前代未聞のダンジョンメーカー

黛 ちまた

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第二章 マレビト

025-3

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「テイム? 可能じゃないかな」

 休憩に来たノエルさんに、蜂はテイム出来るのかを質問してみた。軽い反応にちょっと期待してしまう。

「あまり聞いた事がないけど、理論的には可能だと思うよ」

 そう言って、ノエルさんははちみつの入ったミルクを飲む。ナインさんもノエルさんの横で、夢中になってはちみつ入りミルクを飲んでる。
 クリフさんはいつも通りコーヒーを飲んでる。

「だが、この近辺は花が少ない。それにミツバチは集団で生活する。一匹だけテイムしても無駄だろう」

「それに、人が刺されたら危ないからね、難しいんじゃないかな」

 あからさまにラズロさんががっくりしてる。

「アシュリーが肩を落とすなら分かるけど、なんでそんなにラズロが凹んでいるのか、分からないんだけど?」

 怪訝な顔でノエルさんとクリフさんがラズロさんを見るから、思わず笑ってしまった。

「はちみつと粒マスタードのソースがとっても気に入ったみたいなんです」

「なにかな、それ? 僕、食べてない気がする」

 ノエルさんの目が光ったような気がする。ナインさんの目は期待からなのか、きらきらしてる。

「夜に出す予定なんです。はちみつの量にも限りがあるので、昼には出せないから」

「なるほど。絶対来るから取っておいてね」



 夜は昼と違って利用する人の人数が少ない。
 はちみつと粒マスタードを混ぜたものを、あとは焼き色だけつければ良いぐらいまで焼いた肉にかける。
 肉の脂とはちみつの甘い匂いと、粒マスタードの酸味が混じった、なんとも言えない良い匂いがする。

「良い匂い……」

「おいしそう」

「腹を刺激する匂いだな」

 ノエルさん、ナインさん、クリフさんは、はちみつマスタードのソースの匂いを気に入ってくれたみたいだった。

 カウンターの席に座った三人に、料理ののった皿を渡す。
 はちみつをちょっと入れて作ったパンと、鶏肉のはちみつマスタードソースがけ、キャベツの酢漬け、タマネギのスープを出す。

 三人ともぺろりと平らげてしまった。
 キレイに食べてもらえて、作った僕としても、とっても嬉しい。

「はぁ……今日の料理も美味しかった」

「アシュリーの料理は本当に美味いな」

 褒められすぎてちょっと恥ずかしいけど、嬉しい。

「そう言えば、アシュリーのいた村では、はちみつは食べる事以外に使われていた?」

「蜜を絞った後の巣でろうそくや、油を固形化させるのに使ったりはしました。あ、はちみつではないんですけど、時折女王蜂がいる巣が手に入ったりすると、魔女が薬を作っていました」

「薬……?」

 頷く。

「とっても効果があるんです。耳鳴りが良くなった、って言ってた人もいたし、身体の重いのが取れたって言う人もいたし、気持ちが軽くなったって言う人もいて……なんだか良く分からないんですけど、普通の薬では良くならなかった人に、魔女はあげてましたよ」

「魔女と連絡する手段はある?」

「僕からは出来ないですけど、たまに使い魔がきます」

 ただ、魔女はきまぐれだから、次にいつ来るのかはわからないんだけど……。

「次に魔女から連絡が来たら、僕を呼んでもらって良いかな? 直接話がしてみたいんだ」

「うーん……」

 ノエルさんとナインさんが首を傾げる。

「アシュリー? どうかした? 何か問題が?」

「ノエルさんはカッコいいから、魔女と会ったら、大変な事になりそうだなって思って」

『その心配はない』

 パフィの声がした。
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