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124. ブドウ畑の緊急事態!
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道の途中で今日は両親がいないから、家より直接ワインの洞窟まで行ったほうが話が早くて良いだろうと、思い出したようにカベルネが言いだし、一緒に洞窟まで行くことになった。
それって、大丈夫なんだろうか?
「ねえ、そんな大切なところに見知らぬ人を連れて行ったらダメなんじゃないの? 大丈夫?」
「えっ、ダメなのか? ワインをいっぱい買ってくれる人だぞ?」
あーっ、これはダメな感じのパターンだな……
もうすぐだと言っていたから、いまのうちに引き返したほうが無難かも……
「待って! おとなの人に確認をとってないなら、わたしを連れて行かないほうがいいよ。ここでいったん家まで戻ろう」
「なんでだ? もうすぐここを曲がったら着くんだぞ」
もぉ~っ、聞きたくない情報を、ペラペラと……
立ち止まって二人で話していると洞窟のほうからおじいさんがやってきた。
「おい。こんなところで、なにをしている? カベルネおまえは、知らない者をここまで連れてきたのか?」
「じいちゃん、この子はパール。ワインをいっぱい買ってくれたんだ! だから大丈夫だと思って……パール、オレのガメイじいちゃん。なんでも知ってる物知りなんだぞ」
「ハァー、おまえは……ホントに……」
あぁ~っ、横にいるのがつらい……
「はじめましてガメイさん。勝手にきてすみません。すぐ帰りますから、カベルネを怒らないでください。きっとみんながよろこぶと思って、わたしを連れてきたんだと思います」
「ああ、分かっている。すまないな……ここはワシらにとって、とても大切なところなんでな……」
「はい、わかります。すぐ引き返します」
そうこたえるのが、精一杯だった。
カベルネにニコッと笑って、帰ろうと告げる。
ちょっと落ち込んでいるカベルネと、なぜかガメイおじいさんも一緒に三人で、またきた道を歩いていく。
なんで、おじいさんも? そうか……
素直にわたしが帰るのか、心配なんだ……
ここはホントに大切な場所なんだな。
カベルネ~、頼むよ~。
そんなことを考えながら歩いていると……
「なあ、じいちゃん。なんか臭くないか? パールは、どうだ? 匂うだろ?」
んっ、そういえば……ちょっと臭い?
おじいさんがキョロキョロしだして、匂いのするほうに走りだした。
カベルネとわたしもついていく。
ガメイおじいさんが急に立ち止まり、目を見開いてカベルネの腕を掴んで震えて何かつぶやきだした。
「ド、ド、ド……」
「じいちゃん! どうしたんだよ! ド、ド、ドって、なんだよ?」
カベルネもわたしも、ガメイおじいさんの様子に戸惑い、不安になる……
「ド、ド、ドクダミだっ!! 大ドクダミの大行列がきた! 三百年に一度の大行進が、今日みたいな若い者がだれもいんときに……大変じゃーーっ! カベルネっ! 洞窟へ行って、すぐペクメズばあさんたちを呼んでこい!」
「えーっ、あの伝説のオオドクダミ?!」
どうしたのか、二人ともあわてだした。
カベルネはすぐ走って洞窟のほうへ向かう。
ガメイおじいさんは、匂いのきついほうに走りだす。
わたしも迷ったけど、洞窟はやっぱりやめて、ガメイおじいさんについて走っていった。
うわーっ?! 徐々になんともいえない、くさい匂いが風に乗ってキツくなってきた!
どこからかワシャワシャとへんな音も聞こえてくるし……
先に走って行ったガメイおじいさんが立ちすくんでいる。
「いかん、いかん。やっぱりブドウ畑に行きよる! これは大変じゃ……」
あっちにも、ブドウ畑があるの?
きた道にあったブドウ畑ではないところのほうを見て、ガメイおじいさんはつぶやいている。
「おーい! じーいちゃん! みんなを連れてきたぞぉーっ! パール! 大丈夫か?」
お年寄りの人たちが、二十人ぐらい集まって走ってくる。
「ガメイーっ! どういうことなの!? ホントに大ドクダミの大行進なのかい!」
「あれを見ろ」
ガメイおじいさんが、指差した先に……
これは……
一メートルぐらいの大きなドクダミ草が、大量に根っこを滑らせて行進していた。
どこに向かって行くのかを、ガメイおじいさんは見極めているのかじっとみている。
「コリャ~、たいへんだ! ホントに大ドクダミだよ! 方角もやっぱりブドウ畑なんだね~」
おばあさんが叫んでいた。
なんでも三百年に一度ぐらいの間隔で、この大ドクダミの大行進はおこるそうだ。
なんの前ぶれもなく、急にくさい匂いがしてワシャワシャ音がしだす。
匂いのくさいところを探すと大ドクダミが見つかるそうだ。
そしてなぜかブドウ畑を目指すそうで、畑に着くとクネクネと踊りだすような動きをして、気に入った畑の中で根付くらしい。
それを端から抜いていく作業を根付いた一、ニ時間のうちにしないとホントに根を張ってしまい、ブドウの木の栄養を奪ってブドウは枯れてしまうそうだ。
「じいちゃん、もうブドウ畑へ行く前に見つけたんだから、いまのうち退治してしまおうよ! いまならまだ簡単だぞ?」
「それは、できん! ダメなんじゃ」
これも不思議なことらしいのだけど、一度根付かれた土地から採れるブドウは最高においしくなるそうで、うまくいけば今年のブドウは三百年ぶりに一番おいしいブドウになるんだって……
「しかし、これを全部抜くのかよ……こんな年寄りばかりで大丈夫か? 二千は、いるぞ」
「カベルネ、全部じゃないんだよ。不思議なことだけど三分の二ぐらい急いで抜いてやると、急に数が減ったと思うのか逃げて他の場所へ行くのさ」
おばあさんが教えてくれる。
きっとこの人がカベルネのおばあさん、ペクメズさんだな。
「そうか、数時間で抜いてしまわないと逃げなくなるし、根付いてしまったら、ブドウが枯れるのか……うわーっ! こりゃ~、たいへんだなあ」
「緊急事態だと連絡はしたけど……頑張ってわたしたちだけで、なんとか退治するんだよ!」
お年寄りの人たちがここからは見えない奥にあるらしい畑へ向かって進んでいく。
わたしはどうしたら良いのか迷っていると……
「パール、おまえも手伝ってくれよ! こんな年寄りばかりだと少しでも手がほしいからなっ!」
ガメイおじいさんを見ると、うなずいているのでお手伝いをすることになった。
奥のブドウ畑まで、急いで向かう……
ひゃーーっ!?
なに?
ある場所へくると……
急に目の前に、広いブドウ畑が現れた?
うわーっ!
幻影の魔法がかかっている畑なんだ?!
キラキラとブドウが、光ってる!
ルビーやエメラルドみたい!?
とってもキレイ!!
それって、大丈夫なんだろうか?
「ねえ、そんな大切なところに見知らぬ人を連れて行ったらダメなんじゃないの? 大丈夫?」
「えっ、ダメなのか? ワインをいっぱい買ってくれる人だぞ?」
あーっ、これはダメな感じのパターンだな……
もうすぐだと言っていたから、いまのうちに引き返したほうが無難かも……
「待って! おとなの人に確認をとってないなら、わたしを連れて行かないほうがいいよ。ここでいったん家まで戻ろう」
「なんでだ? もうすぐここを曲がったら着くんだぞ」
もぉ~っ、聞きたくない情報を、ペラペラと……
立ち止まって二人で話していると洞窟のほうからおじいさんがやってきた。
「おい。こんなところで、なにをしている? カベルネおまえは、知らない者をここまで連れてきたのか?」
「じいちゃん、この子はパール。ワインをいっぱい買ってくれたんだ! だから大丈夫だと思って……パール、オレのガメイじいちゃん。なんでも知ってる物知りなんだぞ」
「ハァー、おまえは……ホントに……」
あぁ~っ、横にいるのがつらい……
「はじめましてガメイさん。勝手にきてすみません。すぐ帰りますから、カベルネを怒らないでください。きっとみんながよろこぶと思って、わたしを連れてきたんだと思います」
「ああ、分かっている。すまないな……ここはワシらにとって、とても大切なところなんでな……」
「はい、わかります。すぐ引き返します」
そうこたえるのが、精一杯だった。
カベルネにニコッと笑って、帰ろうと告げる。
ちょっと落ち込んでいるカベルネと、なぜかガメイおじいさんも一緒に三人で、またきた道を歩いていく。
なんで、おじいさんも? そうか……
素直にわたしが帰るのか、心配なんだ……
ここはホントに大切な場所なんだな。
カベルネ~、頼むよ~。
そんなことを考えながら歩いていると……
「なあ、じいちゃん。なんか臭くないか? パールは、どうだ? 匂うだろ?」
んっ、そういえば……ちょっと臭い?
おじいさんがキョロキョロしだして、匂いのするほうに走りだした。
カベルネとわたしもついていく。
ガメイおじいさんが急に立ち止まり、目を見開いてカベルネの腕を掴んで震えて何かつぶやきだした。
「ド、ド、ド……」
「じいちゃん! どうしたんだよ! ド、ド、ドって、なんだよ?」
カベルネもわたしも、ガメイおじいさんの様子に戸惑い、不安になる……
「ド、ド、ドクダミだっ!! 大ドクダミの大行列がきた! 三百年に一度の大行進が、今日みたいな若い者がだれもいんときに……大変じゃーーっ! カベルネっ! 洞窟へ行って、すぐペクメズばあさんたちを呼んでこい!」
「えーっ、あの伝説のオオドクダミ?!」
どうしたのか、二人ともあわてだした。
カベルネはすぐ走って洞窟のほうへ向かう。
ガメイおじいさんは、匂いのきついほうに走りだす。
わたしも迷ったけど、洞窟はやっぱりやめて、ガメイおじいさんについて走っていった。
うわーっ?! 徐々になんともいえない、くさい匂いが風に乗ってキツくなってきた!
どこからかワシャワシャとへんな音も聞こえてくるし……
先に走って行ったガメイおじいさんが立ちすくんでいる。
「いかん、いかん。やっぱりブドウ畑に行きよる! これは大変じゃ……」
あっちにも、ブドウ畑があるの?
きた道にあったブドウ畑ではないところのほうを見て、ガメイおじいさんはつぶやいている。
「おーい! じーいちゃん! みんなを連れてきたぞぉーっ! パール! 大丈夫か?」
お年寄りの人たちが、二十人ぐらい集まって走ってくる。
「ガメイーっ! どういうことなの!? ホントに大ドクダミの大行進なのかい!」
「あれを見ろ」
ガメイおじいさんが、指差した先に……
これは……
一メートルぐらいの大きなドクダミ草が、大量に根っこを滑らせて行進していた。
どこに向かって行くのかを、ガメイおじいさんは見極めているのかじっとみている。
「コリャ~、たいへんだ! ホントに大ドクダミだよ! 方角もやっぱりブドウ畑なんだね~」
おばあさんが叫んでいた。
なんでも三百年に一度ぐらいの間隔で、この大ドクダミの大行進はおこるそうだ。
なんの前ぶれもなく、急にくさい匂いがしてワシャワシャ音がしだす。
匂いのくさいところを探すと大ドクダミが見つかるそうだ。
そしてなぜかブドウ畑を目指すそうで、畑に着くとクネクネと踊りだすような動きをして、気に入った畑の中で根付くらしい。
それを端から抜いていく作業を根付いた一、ニ時間のうちにしないとホントに根を張ってしまい、ブドウの木の栄養を奪ってブドウは枯れてしまうそうだ。
「じいちゃん、もうブドウ畑へ行く前に見つけたんだから、いまのうち退治してしまおうよ! いまならまだ簡単だぞ?」
「それは、できん! ダメなんじゃ」
これも不思議なことらしいのだけど、一度根付かれた土地から採れるブドウは最高においしくなるそうで、うまくいけば今年のブドウは三百年ぶりに一番おいしいブドウになるんだって……
「しかし、これを全部抜くのかよ……こんな年寄りばかりで大丈夫か? 二千は、いるぞ」
「カベルネ、全部じゃないんだよ。不思議なことだけど三分の二ぐらい急いで抜いてやると、急に数が減ったと思うのか逃げて他の場所へ行くのさ」
おばあさんが教えてくれる。
きっとこの人がカベルネのおばあさん、ペクメズさんだな。
「そうか、数時間で抜いてしまわないと逃げなくなるし、根付いてしまったら、ブドウが枯れるのか……うわーっ! こりゃ~、たいへんだなあ」
「緊急事態だと連絡はしたけど……頑張ってわたしたちだけで、なんとか退治するんだよ!」
お年寄りの人たちがここからは見えない奥にあるらしい畑へ向かって進んでいく。
わたしはどうしたら良いのか迷っていると……
「パール、おまえも手伝ってくれよ! こんな年寄りばかりだと少しでも手がほしいからなっ!」
ガメイおじいさんを見ると、うなずいているのでお手伝いをすることになった。
奥のブドウ畑まで、急いで向かう……
ひゃーーっ!?
なに?
ある場所へくると……
急に目の前に、広いブドウ畑が現れた?
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