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この令嬢、見た目以上です
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「イヤよ! お風呂は嫌い! いいから、カップケーキを持ってきてちょうだい!」
ステファニーのわがままで可愛らしい声が、侯爵家の居間に響き渡った。
「ですが、ステファニーお嬢様。昨日もお風呂を嫌がられて、そのままお休みになられましたし……。本日は、さすがに入浴していただきます!」
専属侍女の超絶美女で黒髪黒目のエメリーが、仁王立ちで必死の形相のまま、ステファニーに迫る。
「だって……お風呂って、上がってからが面倒くさいのよ。……座っているだけなのに」
「さあさあ、参りますよ! その色白のもちもちのお肌を、きれいにしましょうね! さあ、みなさん! 行きますよ!」
「お嬢様の真珠のような肌を、私たちが守らなければ!」
凄腕侍女たちに両腕をがっしり捕まれ、ステファニーは肩を落としながら浴室へと連行されていった――。
――バシャッ!
――ゴシゴシ、ゴシゴシ!
――バシャッ!
――ゴシゴシ、ゴシゴシッ!
――ドタンッ!! 「キャッ!」
「えっ!? ちょっ、今のなに!?」
浴室の向こうから、令嬢の入浴にふさわしいとは到底言えない悲鳴が響いた。
一時間後――ぐてっとソファに身を投げ出し、ステファニーは弾力のある体をだらしなく横たえていた。
「疲れたわ……。お風呂って、どうしてこんなに疲れるのかしら……。みんな、ありがとう。大変だったでしょう。とっても気持ちよかったわ」
使用人一人ひとりに、感謝の言葉を自然にかけられるお嬢様――最高である!
だが、侍女たちは心の中で、同時にこう思った。――お疲れになるのは、お太りになっていらっしゃるからですわ、お嬢様!!!
ステファニーは、富豪の美食家として名高いオラニエ侯爵家の長女である。
金色につやつやと輝く豊かな髪は、言うまでもなく侍女たちの血のにじむような努力の結晶だ。色白でもっちもち、玉のような肌。長いまつ毛に縁取られた、紫色の美しい垂れ目の瞳――まさしく、生まれ持った魅力にあふれた、麗しく愛らしい令嬢であった。
だが……ただひとつ。ステファニーの容姿を語るうえで、どうしても避けて通れない重要な要素がある。……ちょっと、いや、かなりの、『ぽっちゃりさん』なのである。
もっとも、『ぽっちゃり』というのは身贔屓が過ぎる侍女たちの表現であり、世間一般の基準で言えば、堂々たる――『おデブちゃん』であった。
そのため、美しいアメジストの瞳は瞼に埋もれて、たまにしか輝かず、桃色のぷるんぷるんの可愛い唇も、常に何かをモグモグしていて愛らしさが損なわれている。強いて言えば、揚げ物の油でギトギトに潤ってはいるが……。
ちょっと動くたび、息がゼイゼイとうるさく騒ぎ、白く玉のような肌には汗が滲む。せっかくの超絶美少女の魅力が、まったく発揮されていないーーそれでも、オラニエ侯爵夫妻並びに使用人たちからは溺愛されているステファニーお嬢様であった。
「僕らの可愛いマシュマロちゃん。今日もステファニーは可愛いね!」
「ええ、ええ。本当に。可愛くて、食べてしまいたいくらいですわ、マシュマロちゃん!」
「ああ、なんて可愛いんだ! 僕の妹は、マシュマロの国の王女だね!」
オラニエ侯爵夫妻――ローレンツ侯爵とイザベル侯爵夫人、そして嫡男である兄サイラス。
一家は揃ってステファニーを溺愛しており、全員が金色の髪に紫色の瞳を持つ、そろって超絶美形という、やや現実味に欠けた家族である……本来なら、ステファニーもそうだったのだが。
小さな頃から一流の料理人が腕を振るう美食ばかりを口にして育ち、十二歳になったステファニーは、すでに舌だけは一人前の美食家へと成長していた。
それに比例して、ステファニーの身体もぐんぐんと大きく成長していたが、屋敷内の家族・使用人は、『わがままボディのぽっちゃりさん、マシュマロ令嬢のステファニーお嬢様』が可愛くて大好きだった。
王宮で催された王妃主催のお茶会には、王宮付きの一流調理人が腕を振るったお菓子が、これでもかというほど並べられていた。
嫌々ながら侍女たちに引きずられるようにドレスを着せられ、渋々参加していたステファニーも、色とりどりの美味しそうなお菓子を前にした瞬間、目の色を変え、涎を垂らしかねない勢いで次々と皿にケーキを積み上げ始めた。
(うん! 来てよかったわ。さすが王宮の調理人ね、楽しみ!)
そんなステファニーのもとへ、五人組の令嬢たちが連れ立って近づいてくる。
「あら、やだ。今日は十二歳の令嬢を集めたお茶会ではありませんでしたかしら?(クスクス)」
「ええ、そうですわ。ずいぶんと“大きな方”がいらっしゃいますわね(クスクス)」
「どうしたら、あんなに大きくなれるのかしら? 視界が遮られそうですわ(クスクス)」
ステファニーの容姿を揶揄する令嬢たちに、周囲からも控えめな失笑が漏れる。
――が、当の本人はというと。
まったく意に介する様子もなく、幸せそうな表情でケーキを味わっていた。
そのあまりに満ち足りた笑顔は、見ている者の頬まで自然と緩ませてしまう、不思議な力を持っていた。
「素晴らしいですわ……この生クリームの、なんてなめらかな口当たり。ミレーユ産のミルクかしら? ……いいえ、ソレーユ産ね。低温でじっくり泡立てているわ。角の立ち方が……八十五度、完璧ですわ!
ラズベリーも素晴らしい熟成具合。ホワントの摘みたてですわね、この酸味と甘み……。生地のもっちり感も絶妙……焼き? いいえ、蒸らし焼きですわ。――美味しいですわ」
近くでデザートを選んでいたパオラ侯爵夫人は、思わず瞠目した。
十二歳の令嬢が、ただ食べているのではない。味を吟味し、産地を当て、調理法まで推察しているのだ。
(見た目の『ぽっちゃり』に惑わされてはいけませんわ……この子は、大物になりますわ)
そう、確信した。
一方、いまだキャンキャンと嫌味と当てこすりを垂れ流していた五人組は、完全に無視されていた。
やがて、周囲の失笑がステファニーではなく自分たちに向けられていると気づいた瞬間、顔を真っ赤にし、すごすごとその場を後にした。
(あら? さっきの“くすんだ色”の方たち、いつの間にお帰りになったのかしら……。なんだか運気が下がりそうな方々でしたわ)
ステファニーが彼女たちを「くすんだ色」と評したのには、きちんとした理由がある。
彼女には、人の身体の周囲にまとうエネルギー――いわゆる“オーラ”が、色として見えていたのだ。
それに気づいたのは、ステファニーが三歳の頃。
ある使用人が真っ黒に見え、大泣きした彼女に驚いたオラニエ侯爵が事情を聞き、調べさせたところ――その使用人は、借金絡みで人を殺めていたことが判明した。
それ以降、侯爵家では家族および使用人全員について、ステファニーに“まとう色”を確認するようになった。
暗い色をまとう者には聞き取り調査が行われ、結果、何かしら後ろ暗い事情を抱えている者ばかりだった。
以後、人に関する重要な決定は、必ずステファニーを介して行われるようになり――オラニエ侯爵家の事業は、右肩上がりに成長を続けている。
この事実は、オラニエ侯爵夫妻と兄サイラス、そして家令オリバーのみが知る、侯爵家の最重要機密であった。
ステファニーは、隣に立つパオラ侯爵夫人に、遠慮がちに声をかけた。
「ごきげんよう。突然で失礼いたしますが、その真珠のネックレス……手放されたほうがよろしいかと存じますわ。念のため、購入元もお調べになったほうがよろしいでしょう。では、失礼いたします」
「えっ!? えっ、えっ、えっ!」
パオラ侯爵夫人は、十二歳の『ぽっちゃり』した令嬢の口から発せられた、あまりにも予想外の言葉に固まってしまった。
しかも、その落ち着いた物言いと内容に、只者ではない気配を感じ取り、思わず感服した。
――後日談。
真珠のネックレスを購入した商会は、安価に仕入れるため、人身売買によって流通費用を浮かせていたことが判明し、検挙された。
さらに、そのネックレスを処分した途端、長年悩まされていた持病の肩こりが治ったという。
オラニエ侯爵家へ礼状を送った際、返書にはただ一言、『他言無用』とだけ記されていた。
それ以来、パオラ侯爵夫人は、ステファニーの熱烈な信奉者の一人となったのである。
「ふう、今日も美味しいお菓子と良いお仕事でしたわ」
満足げに自分のお腹をぽんぽんと叩くステファニー。
しかし彼女はまだ知らない。
このパオラ侯爵夫人への助言が、やがて国中を揺るがす大騒動へと繋がり、さらには「絶対に会いたくなかったあの人」の目に留まってしまうことを――。__________________
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ステファニーのわがままで可愛らしい声が、侯爵家の居間に響き渡った。
「ですが、ステファニーお嬢様。昨日もお風呂を嫌がられて、そのままお休みになられましたし……。本日は、さすがに入浴していただきます!」
専属侍女の超絶美女で黒髪黒目のエメリーが、仁王立ちで必死の形相のまま、ステファニーに迫る。
「だって……お風呂って、上がってからが面倒くさいのよ。……座っているだけなのに」
「さあさあ、参りますよ! その色白のもちもちのお肌を、きれいにしましょうね! さあ、みなさん! 行きますよ!」
「お嬢様の真珠のような肌を、私たちが守らなければ!」
凄腕侍女たちに両腕をがっしり捕まれ、ステファニーは肩を落としながら浴室へと連行されていった――。
――バシャッ!
――ゴシゴシ、ゴシゴシ!
――バシャッ!
――ゴシゴシ、ゴシゴシッ!
――ドタンッ!! 「キャッ!」
「えっ!? ちょっ、今のなに!?」
浴室の向こうから、令嬢の入浴にふさわしいとは到底言えない悲鳴が響いた。
一時間後――ぐてっとソファに身を投げ出し、ステファニーは弾力のある体をだらしなく横たえていた。
「疲れたわ……。お風呂って、どうしてこんなに疲れるのかしら……。みんな、ありがとう。大変だったでしょう。とっても気持ちよかったわ」
使用人一人ひとりに、感謝の言葉を自然にかけられるお嬢様――最高である!
だが、侍女たちは心の中で、同時にこう思った。――お疲れになるのは、お太りになっていらっしゃるからですわ、お嬢様!!!
ステファニーは、富豪の美食家として名高いオラニエ侯爵家の長女である。
金色につやつやと輝く豊かな髪は、言うまでもなく侍女たちの血のにじむような努力の結晶だ。色白でもっちもち、玉のような肌。長いまつ毛に縁取られた、紫色の美しい垂れ目の瞳――まさしく、生まれ持った魅力にあふれた、麗しく愛らしい令嬢であった。
だが……ただひとつ。ステファニーの容姿を語るうえで、どうしても避けて通れない重要な要素がある。……ちょっと、いや、かなりの、『ぽっちゃりさん』なのである。
もっとも、『ぽっちゃり』というのは身贔屓が過ぎる侍女たちの表現であり、世間一般の基準で言えば、堂々たる――『おデブちゃん』であった。
そのため、美しいアメジストの瞳は瞼に埋もれて、たまにしか輝かず、桃色のぷるんぷるんの可愛い唇も、常に何かをモグモグしていて愛らしさが損なわれている。強いて言えば、揚げ物の油でギトギトに潤ってはいるが……。
ちょっと動くたび、息がゼイゼイとうるさく騒ぎ、白く玉のような肌には汗が滲む。せっかくの超絶美少女の魅力が、まったく発揮されていないーーそれでも、オラニエ侯爵夫妻並びに使用人たちからは溺愛されているステファニーお嬢様であった。
「僕らの可愛いマシュマロちゃん。今日もステファニーは可愛いね!」
「ええ、ええ。本当に。可愛くて、食べてしまいたいくらいですわ、マシュマロちゃん!」
「ああ、なんて可愛いんだ! 僕の妹は、マシュマロの国の王女だね!」
オラニエ侯爵夫妻――ローレンツ侯爵とイザベル侯爵夫人、そして嫡男である兄サイラス。
一家は揃ってステファニーを溺愛しており、全員が金色の髪に紫色の瞳を持つ、そろって超絶美形という、やや現実味に欠けた家族である……本来なら、ステファニーもそうだったのだが。
小さな頃から一流の料理人が腕を振るう美食ばかりを口にして育ち、十二歳になったステファニーは、すでに舌だけは一人前の美食家へと成長していた。
それに比例して、ステファニーの身体もぐんぐんと大きく成長していたが、屋敷内の家族・使用人は、『わがままボディのぽっちゃりさん、マシュマロ令嬢のステファニーお嬢様』が可愛くて大好きだった。
王宮で催された王妃主催のお茶会には、王宮付きの一流調理人が腕を振るったお菓子が、これでもかというほど並べられていた。
嫌々ながら侍女たちに引きずられるようにドレスを着せられ、渋々参加していたステファニーも、色とりどりの美味しそうなお菓子を前にした瞬間、目の色を変え、涎を垂らしかねない勢いで次々と皿にケーキを積み上げ始めた。
(うん! 来てよかったわ。さすが王宮の調理人ね、楽しみ!)
そんなステファニーのもとへ、五人組の令嬢たちが連れ立って近づいてくる。
「あら、やだ。今日は十二歳の令嬢を集めたお茶会ではありませんでしたかしら?(クスクス)」
「ええ、そうですわ。ずいぶんと“大きな方”がいらっしゃいますわね(クスクス)」
「どうしたら、あんなに大きくなれるのかしら? 視界が遮られそうですわ(クスクス)」
ステファニーの容姿を揶揄する令嬢たちに、周囲からも控えめな失笑が漏れる。
――が、当の本人はというと。
まったく意に介する様子もなく、幸せそうな表情でケーキを味わっていた。
そのあまりに満ち足りた笑顔は、見ている者の頬まで自然と緩ませてしまう、不思議な力を持っていた。
「素晴らしいですわ……この生クリームの、なんてなめらかな口当たり。ミレーユ産のミルクかしら? ……いいえ、ソレーユ産ね。低温でじっくり泡立てているわ。角の立ち方が……八十五度、完璧ですわ!
ラズベリーも素晴らしい熟成具合。ホワントの摘みたてですわね、この酸味と甘み……。生地のもっちり感も絶妙……焼き? いいえ、蒸らし焼きですわ。――美味しいですわ」
近くでデザートを選んでいたパオラ侯爵夫人は、思わず瞠目した。
十二歳の令嬢が、ただ食べているのではない。味を吟味し、産地を当て、調理法まで推察しているのだ。
(見た目の『ぽっちゃり』に惑わされてはいけませんわ……この子は、大物になりますわ)
そう、確信した。
一方、いまだキャンキャンと嫌味と当てこすりを垂れ流していた五人組は、完全に無視されていた。
やがて、周囲の失笑がステファニーではなく自分たちに向けられていると気づいた瞬間、顔を真っ赤にし、すごすごとその場を後にした。
(あら? さっきの“くすんだ色”の方たち、いつの間にお帰りになったのかしら……。なんだか運気が下がりそうな方々でしたわ)
ステファニーが彼女たちを「くすんだ色」と評したのには、きちんとした理由がある。
彼女には、人の身体の周囲にまとうエネルギー――いわゆる“オーラ”が、色として見えていたのだ。
それに気づいたのは、ステファニーが三歳の頃。
ある使用人が真っ黒に見え、大泣きした彼女に驚いたオラニエ侯爵が事情を聞き、調べさせたところ――その使用人は、借金絡みで人を殺めていたことが判明した。
それ以降、侯爵家では家族および使用人全員について、ステファニーに“まとう色”を確認するようになった。
暗い色をまとう者には聞き取り調査が行われ、結果、何かしら後ろ暗い事情を抱えている者ばかりだった。
以後、人に関する重要な決定は、必ずステファニーを介して行われるようになり――オラニエ侯爵家の事業は、右肩上がりに成長を続けている。
この事実は、オラニエ侯爵夫妻と兄サイラス、そして家令オリバーのみが知る、侯爵家の最重要機密であった。
ステファニーは、隣に立つパオラ侯爵夫人に、遠慮がちに声をかけた。
「ごきげんよう。突然で失礼いたしますが、その真珠のネックレス……手放されたほうがよろしいかと存じますわ。念のため、購入元もお調べになったほうがよろしいでしょう。では、失礼いたします」
「えっ!? えっ、えっ、えっ!」
パオラ侯爵夫人は、十二歳の『ぽっちゃり』した令嬢の口から発せられた、あまりにも予想外の言葉に固まってしまった。
しかも、その落ち着いた物言いと内容に、只者ではない気配を感じ取り、思わず感服した。
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真珠のネックレスを購入した商会は、安価に仕入れるため、人身売買によって流通費用を浮かせていたことが判明し、検挙された。
さらに、そのネックレスを処分した途端、長年悩まされていた持病の肩こりが治ったという。
オラニエ侯爵家へ礼状を送った際、返書にはただ一言、『他言無用』とだけ記されていた。
それ以来、パオラ侯爵夫人は、ステファニーの熱烈な信奉者の一人となったのである。
「ふう、今日も美味しいお菓子と良いお仕事でしたわ」
満足げに自分のお腹をぽんぽんと叩くステファニー。
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