2 / 3
沈黙の誓いと、歪な契約
しおりを挟む
父様を亡くしてから、リンガー子爵邸の空気は、どこか時が止まったように静まり返っていた。
葡萄畑は変わらず美しい実をつけるけれど、それを見るお父様の穏やかな眼差しはもうどこにもない。母のアマンダは、悲しみを押し隠すように、幼い弟クロフォードの教育と領地の差配に没頭していた。
そんな私たちを支えてくれたのは、やはり隣領のローデン伯爵家だった。
当主のオリビエ伯爵は、自らも愛妻パメラ様を失った失意の中にありながら、頻繁に我が家を訪れては、実務的な助言や人手の工面を申し出てくれた。
「アマンダ殿、一人で抱え込むことはない。ヘンリーが生きていれば、私にそう言ったはずだ」
オリビエ伯爵の言葉に、お母様が少しずつ笑顔を取り戻していくのを見て、私は安堵していた。けれど、その傍らに立つシモンの視線が、以前とは明らかに変わっていることに、当時の私はまだ無頓着だった。
私たちが十三歳になった、ある春の日。
邸の応接間に、両家の面々が集められた。
「メルローズ、シモン。よく聞いてほしい。……私たちは、再婚することにした」
オリビエ様が静かに告げたその言葉は、部屋の空気を一変させた。
母様は少し頬を染め、俯いている。反対する理由など、どこにもなかった。隣接する領地、共通の事業、そして何より幼い子供たちの未来。周囲の貴族たちも、この縁談を最良の選択として祝福するだろう。
けれど、その言葉を聞いた瞬間。
私の隣にいたシモンの体から、氷のような冷気が放たれたのを私は感じた。
「……再婚? 本気で言っているのか、父上」
シモンの声は低く、ひどく抑揚が欠けていた。
「シモン、お前の戸惑いはわかる。だが、これは両家を、そしてお前たちを守るための最善策なんだ」
「守る? 冗談じゃない。再婚すれば、メルローズは俺の『妹』になるということだろう。冗談じゃない、そんなこと、俺が許すと思っているのか!」
シモンが椅子を蹴るようにして立ち上がった。その瞳には、父への怒りというよりも、何かを奪われることへの剥き出しの恐怖が宿っていた。
「シモン、落ち着いて……!」
私が彼の袖を掴もうと手を伸ばしたが、シモンはその手を激しく振り払った。そして、私を一瞥もせず、そのまま部屋を飛び出していった。
その日の夜。私は不安に押しつぶされそうになりながら、庭園の端にある、二人だけの秘密の場所へと向かった。そこには、案の定、月明かりの下で葡萄の棚を見上げるシモンの背中があった。
「シモン……」
「……メルローズか。…… お前は、平気なのか。俺たちが『兄妹』になることが」
振り返った彼の顔は、影になってよく見えない。
「私は……オリビエ伯爵なら安心だし、お母様も幸せそうだから……それに、シモンと一緒にいられるのなら、それは……」
「俺は、嫌だ!」
シモンが私の言葉を遮り、一歩、また一歩と距離を詰めてくる。
「兄妹になれば、お前を愛することは許されなくなる。お前を誰かに譲らなきゃならなくなる。……そんな地獄、俺は耐えられない」
彼の言葉の端々に、十三歳とは思えないほどの、昏い情熱が混じっていた。
「シモン……?」
「心配するな。俺が、なんとかする。……お前を、絶対に誰にも渡さない」
翌日、シモンは自らオリビエ伯爵の執務室を訪ねたという。
そこで交わされたのは、親子というよりも、二人の男としての過酷な密約だった。
後に知ることになるその内容は、あまりにもシモンらしい、独占欲に満ちたものだった。
『再婚は認める。だが、条件がある。……メルローズを、絶対にローデン伯爵家の籍に入れないこと。彼女を、俺の義理の妹にしないことだ』
オリビエ様は当然、困惑したという。再婚すれば通常、連れ子は再婚先の養子となる。そうでなければ、後継ぎ問題や社交界での立場が危うくなるからだ。
だが、シモンは一歩も引かなかった。
『彼女は、母方の実家であるアマンド伯爵家に籍を置く形にしてくれ。成人するまではリンガー子爵邸とローデン伯爵邸を行き来すればいい。……その代わり、将来、俺が彼女を娶ることを、今ここで約束してくれ。俺がローデンを継いだ時、メルローズを伯爵夫人として迎え入れる。それができないなら、俺はこの家を出る』
弱冠十三歳にして、彼は自らの将来と領地の安定を秤にかけ、父親を脅迫に近い形で承諾させたのだ。
アマンド伯爵家の当主、つまり私の伯父であるケビン伯爵も、もともと「リンガー家の後継ぎであるクロフォードが成人するまで、メルローズの身元を預かるのは悪くない」と考えていたため、このいびつな契約は成立してしまった。
数ヶ月後、再婚の手続きが完了した。私とシモンは、形式上は「親同士が再婚した、血の繋がらない同居人」となった。
表面上は、一つ屋根の下で暮らす仲の良い幼馴染。けれど、その実態は、シモンという名の狩人が、私という獲物を囲いの中に閉じ込めるための準備期間に過ぎなかった。
「今日から、同じ屋根の下だな。メルローズ」
引っ越しを終えた夜、邸の長い廊下で、シモンは私を待ち伏せていた。彼は私の手を取り、指先にそっと唇を寄せた。
「……シモン。あの、ちょっと近すぎるわ」
「いいだろう? 家族じゃないんだ。……俺たちは、他人だ」
そう言って微笑んだ彼の瞳は、かつてのキラキラとした少年のものではなかった。飢えた獣のような、それでいて冷徹な熱を帯びた、得体の知れない輝き。
十四歳の春。私たちの同居生活は、どこか狂った歯車が回り始めたような、奇妙な高揚感と恐怖と共に幕を開けた。
______________
エール📣いいね❤️お気に入り⭐️応援よろしくお願いします🙇♀️
📢新作告知📚六作品をまとめて一挙投稿しました!作者の作品欄より、ぜひご覧ください💖
葡萄畑は変わらず美しい実をつけるけれど、それを見るお父様の穏やかな眼差しはもうどこにもない。母のアマンダは、悲しみを押し隠すように、幼い弟クロフォードの教育と領地の差配に没頭していた。
そんな私たちを支えてくれたのは、やはり隣領のローデン伯爵家だった。
当主のオリビエ伯爵は、自らも愛妻パメラ様を失った失意の中にありながら、頻繁に我が家を訪れては、実務的な助言や人手の工面を申し出てくれた。
「アマンダ殿、一人で抱え込むことはない。ヘンリーが生きていれば、私にそう言ったはずだ」
オリビエ伯爵の言葉に、お母様が少しずつ笑顔を取り戻していくのを見て、私は安堵していた。けれど、その傍らに立つシモンの視線が、以前とは明らかに変わっていることに、当時の私はまだ無頓着だった。
私たちが十三歳になった、ある春の日。
邸の応接間に、両家の面々が集められた。
「メルローズ、シモン。よく聞いてほしい。……私たちは、再婚することにした」
オリビエ様が静かに告げたその言葉は、部屋の空気を一変させた。
母様は少し頬を染め、俯いている。反対する理由など、どこにもなかった。隣接する領地、共通の事業、そして何より幼い子供たちの未来。周囲の貴族たちも、この縁談を最良の選択として祝福するだろう。
けれど、その言葉を聞いた瞬間。
私の隣にいたシモンの体から、氷のような冷気が放たれたのを私は感じた。
「……再婚? 本気で言っているのか、父上」
シモンの声は低く、ひどく抑揚が欠けていた。
「シモン、お前の戸惑いはわかる。だが、これは両家を、そしてお前たちを守るための最善策なんだ」
「守る? 冗談じゃない。再婚すれば、メルローズは俺の『妹』になるということだろう。冗談じゃない、そんなこと、俺が許すと思っているのか!」
シモンが椅子を蹴るようにして立ち上がった。その瞳には、父への怒りというよりも、何かを奪われることへの剥き出しの恐怖が宿っていた。
「シモン、落ち着いて……!」
私が彼の袖を掴もうと手を伸ばしたが、シモンはその手を激しく振り払った。そして、私を一瞥もせず、そのまま部屋を飛び出していった。
その日の夜。私は不安に押しつぶされそうになりながら、庭園の端にある、二人だけの秘密の場所へと向かった。そこには、案の定、月明かりの下で葡萄の棚を見上げるシモンの背中があった。
「シモン……」
「……メルローズか。…… お前は、平気なのか。俺たちが『兄妹』になることが」
振り返った彼の顔は、影になってよく見えない。
「私は……オリビエ伯爵なら安心だし、お母様も幸せそうだから……それに、シモンと一緒にいられるのなら、それは……」
「俺は、嫌だ!」
シモンが私の言葉を遮り、一歩、また一歩と距離を詰めてくる。
「兄妹になれば、お前を愛することは許されなくなる。お前を誰かに譲らなきゃならなくなる。……そんな地獄、俺は耐えられない」
彼の言葉の端々に、十三歳とは思えないほどの、昏い情熱が混じっていた。
「シモン……?」
「心配するな。俺が、なんとかする。……お前を、絶対に誰にも渡さない」
翌日、シモンは自らオリビエ伯爵の執務室を訪ねたという。
そこで交わされたのは、親子というよりも、二人の男としての過酷な密約だった。
後に知ることになるその内容は、あまりにもシモンらしい、独占欲に満ちたものだった。
『再婚は認める。だが、条件がある。……メルローズを、絶対にローデン伯爵家の籍に入れないこと。彼女を、俺の義理の妹にしないことだ』
オリビエ様は当然、困惑したという。再婚すれば通常、連れ子は再婚先の養子となる。そうでなければ、後継ぎ問題や社交界での立場が危うくなるからだ。
だが、シモンは一歩も引かなかった。
『彼女は、母方の実家であるアマンド伯爵家に籍を置く形にしてくれ。成人するまではリンガー子爵邸とローデン伯爵邸を行き来すればいい。……その代わり、将来、俺が彼女を娶ることを、今ここで約束してくれ。俺がローデンを継いだ時、メルローズを伯爵夫人として迎え入れる。それができないなら、俺はこの家を出る』
弱冠十三歳にして、彼は自らの将来と領地の安定を秤にかけ、父親を脅迫に近い形で承諾させたのだ。
アマンド伯爵家の当主、つまり私の伯父であるケビン伯爵も、もともと「リンガー家の後継ぎであるクロフォードが成人するまで、メルローズの身元を預かるのは悪くない」と考えていたため、このいびつな契約は成立してしまった。
数ヶ月後、再婚の手続きが完了した。私とシモンは、形式上は「親同士が再婚した、血の繋がらない同居人」となった。
表面上は、一つ屋根の下で暮らす仲の良い幼馴染。けれど、その実態は、シモンという名の狩人が、私という獲物を囲いの中に閉じ込めるための準備期間に過ぎなかった。
「今日から、同じ屋根の下だな。メルローズ」
引っ越しを終えた夜、邸の長い廊下で、シモンは私を待ち伏せていた。彼は私の手を取り、指先にそっと唇を寄せた。
「……シモン。あの、ちょっと近すぎるわ」
「いいだろう? 家族じゃないんだ。……俺たちは、他人だ」
そう言って微笑んだ彼の瞳は、かつてのキラキラとした少年のものではなかった。飢えた獣のような、それでいて冷徹な熱を帯びた、得体の知れない輝き。
十四歳の春。私たちの同居生活は、どこか狂った歯車が回り始めたような、奇妙な高揚感と恐怖と共に幕を開けた。
______________
エール📣いいね❤️お気に入り⭐️応援よろしくお願いします🙇♀️
📢新作告知📚六作品をまとめて一挙投稿しました!作者の作品欄より、ぜひご覧ください💖
112
あなたにおすすめの小説
コスモスの妖精に誓う〜四つの愛の誤解〜
恋せよ恋
恋愛
「このブローチが、私たちの友情の証」
公爵令嬢ガーネットと、固い絆で結ばれた三人の親友たち。
彼女たちはある日、街のアンティークショップで一目惚れした
「コスモスのブローチ」を、一ヶ月交代で身につける約束を交わす。
それは、純粋な友情と慈愛から始まった遊び心だった。
しかし、その美しい宝石が放つ光は、最も近くにいる婚約者たちの心を、
音もなく切り裂いていく。
騎士、魔導師、外交官、芸術家。婿入りという立場で彼女たちを支える
完璧な婚約者たちは、胸元で輝く石の色を「自分ではない、別の男を想う
秘めた恋情」だと誤解し、密やかな絶望に囚われていく。
「愛している。だが、君がその石に見ているのは、私ではない誰かなのだろう?」
互いを深く慈しみ、思慮深いからこそ、「真実」を問いかけられずにすれ違う日々。
四十代後半になり、すべてを乗り越えた彼女たちが、あのあまりに美しく、
あまりに痛切だった「愛の誤解」を振り返る物語。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
男装の側近 〜双子の妹は腹黒王子の溺愛からは逃げられない〜
恋せよ恋
恋愛
「お前、なんだか......女っぽいよな?」
病弱な兄の身代わりで、男装し学園に入学したレオーネ。
完璧で美麗な騎士「レオン」として、
冷徹な第二王子・マクシミリアンの側近となったが……
実は殿下には、初日から正体がバレていた!?
「俺を守って死ぬと言ったな。ならば一生、俺の隣で飼い殺されろ」
戦場では背中を預け合い、寝室では甘く追い詰められる。
正体がバレたら即破滅の「替え玉側近ライフ」は、
王子の執着全開な溺愛ルートへと強制突入する――!
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
『恋心を凍らせる薬を飲みました』 - 残りの学園生活、どうぞご自由にお遊びください、婚約者様
恋せよ恋
恋愛
愛されることを諦めた。だから、私は心を凍らせた。
不誠実な婚約者・ユリアンの冷遇に耐えかねたヤスミンは、
伝説の魔女の元を訪れ、恋心を消し去る「氷の薬」を飲む。
感情を捨て、完璧な「人形」となった彼女を前に、
ユリアンは初めて己の罪と執着に狂い始める。
「お願いだ、前のように僕を愛して泣いてくれ!」
足元に跪き、涙を流して乞う男に、ヤスミンは冷酷に微笑む。
「愛?……あいにく、そのような無駄な感情は捨てましたわ」
一度凍りついた心は、二度と溶けない。
後悔にのたうち回る男と、心を凍らせた冷徹な公爵夫人の、
終わりのない贖罪の記録。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」と言われたので別れたのですが、呪われた上に子供まで出来てて一大事です!?
綾織季蝶
恋愛
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」そう告げられたのは孤児から魔法省の自然管理科の大臣にまで上り詰めたカナリア・スタインベック。
相手はとある貴族のご令嬢。
確かに公爵の彼とは釣り合うだろう、そう諦めきった心で承諾してしまう。
別れる際に大臣も辞め、実家の誰も寄り付かない禁断の森に身を潜めたが…。
何故か呪われた上に子供まで出来てしまった事が発覚して…!?
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
煤かぶり姫は光の貴公子の溺愛が罰ゲームだと知っている。
朝霧心惺
恋愛
「ベルティア・ローレル。僕の恋人になってくれないかい?」
煌めく猫っ毛の金髪に太陽の瞳、光の貴公子の名を欲しいがままにするエドワード・ルードバーグ公爵令息の告白。
普通の令嬢ならば、嬉しさのあまり失神してしまうかもしれない状況に、告白された令嬢、ベルティア・ローレルは無表情のままぴくりとも頬を動かさない。
何故なら———、
(罰ゲームで告白なんて、最低の極みね)
黄金の髪こそが美しいという貴族の価値観の中で、煤を被ったような漆黒の髪を持つベルティアには、『煤かぶり姫』という蔑称がある。
そして、それは罰ゲーム結果の恋人に選ばれるほどに、貴族にとっては酷い見た目であるらしい。
3年間にも及ぶ学園生活も終盤に迫ったこの日告白されたベルティア、実家は伯爵家といえども辺境であり、長年の凶作続きにより没落寸前。
もちろん、実家は公爵家に反抗できるほどの力など持ち合わせていない。
目立つ事が大嫌いでありながらも渋々受け入れた恋人生活、けれど、彼の罰ゲームはただ付き合うだけでは終わらず、加速していく溺愛、溺愛、溺愛………!!
甘すぎる苦しみが、ベルティアを苦しめる。
「どうして僕の愛を疑うんだっ!!」
(疑うも何も、そもそもこの恋人ごっこはあなたへの罰ゲームでしょ!?)
氷の令嬢は愛を請わない - 捨て子の『姉』に愛も家族も奪われたマリーローズの逆襲
恋せよ恋
恋愛
銀髪紫眼の美貌の侯爵令嬢、マリーローズ。
完璧な淑女に育った彼女だったが、母は捨て子ジュリエットを寵愛。
婚約者の公爵家嫡男アレックスも、友人も、次々に奪われる――。
家族に裏切られ、すべてを失った彼女が下した決断は、
家族を見かぎり、国を捨て、自らの人生を取り戻すこと。
理不尽な悲恋を力に変え、運命をひっくり返す令嬢の逆転劇!
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる