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第二章 マレビト
025-4
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突然魔女の声がした。
みんなが声のした方を見ると、天井に逆さま状態のマグロがいた。
あり得ない光景に、みんなの目がまん丸になる。
……たまにこう言う事をやってくるんだけど、わざとなんじゃないかな、って思う。
初めて会う人に対してやってる事が多い気がする。
多分だけど、どんな人物が見極める為にやってるんだと思うんだけど……やられた方は困るんじゃないかなっていつも思うんだよね……。
すとっ、と音をさせてマグロが下りてきて、二股のしっぽを揺らした。それにもまた、みんなの視線が注がれる。
……うん、二股の猫とか、見たことないですよね。
「魔力の気配を感じなかった……」
存在そのものに驚いてるのかと思ったら、ノエルさんは別の事に衝撃を受けているみたいだった。
「魔女の魔力と、魔法使いの魔力は質が違うと聞いた事があります」
仕組みはまったく分からないんだけど、魔女がそんな事を言ってた。
『おまえがノエル、クリフ、それからナインか』
順番に三人の顔を眺めるマグロに、三人は戸惑ってる。
うん、なんて言うか、魔女がすみません……。
『私のいない間に、勝手にアシュリーを連れ去りおって』
「パフィ、父さん達の許可は取ったよ?」
そう言うと、ふん、と鼻で笑われた。
『私の許可を取っておらんではないか』
「そんな事言っても、僕はパフィの弟子ではなかったし、二人はパフィの事を知らないんだから、仕方ない事だよ。それにあの時村にいなかったでしょう」
『薄情者め』
えぇ……。
「改めて、僕はノエル・オブディアンといいます。初めまして、古の魔女とこうして会話が出来て光栄です」
マグロがノエルさんをじっと見る。
「貴女とアシュリーの事を知らなかったとは言え、村からアシュリーを連れ出してしまった事、申し訳ありません」
そう言ってノエルさんが頭を下げる。クリフさんまで頭を下げた。二人の間に挟まれていたナインさんまで頭を下げたのは、その場の雰囲気と言う奴だとは思うけど。
「オレはクリフォード・フォン・ジャーメイン。アシュリーに関しては言い訳のしようもない。謝罪する」
『お貴族様が頭を下げるとは、珍しい。長生きするものだ』
ゆらゆらと揺れるマグロのしっぽからしても、ある程度機嫌は直ったみたいだ。良かった……。
『アシュリーのスキルについてはさすがの私も知らぬ事が多かったからな、当面預けておこう』
「ありがとうございます」
「感謝する」
マグロがお座りをする。
『それで、何を知りたい?』
「女王蜂のいる巣を入手出来た際の、薬の件です」
『女王蜜の事か』
女王蜜。そう言えば魔女がそんな単語を口にしていた事があったような?
『何の為に欲する?』
クリフさんとノエルさんが目を合わせ、頷いた。
「実は、我が国の第一王子の病気を治す為の物を、ずっと探しているんです」
『第二王子もいるだろう? 何を案ずる事がある』
言いながらマグロのしっぽが揺れてるから、魔女は答えを知ってるんだろうと思う。
「第二王子は武力派です。彼が王位を継げば、隣国との戦争は避けられない」
『他国にも名の知れたノエル・オブディアンとジャーメイン家の跡取りがいれば、周辺諸国の制圧も容易いと言われているが、肝心の二人にその気がないとはな?』
ノエルさんの表情が曇る。
「僕は、力を人を傷付ける事に使いたくありません」
「オレの力も、そんな事の為に使いたくない」
『それで聡明と名高い第一王子を担ぎ上げたいと』
「あの方がどのような治世を敷かれるかは分かりません。ですが、僕は第二王子よりも、第一王子に王位を継いでいただきたいんです」
突然マグロが僕を見た。
『少しは話の出来る奴のようだ。おまえ達ならアシュリーを預けるに足るようだ』
「ありがとうございます」
ノエルさんが頭を下げる。
『そうは待たせぬつもりでいるが、少し待て』
はい、とノエルさんとクリフさんが返事をした途端、マグロがごろんと横になった。
……あ、魔女は抜けたみたい。
みんなが声のした方を見ると、天井に逆さま状態のマグロがいた。
あり得ない光景に、みんなの目がまん丸になる。
……たまにこう言う事をやってくるんだけど、わざとなんじゃないかな、って思う。
初めて会う人に対してやってる事が多い気がする。
多分だけど、どんな人物が見極める為にやってるんだと思うんだけど……やられた方は困るんじゃないかなっていつも思うんだよね……。
すとっ、と音をさせてマグロが下りてきて、二股のしっぽを揺らした。それにもまた、みんなの視線が注がれる。
……うん、二股の猫とか、見たことないですよね。
「魔力の気配を感じなかった……」
存在そのものに驚いてるのかと思ったら、ノエルさんは別の事に衝撃を受けているみたいだった。
「魔女の魔力と、魔法使いの魔力は質が違うと聞いた事があります」
仕組みはまったく分からないんだけど、魔女がそんな事を言ってた。
『おまえがノエル、クリフ、それからナインか』
順番に三人の顔を眺めるマグロに、三人は戸惑ってる。
うん、なんて言うか、魔女がすみません……。
『私のいない間に、勝手にアシュリーを連れ去りおって』
「パフィ、父さん達の許可は取ったよ?」
そう言うと、ふん、と鼻で笑われた。
『私の許可を取っておらんではないか』
「そんな事言っても、僕はパフィの弟子ではなかったし、二人はパフィの事を知らないんだから、仕方ない事だよ。それにあの時村にいなかったでしょう」
『薄情者め』
えぇ……。
「改めて、僕はノエル・オブディアンといいます。初めまして、古の魔女とこうして会話が出来て光栄です」
マグロがノエルさんをじっと見る。
「貴女とアシュリーの事を知らなかったとは言え、村からアシュリーを連れ出してしまった事、申し訳ありません」
そう言ってノエルさんが頭を下げる。クリフさんまで頭を下げた。二人の間に挟まれていたナインさんまで頭を下げたのは、その場の雰囲気と言う奴だとは思うけど。
「オレはクリフォード・フォン・ジャーメイン。アシュリーに関しては言い訳のしようもない。謝罪する」
『お貴族様が頭を下げるとは、珍しい。長生きするものだ』
ゆらゆらと揺れるマグロのしっぽからしても、ある程度機嫌は直ったみたいだ。良かった……。
『アシュリーのスキルについてはさすがの私も知らぬ事が多かったからな、当面預けておこう』
「ありがとうございます」
「感謝する」
マグロがお座りをする。
『それで、何を知りたい?』
「女王蜂のいる巣を入手出来た際の、薬の件です」
『女王蜜の事か』
女王蜜。そう言えば魔女がそんな単語を口にしていた事があったような?
『何の為に欲する?』
クリフさんとノエルさんが目を合わせ、頷いた。
「実は、我が国の第一王子の病気を治す為の物を、ずっと探しているんです」
『第二王子もいるだろう? 何を案ずる事がある』
言いながらマグロのしっぽが揺れてるから、魔女は答えを知ってるんだろうと思う。
「第二王子は武力派です。彼が王位を継げば、隣国との戦争は避けられない」
『他国にも名の知れたノエル・オブディアンとジャーメイン家の跡取りがいれば、周辺諸国の制圧も容易いと言われているが、肝心の二人にその気がないとはな?』
ノエルさんの表情が曇る。
「僕は、力を人を傷付ける事に使いたくありません」
「オレの力も、そんな事の為に使いたくない」
『それで聡明と名高い第一王子を担ぎ上げたいと』
「あの方がどのような治世を敷かれるかは分かりません。ですが、僕は第二王子よりも、第一王子に王位を継いでいただきたいんです」
突然マグロが僕を見た。
『少しは話の出来る奴のようだ。おまえ達ならアシュリーを預けるに足るようだ』
「ありがとうございます」
ノエルさんが頭を下げる。
『そうは待たせぬつもりでいるが、少し待て』
はい、とノエルさんとクリフさんが返事をした途端、マグロがごろんと横になった。
……あ、魔女は抜けたみたい。
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