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第一章 新しい生活の始まり
011-4
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お湯を汚さないように、先に身体やら髪を洗う。それがマナーよ! と母さんから教わった。
石鹸を泡立てて、泡で髪を洗っていく。それから顔、身体も泡で洗う。
村では毎年へちまを作っていて、へちまが出来たら繊維だけ残るように煮てスポンジを作っていた。出来たらここでも作りたい。この前王都で見たのは硬い毛のブラシばっかりだったんだよね。
全身キレイにしてから浴槽に入る。
「はぁ…………」
身体のあちこちがほぐれていくのが分かる。お風呂に入れない日が続いて、少し寒くもなってきてたから、自然と体に力が入ってたみたい。
温かくて、気持ち良い。
お風呂は一日の疲れを取る貴重な時間。王都にお風呂がないと知ってショックだったけど、ラズロさん、ノエルさん、クリフさんのお陰でここでもお風呂に入れる。
あぁ、しあわせ……。
タオルで髪を軽く拭き、風魔法で髪の水分を飛ばす。ちゃんと乾かさないと風邪ひいちゃうからね。
新しい下着、服に着替えてお風呂を出て食堂に戻る。
ラズロさんとノエルさんがカードをしていた。
「おぅ、さっぱりした顔してやがるな。さて、オレも入ってくるかなー」
「ちょっとラズロ、自分が負けそうだからって逃げようとしてるでしょ?」
そんな事ねぇよ、と言いながら視線を逸らしてるから、図星だね、うん。
文字通り逃げるようにしてラズロさんは食堂を出て行った。
「お風呂はどうだった?」
「とても気持ち良かったです! ノエルさん、本当にありがとうございます!」
ノエルさんはにこにこと微笑む。
「どういたしまして。実家でもお風呂はあったけど、大きさがないからね。あんな大きな浴槽は初めてだから、僕も楽しみだよ」
それから、貴族の人達が入るお風呂の話を聞いた。
浴槽はあるにはあるけど、浴室そのものを蒸気で満たして、その中で座って汗をかき、浴槽に浸かって汗を流すのが一般的な入浴方式らしい。
僕の知ってる入浴方法と全然違うのでびっくりした。
ノエルさんは僕の村の入浴方法を試してみたいらしい。
「アシュリー、今度の週末はどうするの?」
「浴室と脱衣所を掃除する道具が欲しいのと、身体を洗うスポンジが欲しいです」
食堂の食器を洗うのにたわしを使ってるけど、洗い切れない事があって、何度も洗う事になるから、食器を洗うのにスポンジが欲しい。
「スポンジ……?」
ノエルさんが怪訝な顔をする。
「アシュリー、スポンジって、何?」
村にはへちまで大量にスポンジを作って、それで身体を洗ったり、食器洗いに使ってた。その話をするとノエルさんが困ったように笑う。
「アシュリーの出身村は、聞けば聞くほど意味が分からない程に衛生的だね。王都の比じゃない。桁違いだよ」
自分の村しか知らなかったから、あれが普通なんだと思っていたけど、全然普通じゃなかったみたい。
「週末、買い物に行こう。来年はへちまを育てるにしても、とりあえず今、必要だからね」
「いいんですか?」
「勿論だよ。冬用の布団も買わないといけないでしょ?」
冬用の布団かぁ。
「王都では何て言う鳥の羽根を使ってるんですか?」
「……羽根……?」
あれ……?
ノエルさんの反応が、おかしい。
「布団の話ですよね?」
「布団の話だね」
「……羽毛、入れますよね?」
「羽毛? 布団に入れるのは綿だろう?」
「………………」
「………………」
はぁ、と深いため息を吐いたノエルさんは、その辺も教えて、と言った。
どうやら、布団事情も違うみたい……。
石鹸を泡立てて、泡で髪を洗っていく。それから顔、身体も泡で洗う。
村では毎年へちまを作っていて、へちまが出来たら繊維だけ残るように煮てスポンジを作っていた。出来たらここでも作りたい。この前王都で見たのは硬い毛のブラシばっかりだったんだよね。
全身キレイにしてから浴槽に入る。
「はぁ…………」
身体のあちこちがほぐれていくのが分かる。お風呂に入れない日が続いて、少し寒くもなってきてたから、自然と体に力が入ってたみたい。
温かくて、気持ち良い。
お風呂は一日の疲れを取る貴重な時間。王都にお風呂がないと知ってショックだったけど、ラズロさん、ノエルさん、クリフさんのお陰でここでもお風呂に入れる。
あぁ、しあわせ……。
タオルで髪を軽く拭き、風魔法で髪の水分を飛ばす。ちゃんと乾かさないと風邪ひいちゃうからね。
新しい下着、服に着替えてお風呂を出て食堂に戻る。
ラズロさんとノエルさんがカードをしていた。
「おぅ、さっぱりした顔してやがるな。さて、オレも入ってくるかなー」
「ちょっとラズロ、自分が負けそうだからって逃げようとしてるでしょ?」
そんな事ねぇよ、と言いながら視線を逸らしてるから、図星だね、うん。
文字通り逃げるようにしてラズロさんは食堂を出て行った。
「お風呂はどうだった?」
「とても気持ち良かったです! ノエルさん、本当にありがとうございます!」
ノエルさんはにこにこと微笑む。
「どういたしまして。実家でもお風呂はあったけど、大きさがないからね。あんな大きな浴槽は初めてだから、僕も楽しみだよ」
それから、貴族の人達が入るお風呂の話を聞いた。
浴槽はあるにはあるけど、浴室そのものを蒸気で満たして、その中で座って汗をかき、浴槽に浸かって汗を流すのが一般的な入浴方式らしい。
僕の知ってる入浴方法と全然違うのでびっくりした。
ノエルさんは僕の村の入浴方法を試してみたいらしい。
「アシュリー、今度の週末はどうするの?」
「浴室と脱衣所を掃除する道具が欲しいのと、身体を洗うスポンジが欲しいです」
食堂の食器を洗うのにたわしを使ってるけど、洗い切れない事があって、何度も洗う事になるから、食器を洗うのにスポンジが欲しい。
「スポンジ……?」
ノエルさんが怪訝な顔をする。
「アシュリー、スポンジって、何?」
村にはへちまで大量にスポンジを作って、それで身体を洗ったり、食器洗いに使ってた。その話をするとノエルさんが困ったように笑う。
「アシュリーの出身村は、聞けば聞くほど意味が分からない程に衛生的だね。王都の比じゃない。桁違いだよ」
自分の村しか知らなかったから、あれが普通なんだと思っていたけど、全然普通じゃなかったみたい。
「週末、買い物に行こう。来年はへちまを育てるにしても、とりあえず今、必要だからね」
「いいんですか?」
「勿論だよ。冬用の布団も買わないといけないでしょ?」
冬用の布団かぁ。
「王都では何て言う鳥の羽根を使ってるんですか?」
「……羽根……?」
あれ……?
ノエルさんの反応が、おかしい。
「布団の話ですよね?」
「布団の話だね」
「……羽毛、入れますよね?」
「羽毛? 布団に入れるのは綿だろう?」
「………………」
「………………」
はぁ、と深いため息を吐いたノエルさんは、その辺も教えて、と言った。
どうやら、布団事情も違うみたい……。
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