迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

文字の大きさ
111 / 221

111. 質問が止まらない

しおりを挟む
 座席の奥に、部屋がある……

 小さいけど、この馬車の五倍ぐらいの広さのリビング。
 あとは主寝室とベッドを二つずつおいている小さい部屋が二部屋とトイレだそうだ。

 いまはガントとソードが一部屋を二人で使っていると教えてくれた。

 三人だと安全確保のため、やっぱりひとりは御者のところで寝るみたい。
 だから残りの一部屋を、わたしが使っても良いと言ってくれる。
 ライは笑いながら。

「もう寝るところも狭くないぞ」

 昨日は久しぶりに狭い場所で寝て、ちょっとしんどかったようだ……
 わたしを警戒してなのか? 申し訳ない……
 あと二日は野営になるから、ありがたく使わせてもらう。

 いつもは移動中もリビングにいたそうで、よい体験だったとライが告げると、ガントはピアンタとラメールを狭い普通の馬車で、なん度も往復しているから平気だと笑っていたけどね!

 ラメール王国では薬草がダンジョン内でも育ちにくいのか、ピアンタに比べてすごく少ないらしい。
 なのに、ダンジョンの魔物は強いモノが多い。
 だからポーションが不足しがちで、こうしてよい薬草が手に入るチャンスのときには、無くならない内に少し無理をしてでも買い付けにやって来るそうだ。

 フンフン。

 ゆったりリビングのソファに座って、ライの話しを聞く。
 ソードの淹れてくれたお茶を飲みながら、甘いお菓子もでてきた。

 もう隠すつもりは、なさそうだな……

 これからはトイレ休憩もなくなって、馬の休憩だけになるみたい。


 ソードがトイレの使い方を教えてくれる。
 わたしの持っている普通のオトイレと同じような作りだけど、それよりも少し狭めで、金や白金が使ってない分ちょっとグレードが落ちてみえる簡素な作りだった。
 最後も異空間に捨てるしか、選択肢はないようだ。
 だとすると、やっぱりケップラー王国は進んでいるすごい王国だったんだなぁ~。

  リビングに戻って来たらソードがまた、お茶をみんなに淹れだした。
 美しい所作で丁寧にお茶を淹れながら、自然な感じで聞いてくる……

「パールは向こうに、どれくらいの時間いたのですか?」

 ケップラー王国の話になるとみんながこっちを、じっと見てきて……ちょっと、こわい。

 特に、ガントがすごいんだよ……
 
「一日です」

「「「一日!?」」」

「でも、パール。 おまえ、七日も帰って来ないと宿屋のオヤジさんが言ってたぞ?」

 ガントが、聞いてきた。

「不思議なんだけど、帰ってきたら七日経っていて、おどろいてしまったんだよね」

「どうして七日経っていると、わかったのですか?」

 ソードは、鋭い……
 ガントもそうだよなっと、うなずいて聞いてきた。

 もう、しょうがないか……
 お茶を飲みながら、チェリーに頭の中で話しかける。

(チェリー、どうしよう? 魔道具をもらったって、言う?)

(はい。ある程度は、しょうがないですね。言葉を慎重に選んで、話してください)

 難しい~っ、そういうの苦手だよ……

 お茶を優雅に飲んでいるフリをして、そのあとゆっくり話しだす。

「時間のわかる魔道具を、もらったんです……」

「「「時間のわかる魔道具!?」」」

「それは、どっ、どんなものだ!」

 ガントが、目を大きく見開いて聞いてきた。

「ん~っ、どこにいても、時間と日にちと方角がわかるモノ……かな?」

「すごいっ! 見せてくれないか!」

「あーっ、ごめんね。もう、登録してあるから無理なの……」

「登録とは、なんだ?」

 今度はライが聞いてきた。

「んっ? もらったモノは、だいたいその場で登録させられたの。自分専用にして、無くさないように……」

「他にも、もらったのですか?」

「いろいろもらったけど、登録してあるから……」

「いろいろって、何をもらったんだ?」

「えっ、魔法袋……とか?」
 
 無難に、みんなが持っている魔法袋を言っておく。

「魔法袋も、登録できるのか?」

(チェリー、助けて……質問が止まらないよ……)

(はい。パールがいろいろと言ったり、登録してあると言ったりするからです。言葉を慎重に選んでと、伝えましたよ。無理、だけでよかったんです)

 あーっ、そこから……
 もう、めんどくさい!!

「そんなに、質問ぜめにしないでっ! 疲れたから、もう部屋で休むよ!」

 そう言って、与えられた部屋に逃げ込んだ。

 部屋はホントに、ベッドが二台おけるだけの広さしかなかった。

 カギは、ついてない?
 護衛の人用なのかな?
 まぁ勝手には、入ってこないでしょう……

「チェリー、なんとかなったと思う?」

「はい。なっていませんね。先伸ばしにしただけです」

 あーっ、やっぱりそうか……
 これは確認が必要だな。

 まずはいま、身につけているものをパールとチェックしていく。

 左の小指に十個まで、まとめておける指輪。
 そこに時計のリングと、お年寄りの補助のリングあとは、竜人の赤ちゃんが初めて身につけるリングの三つが入っている。
 左腕は、小さな盾の腕輪がひとつ。

 右の小指には、スペシャルな指輪。
 あと右の親指に、魔力をためておけて移転装置がついた指輪をひとつはめている。

 さっき、魔法袋と言ってしまったから……
  
「チェリー、どこから魔法袋を出そう?」

「はい。これから先もいろいろ出すことになりそうですから、腰のマジックバックが最適です。そこに登録するタイプの魔法袋を入れておいて、その中から金(キン)を出し入れしましょう」

「そうだね、チェリー。腰のマジックバックなら、ギリギリ魔法袋が普通に入っているように思えるかな? サラマンダーなん匹にする?」

「はい。登録できるタイプの時間経過ありで、三匹までですね。それ以上は、知らせないほうが良いでしょう」

「わかった。あといろいろ登録したって言ってしまったから、魔道具は武器になるタルボさんにもらった伸びる棒と、マプさんにもらった採取用スティックが薬草ハンターだからぜったい必要だし隠しきれないよね。それともう、一人用のテントを見せてしまったほうが楽かも?」

「はい。それが良いでしょう。採取用スティックは 登録したとは聞いていませんが、大丈夫ですか」

 そうだったかな?

 調べてみると登録できそうなので、少し魔力を流しておく。

 向こうの登録は名前を書くような感じで、だいたいのモノにできる。
 みんなが使うモノにはあえて、そのシステムをつけていないモノがあったり、登録しないで使うみたい。
 魔法袋が、良い例だ。

 こんなもんでしょう!


 これで少し、安心……

 チェリーと相談できるのは、やっぱりいいよね!

しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~

紅月シン
ファンタジー
 聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。  いや嘘だ。  本当は不満でいっぱいだった。  食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。  だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。  しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。  そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。  二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。  だが彼女は知らなかった。  三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。  知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。 ※完結しました。 ※小説家になろう様にも投稿しています

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜

ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。 死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム 前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した 記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた 村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた 私は捨てられたので村をすてる

転生したので好きに生きよう!

ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。 不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。 奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。 ※見切り発車感が凄い。 ※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

処理中です...