迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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98. 進化するチェリー

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 チェリーの声で起こされて、わたしはすごく幸せを感じていた……んっ?

「チェリー ? いままでこんなこと、できたかな? あれっ、起こせたの?」

「はい。パールの魔道具のおかげです。時計の魔道具はパールの頭の中に入ってくるモノだったので、すべてコピーしました」

「わっ、すごい! じゃあ、このリングはもうなくてもいいの?」

「はい。最終的にはそうなりますが、当分はつけて誤差がないか確認します」

 すごいことが分かったなーっ!
 進化するチェリーが、素晴らしすぎる!


 そんな会話をしながらテントを片付け、バンブの林まで変幻のマントを羽織り走っていく。

 ビューーン!

 そう、もらったブーツで滑りながら……ね。
 へ、へっ。

 あとはまだ暗いうちに、キノコの女王をスキルマッピングで探しだす。
 マーキングしてあるから前よりも簡単に探せる。
 全部採ってはいけないので、十五個だけ採ることにした。

 やっぱり臭いけどマプさんたちにもらった採取用のスティックでチョンと触って、そのまま中にほり込んで貯めていく。

 それから細いバンブの木を数本切るのに、今度はアリオさんにもらったおもちゃの剣を使ってみた。
 
 スパーンッ!!

 すごっ! なにが、オモチャだよっ!

 切れ味が良すぎて、おどろいた。

 もう、スパン、スパン、切れていく。

 太めの水筒ぐらいのバンブの木も……

 スポーンッ!!

 なんだ! この切れ味は? こわいぞ!?

 ホワイトベアーとゴールデンタイガーに気をつけながら林の奥まで入って、この前チェックしておいたホントに太いバンブをこれも間引くように……

 スパン!! スポン!! スパーン!!

 ドンドン切って当分困らないぐらいに、いろいろな太さで集めてブロンさんからもらった小さな腰のマジックバックに収納していった。

 なんだかバンブ林にも光が入って良い感じ!
 また、いっぱい育ってね! 

 そのあとは安全なところまで戻ってきて、キノコの女王を魔法の水で洗い、一本ずつ魔法の風で乾かしていく。
 二度目なので要領がよくなったのか、サクサクすすむ。

 金の入れ物にする細いバンブの木とは別に、十数本いろんな太さのバンブの木も完璧に水抜きして、ついでにバンブの葉も大量に集めておいた。

 よし! 
 あとは、帰るだけ。

 チェリーがなぜか身体強化で帰るよう勧めてきたので、いろいろ魔道具をもらったけど自分の足で走っていく。

「うわっ、すごい! なんで、こんなに速いの?!」

「はい。魔道具の影響もありますが、やはりパールの魔力はとても上がっているようです」

「えっ、魔力が? そうなんだ。魔道具の影響はきっと竜人の赤ちゃんが生まれて初めてつけるリング、身体強化の補助のおかげだと思うけど……あとは何かな? おそるべし竜人さん!」

 思っている以上に速く走れて、あっという間に細工師の親方のお店がかすかにみえるところまで着いてしまう。
 そこからは変幻のマントを脱ぎ、腰のマジックバックにサッとしまい、小走りで親方のところまでいく。

 店の前の長椅子に座っていた親方は、わたしを見つけるとすぐ長椅子から立ち上がり走って近づいてきた。

「おーい、親方~!」
 
 手を振ってわたしに気がついた親方へ声をかけると、そのまま近づいてきて抱きしめられる。

「パール! おまえ、生きていたのか! よかった! よかった……」

「えっ、どうしたんですか?」

 涙目の親方におどろいて、なんだかついていけないでいると……
 後ろから、ケルスさんまでやってきて。

「パールさん、生きていたんですね! よかった! もう五日も前に宿屋のオヤジさんがお店にきて、パールさんが冒険から三日帰ってこない。もし見つけたら、保護してほしいと頼みにきたんですよ……」

「えっ、オヤジさんが?!」

「パール。おまえ、いったい…………話は、後だ! おい、ケルス。店を閉めろ!」

「お店を閉めるんですか?」

「ああ、いそげ!!」

 それだけ言うと、黙って店の中へ親方は入っていく。
 わたしも親方に続いて店の中に入ると、ケルスさんはサッサと店を閉めてしまう。

「パールさん。いままでどこで、なにをしていたんですか? みんなホントに心配していたんですよ!」
 
 ケルスさんは店に鍵をかけ、一番に聞いてきた。

「ごめんなさい。まさかこんな大事になっているとは、思ってなくって……」

「パール、おまえ……迷い人になったのか? どうなんだ?」

「なにを言ってるんですか、親方? そんなわけないでしょ。ねぇ、パールさん? えっ、まさか……」

「すっ、すごい親方!! どうして、わかったんですか?」

「えーーっ! ホントに?」

「まあそら、年の功だなっ。八百歳も生きていたらなっ」

「えっ、八百歳!?」
 
「あーっ、親方~。言っちゃうんですか? そうなんですよ、ボクたちはエルフなんです。親方は生粋のエルフなんですがボクは半分、父親が人族なんですよ。本当の歳は百三十歳。ゼロをひとつ抜いた歳を、人族の人たちにはいつも伝えているんです。はっはっは!」

 な、な、なんとっ!?

 今度は、エルフ!! 
 親方たちがエルフだと……うあーーっ!?

 世の中はやっぱり、広いんだなぁ~

 わたしの知らないことだらけ……

 ビックリするけど、たのしくなっちゃう!!
 
 

 
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