前代未聞のダンジョンメーカー

黛 ちまた

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第一章 新しい生活の始まり

011-3

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 遂にお風呂が完成!
 まず最初に入って来いと言われたので、お湯を入れに行く。そういえば、掃除用具を買ってなかった。明日買いに行きたいけど、端肉の煮込みもあるし、どうしよう。

 ノエルさんとラズロさんも一緒。見てみたいんだって。

「まさか城に風呂が作られるとは思わなかったぜ」

「確かに」

 裏庭の奥に風呂用の小屋があった。裏庭にいるコッコを迎えに行く時に見てはいたけど、こうして完成したのを見ると、胸がわくわくする。
 ドアには中鍵が付いてる。外からも開けられるけど、その鍵は何故か僕の部屋に置かれる事になった。管理人ってこと?

 ドアを開けて中に入る。ランタンの明かりしかないので全体は見えない。脱衣所から土足厳禁にしてもらった。
 村の浴場を参考にしてて、上手く伝えられていたか心配だったけど、大丈夫みたい。

「靴はここで脱いで下さいね」

「えっ?!」

 ノエルさんが僕と木工ギルドの間に入って、拙い僕の説明をギルドの人に伝えてくれた。
 だからノエルさんは中の作りとかが分かってるけど、ラズロさんは初めてだから戸惑ってるみたい。

「え、じゃなくて、靴を脱いで」

「オレはまだ風呂に入んねぇぞ?」

「違うよ、この脱衣所がそもそも、土足を禁止してるの。せっかくお風呂で身体を洗ってキレイになっても、脱衣所が汚かったら足が汚れちゃうでしょ?」

 ノエルさん説明に納得したラズロさんは、靴を脱いだ。

「靴はこの、靴箱に入れます」

 脱いだ靴を、すぐ横に作ってもらった棚に入れて扉を閉める。

「なんだコレ?!」

「靴箱です。靴を入れたら、閉じて、扉に付いてる札を取って下さい」

 ラズロさんの頭の上に?が見えるぐらいに、戸惑ってる。その姿を見てノエルさんが笑う。

「その札を差し込むと、開くんだよ」

 言われた通りに札を扉に付いてるポケットに嵌めると、カチリ、と音がさせて開いた。

「コレがあったら全部開けられんのか?」

「開かないよ」

 ノエルさんが札をラズロさんに見せる。ラズロさんがもう一度手にした札と見比べる。
 似てるけど、札の下の切り込みが違う。

「形が違うのか」

 そう、とノエルさんが答えた。

「靴箱は二十あって、全部札の形が違うからね、それに番号が書いてあるでしょ」

「おう」

 ラズロさんの札は5番。僕は7番。ノエルさんは12番。

「札に書いてある数字と棚に書いてある数字は一致してるから、目安にしてね」

 ほほーっ、とラズロさんが感心したように声を上げる。

「面白れぇなぁ、コレ」

 札には麻紐が通されてるので、その麻紐で手首に巻いてもらえば、無くさないで済む。
 脱衣所には大きな棚を設置してもらった。好きな場所で服を脱ぎ着してもらおうと思って。

 すっかり忘れていたけど、脱衣所のあちこちにろうそくが立てられる場所が用意されていた。その一つひとつに火魔法で明かりを灯す。
 ノエルさんがやると火災になるから、僕がやる。

「ごめんね、アシュリー。早く微調整出来るようになるからねっ」

「気にしないで下さい。ノエルさんはそんなこと出来なくても凄いんですから」

「アシュリー!」

 ノエルさんに抱きしめられて窒息しそうになったのをラズロさんが助けてくれた。

「アシュリー、湯を入れんだろ?」

「はい」

 浴室にも明かりを灯していく。お湯がかからないように高い位置にろうそくがおかれてる。魔法だから灯せるけど、そうじゃなかったら僕の身長だと手が届かないかも。

 浴槽に向けて火と水の魔法を唱える。単純に消えない火の中を水が通ることでお湯になる、っていうものなんだけどね。
 問題は、村の家にあった浴槽よりこの浴槽が大きいから、すぐにいっぱいにならない気がする。今も少しずつしかお湯が溜まっていかない。

「なるほどー。これなら僕も出来るかも」

 そう言ってノエルさんが、前よりも加減出来るようになった火魔法で作り出した火を浴槽の上に浮かばせる。そこに魔法で作った水を通していく。
 魔力量が僕もよりも圧倒的に多いノエルさんがやってくれたので、あっという間に浴槽にお湯がはられた。
 さすがです。

「これ、湯水が冷えてきたらどうすんだ?」

「魔法で作った火をお湯の中に入れるんです。魔力で維持している間は火は消えないので」

「なるほどな」と、うんうん頷くと、ラズロさんは浴槽に手を入れた。

「良い湯加減だぞ! オレたちはもう食堂に戻るから、アシュリーはこのまま入っちまえよ!」

「あ、じゃあ、タオルとせっけんを部屋に取りに行きます。持ってきてないので」

 ラズロさんとノエルさんと一緒に一度食堂に戻ってから、部屋にタオルとせっけんを取りに行き、お風呂にとんぼ返りした。
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