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第四章 魔女の国
064-2
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長い長い呪文が終わったのと、パフィの声がしたのは、同じぐらいだったと思う。
「まさか、我が同胞がこれほど愚かとは思わなかったぞ」
目を開けると、起き上がったパフィがいて、僕は我慢できなくて抱きついた。パフィは僕を引き剥がしたりしないで、背中を撫でてくれた。
「理を捻じ曲げたのだ。いくら魔女といえどその代償は大きかったはずだ」
咎めるようなパフィの言葉に、三人の魔女は楽しそうに微笑んだ。
「魔女に理を説くなど、無粋よな」
「そうそう」
「気にすることではない」
「……まったく……」
パフィは呆れた顔をしているけど、嫌そうじゃなかった。
いつの間に入ってきたのか、白銀の狼がいた。キルヒシュタフ様の棺の隣で丸まっていた。
「キルヒシュタフの使い魔ね」
使い魔は、主が死ねば死んでしまうという。
狼は主の元まできて、眠ったんだろうな。
パフィは立ち上がると、狼に近づいた。
「寂しがりだからな、キルヒシュタフは」
そっと狼の身体を撫でる。
「……母を、頼むぞ」
泣き出した僕を見て、パフィが呆れた顔をする。
「おまえが泣くことではないだろう」
「だって」
黒猫が走ってきてパフィの足に身体を擦り付けて甘える。
「さて、動けなくなる前に帰るとするか」
「そうね」
ダリア様は七色の尾羽を持つ鳥に乗った。アマーリアーナ様は白と黒の大蛇の頭の上に。ヴィヴィアンナ様は角の生えた純白の馬の上にまたがった。
パフィは三人の魔女に頭を下げた。
「我が同胞、我が姉たちよ。助けてくれたことに心からの感謝と敬愛を」
ダリア様がにやりと笑う。
「気にするな。長く生きればかようなこともあろう」
それから僕を見る。
「アマーリアーナから聞いたが、アシュリーの作る料理はなかなかに美味いらしいな。遠くないうちに食べにくる」
「来るな」
すかさずパフィが止める。
「今度の魔女の会合、ここでやりましょうか」
「来るな」
「楽しみだ」
「帰れ」
さすがのパフィも、この三人には敵わないのかな。からかわれてる。
おかしくて笑っていたら軽くおでこを叩かれた。
「人の王に告げよ」
ノエルさんに向けてダリア様が言う。
「我らが同胞を助けてくれた恩、必ず返す。魔女は約束は違えぬとな」
ダリア様の乗る鳥が羽を広げ、羽ばたかせた。
飛んだと思ったら、もういなかった。
「私たちも帰るわ」
「また来る」
大蛇のしっぽがガラガラと音をさせて揺れて、パッと二人の魔女は消えた。
「まったく……余計なことばかりしおって……」
ため息を吐いて、パフィは僕を見た。
「腹が減った」
いつもと同じパフィに、泣きそうになる。
「いっぱい作るね」
「肉は多めでな」
「分かってるよ」
「まさか、我が同胞がこれほど愚かとは思わなかったぞ」
目を開けると、起き上がったパフィがいて、僕は我慢できなくて抱きついた。パフィは僕を引き剥がしたりしないで、背中を撫でてくれた。
「理を捻じ曲げたのだ。いくら魔女といえどその代償は大きかったはずだ」
咎めるようなパフィの言葉に、三人の魔女は楽しそうに微笑んだ。
「魔女に理を説くなど、無粋よな」
「そうそう」
「気にすることではない」
「……まったく……」
パフィは呆れた顔をしているけど、嫌そうじゃなかった。
いつの間に入ってきたのか、白銀の狼がいた。キルヒシュタフ様の棺の隣で丸まっていた。
「キルヒシュタフの使い魔ね」
使い魔は、主が死ねば死んでしまうという。
狼は主の元まできて、眠ったんだろうな。
パフィは立ち上がると、狼に近づいた。
「寂しがりだからな、キルヒシュタフは」
そっと狼の身体を撫でる。
「……母を、頼むぞ」
泣き出した僕を見て、パフィが呆れた顔をする。
「おまえが泣くことではないだろう」
「だって」
黒猫が走ってきてパフィの足に身体を擦り付けて甘える。
「さて、動けなくなる前に帰るとするか」
「そうね」
ダリア様は七色の尾羽を持つ鳥に乗った。アマーリアーナ様は白と黒の大蛇の頭の上に。ヴィヴィアンナ様は角の生えた純白の馬の上にまたがった。
パフィは三人の魔女に頭を下げた。
「我が同胞、我が姉たちよ。助けてくれたことに心からの感謝と敬愛を」
ダリア様がにやりと笑う。
「気にするな。長く生きればかようなこともあろう」
それから僕を見る。
「アマーリアーナから聞いたが、アシュリーの作る料理はなかなかに美味いらしいな。遠くないうちに食べにくる」
「来るな」
すかさずパフィが止める。
「今度の魔女の会合、ここでやりましょうか」
「来るな」
「楽しみだ」
「帰れ」
さすがのパフィも、この三人には敵わないのかな。からかわれてる。
おかしくて笑っていたら軽くおでこを叩かれた。
「人の王に告げよ」
ノエルさんに向けてダリア様が言う。
「我らが同胞を助けてくれた恩、必ず返す。魔女は約束は違えぬとな」
ダリア様の乗る鳥が羽を広げ、羽ばたかせた。
飛んだと思ったら、もういなかった。
「私たちも帰るわ」
「また来る」
大蛇のしっぽがガラガラと音をさせて揺れて、パッと二人の魔女は消えた。
「まったく……余計なことばかりしおって……」
ため息を吐いて、パフィは僕を見た。
「腹が減った」
いつもと同じパフィに、泣きそうになる。
「いっぱい作るね」
「肉は多めでな」
「分かってるよ」
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