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第二章 マレビト
031-3
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いもを僕が洗う。そのいもの皮をラズロさんが剥く。剥かれたいもは器の中へ。残った皮はフルールのおなかへ。
大量の皮も、フルールにかかるとあっという間に消えていく。気持ち良い食べっぷり。
半分ぐらいのいもを洗い終えたところで、鍋に水をはり、火魔法で湯を沸かし始める。
残りのいもを洗う。あともう一つ魔法を発動するぐらいが僕の魔力の限界。
この前のダンジョンでの話で、僕は自分の魔力だけで魔法を使ってることがわかった。
精霊は見えるけど、確かに僕の周りには近付いて来ないなとは思ってたんだよね……。
じゃあ、テイマーの能力は要らないのか、って言われると、そもそも魔力がそれほどないから魔法使いとしてはあんまりなんだろうし、生活に不便のないほどの魔法が使えて、フルールたちをテイム出来て、実はとっても恵まれているんじゃないかって思ってる。
皮をむいたいもを半分に切って、まとめて水にさらしておく。
沸かしておいた湯に塩を入れて、そこにいもを入れる。勢いよく入れて湯が飛ぶと熱い。やけどするといけないから、そっと。
大きな鍋で料理をするのに、僕だと腕の長さが足りない。そんな僕にラズロさんがこの前、調理道具をくれた。
長い柄のついた木べら。これまでは、鍋に身体を近付けすぎて服を焦がしそうになっていたんだけど、柄が長いから腕を伸ばさなくても鍋の底をかき混ぜられる。
わざわざ注文して作ってくれたんだって!
「木べら、丁度良さそうだな」
「はい、とっても使いやすいです! ありがとうございます!」
「そりゃ、なにより。奥から粉取ってくるわ」
茹で上がったいもは、いもがバラバラにならないように、つなぎの粉を入れてこねる。その後にも粉を使う。
粉は大きな袋に入ってるから、僕だとどうしても一回で沢山の量を持ってくるのは難しい。少しの時は、器を持っていって、氷室で粉を袋から器に移せば済むんだけどね。
ラズロさんがたっぷりの粉を持って来てくれた。
器に移したいもは茹で上がったばかりで、ほかほかと良い匂いがする。いもを木べらで潰す。温かいうちにやらないと、潰しにくくなっちゃうから、大急ぎ。
「変わってやるよ」
笑って僕からいもの入った大きな器を受け取ると、ラズロさんは慣れた手付きでいもをあっという間に潰していく。早い。
「アシュリー、上から粉入れてって」
「はい」
振りかけるようにいもに粉を入れる。いもと粉を手早くラズロさんがかき混ぜていく。
「んー、もう少し。さっきの半分ぐらい入れてくれ」
追加した粉も、ラズロさんがこねるたびにいもに馴染んでいく。
「よっし、こねもこんなもんだろ。丸めんぞー」
「はーい」
僕はこの、ひと口大に丸める作業が好きだ。
進んでやるぐらい、好き。生地をぎゅっと握って、親指と人差し指の間から出るぐらいの量がちょうどひと口大で、ニョッキを二人で作る時は、僕がこの役割をやらせてもらってる。
ひと口大にした生地はそのままラズロさんがきれいに丸めて、フォークの背をおしつけてくぼみを作ってくれる。こうしないと茹でても中まできれいに茹でられないから、大事な工程。でも僕はいつも強く押しすぎてしまって、ぺっちゃんこにしちゃう。
だから、作業を分担。
ニョッキはすぐに茹で上がるから、後はクリームソースだけど、それもすぐに出来てしまうから、ニョッキの仕込みはここまでにして、夜から時間をかけて発酵させておいたパンの生地を氷室から取り出す。これは、第一王子の為だけに作っているパンで、ジャッロたちが分けてくれる蜂ヤニを入れて練り込んであるもの。
僕やラズロさんたちが食べる用のには蜂ヤニの入っていないパン。パンを僕の拳ぐらいの大きさに丸めて焼いたものを二つ、添えて今日のお昼は完成。
「あーー、疲れたーー」
掠れた声をさせて、リンさんが食堂に入って来た。
「いつものミルクコーヒーで良いかー?」
ダンジョンで暮らすようになってから、メルのミルクの量が増えた。パフィが言うには、ダンジョンには魔力が溢れてるから、その魔力を吸収しているんだろうとのこと。
僕としては、ミルクの量が増えるのは、メルの身体に負担がかからないなら大歓迎。今までもある程度の量を搾らせてもらっていたけど、増えたお陰で買わなくて済むようになった。足りない分は買っていたんだよね。
第一王子はミルクが好きみたいで、ミルクの入った茶をよく飲む。侍従のことがあってから、第一王子が飲む飲み物は、食堂で作ったものに限られるようになった。
「うん、その前に水もらえるかな」
水魔法で出した水を器に入れて渡すと、凄い勢いで水を一気飲みする。よっぽど咽喉が渇いてたんだね。
咽喉が潤ったリンさんは、ほっと息を吐いて僕を見た。
「ねぇ、アシュリー、この水さ、食事時に飲めないかな?」
食事時?と聞き返すと、リンさんは頷いた。
「スープがある時はいいんだけどさ、ない時に欲しくなるんだよね」
あぁ、なるほど。
「それはありっちゃありだが、すぐには無理だな。器が足りん」
「是非、ご一考をー」
ミルクコーヒーの入った器が、リンさんの前に置かれる。
「ありがとー!」
大量の皮も、フルールにかかるとあっという間に消えていく。気持ち良い食べっぷり。
半分ぐらいのいもを洗い終えたところで、鍋に水をはり、火魔法で湯を沸かし始める。
残りのいもを洗う。あともう一つ魔法を発動するぐらいが僕の魔力の限界。
この前のダンジョンでの話で、僕は自分の魔力だけで魔法を使ってることがわかった。
精霊は見えるけど、確かに僕の周りには近付いて来ないなとは思ってたんだよね……。
じゃあ、テイマーの能力は要らないのか、って言われると、そもそも魔力がそれほどないから魔法使いとしてはあんまりなんだろうし、生活に不便のないほどの魔法が使えて、フルールたちをテイム出来て、実はとっても恵まれているんじゃないかって思ってる。
皮をむいたいもを半分に切って、まとめて水にさらしておく。
沸かしておいた湯に塩を入れて、そこにいもを入れる。勢いよく入れて湯が飛ぶと熱い。やけどするといけないから、そっと。
大きな鍋で料理をするのに、僕だと腕の長さが足りない。そんな僕にラズロさんがこの前、調理道具をくれた。
長い柄のついた木べら。これまでは、鍋に身体を近付けすぎて服を焦がしそうになっていたんだけど、柄が長いから腕を伸ばさなくても鍋の底をかき混ぜられる。
わざわざ注文して作ってくれたんだって!
「木べら、丁度良さそうだな」
「はい、とっても使いやすいです! ありがとうございます!」
「そりゃ、なにより。奥から粉取ってくるわ」
茹で上がったいもは、いもがバラバラにならないように、つなぎの粉を入れてこねる。その後にも粉を使う。
粉は大きな袋に入ってるから、僕だとどうしても一回で沢山の量を持ってくるのは難しい。少しの時は、器を持っていって、氷室で粉を袋から器に移せば済むんだけどね。
ラズロさんがたっぷりの粉を持って来てくれた。
器に移したいもは茹で上がったばかりで、ほかほかと良い匂いがする。いもを木べらで潰す。温かいうちにやらないと、潰しにくくなっちゃうから、大急ぎ。
「変わってやるよ」
笑って僕からいもの入った大きな器を受け取ると、ラズロさんは慣れた手付きでいもをあっという間に潰していく。早い。
「アシュリー、上から粉入れてって」
「はい」
振りかけるようにいもに粉を入れる。いもと粉を手早くラズロさんがかき混ぜていく。
「んー、もう少し。さっきの半分ぐらい入れてくれ」
追加した粉も、ラズロさんがこねるたびにいもに馴染んでいく。
「よっし、こねもこんなもんだろ。丸めんぞー」
「はーい」
僕はこの、ひと口大に丸める作業が好きだ。
進んでやるぐらい、好き。生地をぎゅっと握って、親指と人差し指の間から出るぐらいの量がちょうどひと口大で、ニョッキを二人で作る時は、僕がこの役割をやらせてもらってる。
ひと口大にした生地はそのままラズロさんがきれいに丸めて、フォークの背をおしつけてくぼみを作ってくれる。こうしないと茹でても中まできれいに茹でられないから、大事な工程。でも僕はいつも強く押しすぎてしまって、ぺっちゃんこにしちゃう。
だから、作業を分担。
ニョッキはすぐに茹で上がるから、後はクリームソースだけど、それもすぐに出来てしまうから、ニョッキの仕込みはここまでにして、夜から時間をかけて発酵させておいたパンの生地を氷室から取り出す。これは、第一王子の為だけに作っているパンで、ジャッロたちが分けてくれる蜂ヤニを入れて練り込んであるもの。
僕やラズロさんたちが食べる用のには蜂ヤニの入っていないパン。パンを僕の拳ぐらいの大きさに丸めて焼いたものを二つ、添えて今日のお昼は完成。
「あーー、疲れたーー」
掠れた声をさせて、リンさんが食堂に入って来た。
「いつものミルクコーヒーで良いかー?」
ダンジョンで暮らすようになってから、メルのミルクの量が増えた。パフィが言うには、ダンジョンには魔力が溢れてるから、その魔力を吸収しているんだろうとのこと。
僕としては、ミルクの量が増えるのは、メルの身体に負担がかからないなら大歓迎。今までもある程度の量を搾らせてもらっていたけど、増えたお陰で買わなくて済むようになった。足りない分は買っていたんだよね。
第一王子はミルクが好きみたいで、ミルクの入った茶をよく飲む。侍従のことがあってから、第一王子が飲む飲み物は、食堂で作ったものに限られるようになった。
「うん、その前に水もらえるかな」
水魔法で出した水を器に入れて渡すと、凄い勢いで水を一気飲みする。よっぽど咽喉が渇いてたんだね。
咽喉が潤ったリンさんは、ほっと息を吐いて僕を見た。
「ねぇ、アシュリー、この水さ、食事時に飲めないかな?」
食事時?と聞き返すと、リンさんは頷いた。
「スープがある時はいいんだけどさ、ない時に欲しくなるんだよね」
あぁ、なるほど。
「それはありっちゃありだが、すぐには無理だな。器が足りん」
「是非、ご一考をー」
ミルクコーヒーの入った器が、リンさんの前に置かれる。
「ありがとー!」
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