137 / 271
第二章 マレビト
034-3
しおりを挟む
夕方になってようやく帰って来たパフィを捕まえて、逃げられないように抱っこする。
『随分熱烈な歓迎をするではないか』
「パフィに逃げられないようにする為です」
ふふん、と鼻で笑うパフィ。
もう、人の気も知らないで。
「何をするつもりなの?」
『朝に言ったろう。奴らの本当の姿を見せた方が面白いと』
「暴露するとは言ってたけど、面白いまでは言ってなかったよ……」
更に良くない方向に進みそうだから、本当に止めて欲しい……。
『細かいことばかり気にするから、おまえは歳の割に老け込むのが早いのだ。もっと楽しめ』
老け込ませている張本人からの、容赦ない言葉にどっと疲れを感じます……。
「ねぇ、パフィ。何をやろうとしてるのか僕には全然分からないけど、嘘じゃなくて、僕はパフィが悪者のように扱われるのは嫌なんだよ。本当はそうじゃないから良いとかそういう話じゃなくて」
生意気を言ってるのは分かるんだけど、はっきりと言葉を選ばすに言うなら、第一王子の後見をしている人たちが、第二王子派の人たちと面と向かってどうにかするのが良いんだと思う。そんな簡単じゃないって言うのも分かってるんだけど。
僕の事はおいといて、パフィは一番関係ないのに。解決する為に行動して、パフィが悪く言われるのはおかしい。
クリフさんはあぁ言ってたけど、ノエルさんは納得出来ないって顔をしてて、ラズロさんも不愉快そうな表情だった。勿論、クリフさんも喜んでそれを言ってる訳じゃないのは分かるんだけど……。
『おまえを怒らせる事はしないから安心しろ』
「本当?」
マグロの目を通してパフィを見つめ……てるつもり。
何故だかパフィはご機嫌で、二又のしっぽが楽しそうに揺れている。
『おまえは怒るとしつこいからな。下手な事をして怒らせて、好物を食べ損ねさせるあの嫌がらせ……地味に意地が悪いと思うぞ』
嫌がらせなんだから、そう思って下さい。
『ダメ王子派を単純に潰すだけでは、火種が残るだろうと思ってなぁ』
火種が残る?
一回では終わらないってこと?
下ろせ、と言われたのでベッドにマグロを下ろして隣に座る。
『この国はな、難しい状況にある』
クリフさんもそんな事を言っていたような?
『貴族や平民と言った身分制度を残しつつも、能力のあるものを、努力や才能に応じて引き上げていき、国力を高めようとしているのだ』
血筋も必要なんだろうな、って事はなんとなく分かったけど、それだけではきっと駄目なんだろうと思う。
ナインさんの生まれた国の話を聞いててそう思ったし、ノエルさんはあんなに凄い人なのに、平民だからと言うだけで凄さを否定されるのはおかしい事だって分かる。
『それが上手く行くかどうかの瀬戸際にこの国は立たされているのだ。なにしろ北の大国は貴族第一、魔法一辺倒の国。南は形ばかりの共和国となり、せっかく手に入れた権利を手放すのを惜しみ、民の不満を何処かに逃したいと上層部が考えているような国。そんな中でこの国が逆行すれば間違いなく、北と南の双方から介入される』
ラズロさんじゃないけど、頭をわしわし掻きたくなってきた……。
『第一王子派は貴族も平民も混じっている。そしてどちらも才能のある者を取り揃えている。
第二王子派を押さえ込めたなら、次の王は血筋ではなく、才能を見てくれるのだと思わせられる。
その為の小細工を用意するのを手伝ってやろう。直接暴れてやろうとも思ったがな、いつもいつも魔女が正面から暴れるだけと思われるのも面白くないからな』
なるほど。
貴族と平民が身分に関係なく協力しているって思わせて、どっちの国からも介入されないようにするんだね。
「大人って、大変だね」
『それでそこに結論を持っていくのか、おまえは……』
『随分熱烈な歓迎をするではないか』
「パフィに逃げられないようにする為です」
ふふん、と鼻で笑うパフィ。
もう、人の気も知らないで。
「何をするつもりなの?」
『朝に言ったろう。奴らの本当の姿を見せた方が面白いと』
「暴露するとは言ってたけど、面白いまでは言ってなかったよ……」
更に良くない方向に進みそうだから、本当に止めて欲しい……。
『細かいことばかり気にするから、おまえは歳の割に老け込むのが早いのだ。もっと楽しめ』
老け込ませている張本人からの、容赦ない言葉にどっと疲れを感じます……。
「ねぇ、パフィ。何をやろうとしてるのか僕には全然分からないけど、嘘じゃなくて、僕はパフィが悪者のように扱われるのは嫌なんだよ。本当はそうじゃないから良いとかそういう話じゃなくて」
生意気を言ってるのは分かるんだけど、はっきりと言葉を選ばすに言うなら、第一王子の後見をしている人たちが、第二王子派の人たちと面と向かってどうにかするのが良いんだと思う。そんな簡単じゃないって言うのも分かってるんだけど。
僕の事はおいといて、パフィは一番関係ないのに。解決する為に行動して、パフィが悪く言われるのはおかしい。
クリフさんはあぁ言ってたけど、ノエルさんは納得出来ないって顔をしてて、ラズロさんも不愉快そうな表情だった。勿論、クリフさんも喜んでそれを言ってる訳じゃないのは分かるんだけど……。
『おまえを怒らせる事はしないから安心しろ』
「本当?」
マグロの目を通してパフィを見つめ……てるつもり。
何故だかパフィはご機嫌で、二又のしっぽが楽しそうに揺れている。
『おまえは怒るとしつこいからな。下手な事をして怒らせて、好物を食べ損ねさせるあの嫌がらせ……地味に意地が悪いと思うぞ』
嫌がらせなんだから、そう思って下さい。
『ダメ王子派を単純に潰すだけでは、火種が残るだろうと思ってなぁ』
火種が残る?
一回では終わらないってこと?
下ろせ、と言われたのでベッドにマグロを下ろして隣に座る。
『この国はな、難しい状況にある』
クリフさんもそんな事を言っていたような?
『貴族や平民と言った身分制度を残しつつも、能力のあるものを、努力や才能に応じて引き上げていき、国力を高めようとしているのだ』
血筋も必要なんだろうな、って事はなんとなく分かったけど、それだけではきっと駄目なんだろうと思う。
ナインさんの生まれた国の話を聞いててそう思ったし、ノエルさんはあんなに凄い人なのに、平民だからと言うだけで凄さを否定されるのはおかしい事だって分かる。
『それが上手く行くかどうかの瀬戸際にこの国は立たされているのだ。なにしろ北の大国は貴族第一、魔法一辺倒の国。南は形ばかりの共和国となり、せっかく手に入れた権利を手放すのを惜しみ、民の不満を何処かに逃したいと上層部が考えているような国。そんな中でこの国が逆行すれば間違いなく、北と南の双方から介入される』
ラズロさんじゃないけど、頭をわしわし掻きたくなってきた……。
『第一王子派は貴族も平民も混じっている。そしてどちらも才能のある者を取り揃えている。
第二王子派を押さえ込めたなら、次の王は血筋ではなく、才能を見てくれるのだと思わせられる。
その為の小細工を用意するのを手伝ってやろう。直接暴れてやろうとも思ったがな、いつもいつも魔女が正面から暴れるだけと思われるのも面白くないからな』
なるほど。
貴族と平民が身分に関係なく協力しているって思わせて、どっちの国からも介入されないようにするんだね。
「大人って、大変だね」
『それでそこに結論を持っていくのか、おまえは……』
18
あなたにおすすめの小説
美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
【完結】魔術師なのはヒミツで薬師になりました
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
ティモシーは、魔術師の少年だった。人には知られてはいけないヒミツを隠し、薬師(くすし)の国と名高いエクランド国で薬師になる試験を受けるも、それは年に一度の王宮専属薬師になる試験だった。本当は普通の試験でよかったのだが、見事に合格を果たす。見た目が美少女のティモシーは、トラブルに合うもまだ平穏な方だった。魔術師の組織の影がちらつき、彼は次第に大きな運命に飲み込まれていく……。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
勇者パーティのサポートをする代わりに姉の様なアラサーの粗雑な女闘士を貰いました。
石のやっさん
ファンタジー
年上の女性が好きな俺には勇者パーティの中に好みのタイプの女性は居ません
俺の名前はリヒト、ジムナ村に生まれ、15歳になった時にスキルを貰う儀式で上級剣士のジョブを貰った。
本来なら素晴らしいジョブなのだが、今年はジョブが豊作だったらしく、幼馴染はもっと凄いジョブばかりだった。
幼馴染のカイトは勇者、マリアは聖女、リタは剣聖、そしてリアは賢者だった。
そんな訳で充分に上位職の上級剣士だが、四職が出た事で影が薄れた。
彼等は色々と問題があるので、俺にサポーターとしてついて行って欲しいと頼まれたのだが…ハーレムパーティに俺は要らないし面倒くさいから断ったのだが…しつこく頼むので、条件を飲んでくれればと条件をつけた。
それは『27歳の女闘志レイラを借金の権利ごと無償で貰う事』
今度もまた年上ヒロインです。
セルフレイティングは、話しの中でそう言った描写を書いたら追加します。
カクヨムにも投稿中です
天才魔導医の弟子~転生ナースの戦場カルテ~
けろ
ファンタジー
【完結済み】
仕事に生きたベテランナース、異世界で10歳の少女に!?
過労で倒れた先に待っていたのは、魔法と剣、そして規格外の医療が交差する世界だった――。
救急救命の現場で十数年。ベテラン看護師の天木弓束(あまき ゆづか)は、人手不足と激務に心身をすり減らす毎日を送っていた。仕事に全てを捧げるあまり、プライベートは二の次。周囲からの期待もプレッシャーに感じながら、それでも人の命を救うことだけを使命としていた。
しかし、ある日、謎の少女を救えなかったショックで意識を失い、目覚めた場所は……中世ヨーロッパのような異世界の路地裏!? しかも、姿は10歳の少女に若返っていた。
記憶も曖昧なまま、絶望の淵に立たされた弓束。しかし、彼女が唯一失っていなかったもの――それは、現代日本で培った高度な医療知識と技術だった。
偶然出会った獣人冒険者の重度の骨折を、その知識で的確に応急処置したことで、弓束の運命は大きく動き出す。
彼女の異質な才能を見抜いたのは、誰もがその実力を認めながらも距離を置く、孤高の天才魔導医ギルベルトだった。
「お前、弟子になれ。俺の研究の、良い材料になりそうだ」
強引な天才に拾われた弓束は、魔法が存在するこの世界の「医療」が、自分の知るものとは全く違うことに驚愕する。
「菌?感染症?何の話だ?」
滅菌の概念すらない遅れた世界で、弓束の現代知識はまさにチート級!
しかし、そんな彼女の常識をさらに覆すのが、師ギルベルトの存在だった。彼が操る、生命の根幹『魔力回路』に干渉する神業のような治療魔法。その理論は、弓束が知る医学の歴史を遥かに超越していた。
規格外の弟子と、人外の師匠。
二人の出会いは、やがて異世界の医療を根底から覆し、多くの命を救う奇跡の始まりとなる。
これは、神のいない手術室で命と向き合い続けた一人の看護師が、新たな世界で自らの知識と魔法を武器に、再び「救う」ことの意味を見つけていく物語。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる