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第二章
第五十六話 報酬選択
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○財宝王の四宝具:命運握る首飾り
等級:遺物級。
とあるダンジョンで産出されたネックレス型マジックアイテム。
〈財宝王〉となる者が手にすることになる4つのマジックアイテムの1つ。
4つ全てを集めると何かが起こる。
・【財運招福】……着用者の財運を高める。また、幸運値が15増大される。
・【財宝の生気】……所持する財宝の価値に従って、体力値が最大で100増大する。
○魔法の偽器
等級:遺物級。
とあるダンジョンで産出された指環型マジックアイテム。
・【魔法行使:無】……着用者に無属性魔法の行使権限を与える。
ガーベラギルドによるアビス攻略に協力する報酬であるマジックアイテムを選び終えた。
叙事級ではなく1つ下のランクの遺物級を選んだのは、単純にこれらのアイテムの方が欲しかったからなので満足している。
報酬1つ目の〈命運握る首飾り〉は、俺が所持している〈財宝王の四宝具:財を漁る魔宝環〉と同じく、ユニーククラス〈財宝王〉を取得するために必要な〈財宝王の四宝具シリーズ〉のマジックアイテムだ。
まさかここで残り3つの同シリーズアイテムの1つを見かけるとは思わなかったため、即決だった。
有している能力に派手さは無いが、見えない部分で役立ってくれるのは間違いない。
2つ目の〈魔法の偽器〉は、魔法使い系クラスでなくとも、装備するだけで魔法使い系クラスの特殊技能である〈無属性魔法〉を行使できるようになるアイテムだ。
分類としては、俺が持つ〈闇の大精霊の指環〉に近い。
テネブレの方は闇属性魔法などが使えるようになる【闇影招来】の能力だけでなく、【闇の大精霊の加護】という能力も有している。
この〈魔法の偽器〉には能力が1つしかないが、便利な魔法が多い無属性魔法が使えるようになるとあって2つ目はコレに決めた。
報酬に選んだのが叙事級ではなく 遺物級だったため、報酬に選べるアイテムの数は1個から3個にまで増えた。
約束通り1個の選択権はリリアに譲ったが、その代わりアビス攻略で倒したモンスターの死体を1体分貰えるため損はしていない。
「防具のサイズは大丈夫?」
「ええ、ちょうどいいですよ」
報酬で貰った2つのアイテムだけでなく、アビス攻略時に借りる防具の着け心地を確認する。
性能だけでなく機能性や着合わせまで気にして選んだので、借りる防具は遺物級と宝物級とアイテムランクはバラバラだ。
防具のサイズに関してだが、マジックアイテムには自動サイズ調整機能がある。
ランクが上がるにつれて基本サイズからの調整レベルは高くなり、遺物級ならば大体プラマイ10センチってところなので、選択した防具は俺の身体に合わせて問題なく調整されていた。
「ねぇ、クロヤ君。せっかくだから、防具の着け心地をもっと正確に確かめてみない?」
「と言いますと?」
「ウチのギルドの者と模擬戦をやってみない?」
「模擬戦ですか。別に構いませんが、相手は誰です? さっきの彼ですか?」
脳裏に先ほど絡んできた長谷部タイシの顔が浮かんで……こないな。
興味がないからか、もうボンヤリとしか思い出せない。
暑苦しい男の至近距離の顔なんて、いつまでも詳細に覚えていたくないと無意識に思ったからかもしれないな。
「彼じゃクロヤ君の相手にならないでしょ。同じ上級覚醒者だけど、クロヤ君は2人だけでダンジョンを攻略できるほどの強さなんだから」
そう言うと、レイカ先輩は俺達についてくるように促してきた。
借りた防具を身に付けたまま大人しく後をついていく。
廊下に出ると何処かへ移動しながら、レイカ先輩が話の続きをした。
「防具の着け心地の確認はオマケでね。模擬戦をする主な目的は、他の攻略隊のメンバーにクロヤ君の実力を見せておく必要があるからよ。いざという時に、護衛が必要かどうかが分かった方が、お互い安心できるしょう?」
「そうですね……あとは、俺の力が気になっている人が多いからですか?」
「ええ。情報収集手段の必要性は理解していても、部外者であるクロヤ君がアビス攻略に参加するのを面白くないと思ってる人達がいるのよ。他の人達は、さっきの長谷部みたいに直接難癖を付けてきたりはしないだろうけど、不平不満はできるだけアビスに行く前に解消しておくに限るわ」
さっきの男が俺に絡んできた理由は違う気がするが……まぁ別にいいか。
確かに、アビスの攻略を円滑に進めるためには必要なことだな。
俺も不快な視線を向けられるのが減るならば、協力するのも吝かではない。
「なるほど。でも、本番前に防具が破損したらどうするんです?」
「武器は刃を潰した物を使ってもらうから大丈夫よ。それでも壊れそうになったら、その前に私が勝負を止めるわ。そこまでしても壊れたら……ギルドと契約している職人には不眠不休で修復してもらうしかないわね」
顔を逸らしながらのレイカ先輩の発言を聞き、その職人とやらに心の中で合掌した。
まぁ、防具を壊さないように戦えばいいんだけなんだが。
「それで、結局相手は誰なんです?」
「ウチのギルドのNo.3よ」
レイカ先輩は俺の疑問にそう答えながら、トレーニングルームと書かれている場所の扉を開け放った。
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