなら僕に異論はない。
良かった、これでトキア様、ちゃんとごはんが食べられるね。
食堂に戻るとネロがタオルを引っ掻き回していた。
「ネロー!」
叱ろうと思ったら棚の下に隠れてしまった。諦めてタオルを畳み直しているといつの間にか足元にやって来てて、僕を見上げてなぅー、と鳴く。
ごめんなさい、って言ってるみたいで、叱る気持ちが何処かにいってしまう。
「ネロ用のベッドを作ってあげるから、もうくしゃくしゃにしちゃ駄目だよー?」
分かっているのかいないのか、に!と鳴く。可愛い。
「そうだ、アシュリー、ネロにネズミの事を頼んでおいてくれよ」
厨房に立って洗い物をしているラズロさんから声がかかった。
あ、そうだった。
ネロを見ると、僕を見上げる。
「ネロ、ネズミを見つけたらやっつけてくれる?」
にゃん!と鳴くと長い尻尾をゆらりとさせた。
少しでもネズミが減ってくれると良いんだけど。
畳んだタオルを棚にしまい、シーツを交換する。
色々と食べてもらう為にスライムをテイムした訳だけど、あまりにフルールが可愛いので、僕もラズロさんも頭を悩ませた。
じゃがいもの皮とかを食べるぐらいなら良いけど、スライムは超絶雑食だから……。
「可愛いフルールが変なもの食べてる所とかは、見たくないなぁ」
思わず口に出して呟いてしまう。
コッコとネロがフルールを見つめる。
その日はノエルさんとラズロさんが一緒に夕飯を取ってくれた。
平日は夜も食堂をやってるけど、休日はさすがの食堂もお休みなのだ。
いつもは休日には王都の馴染みの店に食べに行くというラズロさんは、僕が初めての休日だからと、一緒に夕飯を食べてくれている。
今度連れてってやるよ、とラズロさんが僕の頭を撫でながら言った。楽しみ!
フルールを捕まえに行っている間に、ラズロさんは色々と食材を買って来てくれたみたいで、氷室や棚に食材が増えていた。
「まだネズミの問題が片付いてないからな。少しずつ補充するしかねぇなぁ」
ネロが捕まえてくれると嬉しいけど、ネズミは繁殖力の強い生き物だから、数が増えてると思われる今の状況からだと、しばらくはパンを犠牲にするしかないのかな。
ネズミ避けの道具なんかもラズロさんは買って来ていたみたいで、厨房のあちこちに置かれていた。
ナスでなんか作ってくれ、とラズロさんに言われたので、半分にスライスしておく。小麦粉とオイルとミルクでソースを作って、そこにしっかりと味を付けたひき肉を混ぜておく。
ナスの上にソースとひき肉をのせて石窯で焼いていたら、トキア様がやって来た。
……休日なのに、家に帰らないのかな……? 帰れないとか……?
焼き上がったナスの上にチーズを削ってのせ、火魔法で溶かしていく。
かぼちゃは茹でて潰し、スープにする。
じゃがいもは適当に切って、オイルで揚げて塩を振っておく。
気が付いたら顔は知ってるけど、名前は知らない人たちも集まってて、ラズロさんと僕は厨房で料理を作ったり、食べたりした。
……食べ過ぎたー。
食べ終えて後片付けをして、寛いでいた時にノエルさんがネロのおなかを撫でながら言った。
「ネロの怪我はもう問題ないよ」
良かった!
ごはんも美味しそうに食べるし、高い所に登ったりして寛いでいたりもするから、だいぶ良いんだと思ってたけど、おなかの中の状態は僕には分からないから。
みんなが帰った後、結構な時間になってて、慌てて寝る支度をしてベッドに潜り込んだ。
コッコはお気に入りのカゴの中に。ネロはベッドの上。フルールは部屋の隅にいる。……スライムって寝るのかな……?
猫もウサギも飼いたかったから、嬉しい。
家族と離れて暮らすのはやっぱり、ちょっとした時に寂しくなるけど、ラズロさんにクリフさん、ノエルさんがいてくれるし、コッコにフルール、ネロが居てくれるからか、何とかやっていけそうな気がする。
まだ、ダンジョンメーカーのスキルの事はよく分かってないけど。
今の僕が気になるのは、トキア様に出すパニーノの具を明日はどんなものするか、と言う事。
毎日同じ具じゃ飽きてしまうし、身体にもよくないと思う。明日は卵にしてみようかな。
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