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97. チェリー と 確認

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 しばらく ボーっとしてしまったが、ここもそんなに安全なところでもないし……

 チェリー にいままで、どうしていたのか聞いてみたけど、 あのトケイソウから大量の霧が出たところぐらいで エラー が発生し、トケイソウにマーキングしたつぎが、いまになるそうだ。

 ケップラー王国のことを聞いても、すべてエラー になるみたいで……
 なんだか『前世の記憶』に似ていたところがあったように思うと教えてみたけど、なにもわからない。

 エラー が起こった原因が、もしケップラー王国にもあるのならば、検索するとまた、エラー の原因になると教えてくれた。

 仕方ないな。

 もう、チェリー と離れるのは イヤ だし……
 それよりも。

「チェリー ! ケップラー王国で、いろいろな魔道具をもらったんだよ。 テントもバリアも もらったから、もう 安心して眠れるし……    そうだ! 時計の魔道具もあるんだ。 これからは時間も、日にちも、 一時間後とかも教えてくれる スグレモノ だから、すごく便利になるね!」
 
 チェリー に教えてあげようと、時間を意識すると……

「うそっ! あれから 七日経ってる…… 」

 おどろきだよ!? 
 うわーぁ!
 でも、十日じゃなくて よかった~

 宿屋がマークたちに知らせるところだった……
 すぐに帰らないと。

 アリオさんからもらった、時計の魔道具のすごさを 教えてあげようと思ったら、たいへんなことがわかってしまった。

 チェリー に頭の中にある、時計の時間がわかったか聞くと。

「はい。 わかります。 よい モノ をいただきましたね」

 帰ろうとしたら、チェリー が止めてきた。
 あと 一日。
 安全なところにアロさんからもらったテントを張って、いままでのことと、もらった魔道具をすべて教えてほしいという。
 記録したいようだ。

 もう 七日も経っている。
 一日ぐらいならわたしもいろいろ決めておきたいし、そうしよう かな……

 まずは、安全なウロの近くで 一人用のテントを張って、四隅にはタルボさんからもらった、完全にわからなくなって強力なバリアが張れる魔道具をおいてみる。

 おーーっ! 
 カチコチ だよ!

 安全を確保して、テントに入る。

 まずは、やっぱり お風呂!

 下着と服はブロンさんからもらった、洗濯袋にほり込んで……

 疲れているはずだけど、眠くない……
 きっと、ウルグベお母さんからもらったサップリメントがすごく効いているんだ……
 なぜか、お腹も空かないし。
 テトリも勧めてくれてたなぁ……
 食べておいて、よかった。

 お風呂から上がって、チェリー と いろいろ 話し合うことにする。
 
 チェリー は、もらった魔道具を ひとつずつ 確認しているようで、まだ使ってない モノ ばかりだけど、わかるところは説明して……
 それが、わたしの確認にもなって、マジックバックの仕分け作業もできたので、結果すごくよかった。
 明日の予定も サクサク チェリー と決めていく。

「森をでたらまずは、細工師の親方のところにいって もう 一度、水筒セットと食器セットも作ってもらいたいかな? そのあとは、ギルドでお金を出して メリッサお姉さんのところで、この国をでるから安心のポーションや薬なんかを買う。 あとは宿屋に戻って、私物を集めたら、こそっと 手紙と 砂金をおいて、出てこようかな……」

 マークたちが来るまで、まだあと 一カ月はある。
 それまでにラメール王国で、住むところを決めておいてもいいかな……

 わたしだけなら、またこの国にすぐこれるし。

 ボード? 
 空飛ぶ板? をもらったから、大丈夫だろう。

 いまは、お金もないし…… 食べ物もない。
 でも、そうだよ! 
 これからは、いろいろなおいしい料理を、そのままマジックバックにしまっておけるんだ!

 よし! 
 今回は、特別ということで……

「バンブの木とキノコの女王を いっぱい採って、それと 砂金を少し渡して、これからどうしたらいいのか 詳しそうな親方とメリッサお姉さんに教えてもらおうかな? チェリー 、どう 思う?」

「はい。 それが いいかと思います。 バンブの木は 何本か多めに、魔法で水抜きをして渡したらよろこばれるでしょう」

「そうだね! それがいいよ! 細いバンブの木も切って、袋がないからそこに 砂金を少しずつ入れようか?」

 砂金の量も、決めておいた。

 わたしのひと握り、子どもの手だから ちょうどいい量だ。

 受け取りやすい量で、さばきやすい モノ。
 金の塊は、キノコの女王のタマゴの大きさの モノ を集めて分けておいた。
 これで、一個ずつ 簡単に渡せる。

「そうと決まれば、早く寝て、明日は早く起きないと……」

 ふかふかのベッドに、アラクネのシーツ。

 下着も寝間着もアラクネで サラサラ スルスル とっても寝心地がよくって、眠れないと思っていたけど なんだか ちょっと 眠くなってきた……

「チェリー おやすみ……」
 
 
 長い 一日が、やっと 終わる。

 つぎからは 夢の世界で きっと……

 テトリたちに 逢えるよね……






 
 
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