迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

文字の大きさ
135 / 221

135. わたしたちの仲間

しおりを挟む
 採寸は慣れているのか、テキパキすんだ。

「パールは人族だから、これからぐんぐん背もからだも大きくなるし、作っても二着よね……」

 アジュガがサルビアとセージ姉妹に相談しながら決めていく。
 どうせなら今の流行りの色で作ることになった。 

 パステルカラーが最近生地にだせるようになり、流行っていると教えてくれる。

 ひとつは髪の色に合わせてスカイブルーに近い水色に、これは三人一致ですぐ決まった。
 もうひとつが目の色に似た布地にするか、まだ子どもだからピンクにするかで意見が別れたようだ。
 わたしの意見を双子の姉サルビアに聞かれたので、どちらを選んでも角が立つし、落ち着いた色。

「紺色なんかどう?」

 三人がため息をつき、話が元に戻る……なぜ?

 もう三枚作ると伝えると、すごくよろこんでくれた。
 
 わたしはお金に困ってないから、好きなように作ってもらっていいけど、派手すぎず目立たないようにじっと見れば、わかる人には良さが分かる服が好みだと伝えておく。
 三人はこれは腕がなると言って笑っていた。
 今回はひとり一枚ずつ作って、わたしの好みを探るようだ。
 これから何枚も作ってもらうことになるからね!

 パステルカラーの服か……   
 楽しみなようで、少し照れくさいな……

 作ってもらう服を三枚にしたことで、いろいろ話し合うはずの時間に少し余裕がうまれた。
 それならば双子のサルビアとセージのお父さん、ネペタの古本屋さんへ本を見に行くと告げると、お店と家をつなぐプライベートドアを使えば中からすぐに行けると教えてくれる。

 家族がいつでも簡単に移動できるよう登録している人なら家の中から、コリウスさんの自宅部分もブティックも古本屋さんそしてモナルダの家まで、扉がずっと続いているそうだ。

 アジュガの家、鍛冶屋さんだけは火を使っているので一度庭にでることになっている。

 離れてはいるけど表の出入り口から移動しなくても大丈夫なように、庭からどの家にもすぐ行ける大きな扉を裏にもつけ、これも登録してある人はカギなしで中に入れるようグレコマがアジュガたち家族のために作ってくれたんだと言っていた。

 そうか?! だからすぐグレコマに、魔力の登録をさせられたんだな……

 ガーデンパーティー? というか、庭で集まって食べることは仕事を持っている人たちばかりなので調理時間を節約するためか? 週に三回ぐらいは普通にあるそうだ。
 もともとネペタ親子は、母親がいないから夕食は毎日モナルダのところへ食べに行っているし、モナルダが煮込み料理やオーブン料理を大量に作るからそれをいつもみんなで食べているのだとか……
 へぇー、やっぱりそうなんだ。
 モナルダもよく集まると話していたし……

「仲が良い家族だね」

「普通よ。ドワーフ族は、みんなこんなもんよ」

 そうなの?
 
「パールも、もうわたしたちの仲間。家族よ!」

 アジュガが少し照れながら、笑顔で宣言してくれた。
 双子の姉妹サルビアとセージも、うん、うん、と同じ動きと笑顔でうなずいている。

「仲間……ありがとう」

 なんだかこそばゆい感じがするけど、うれしいな……

 
 サルビアとセージの家は一階に簡単な作りのダイニングキッチンがあって、双子のお父さんネペタが店番をしながらくつろげるようになっている。
 二階にも立派なリビングダイニングキッチンがあり、朝と昼食はみんなで簡単にそこで作って食べていると教えてくれた。
 ちゃんとした食事はモナルダのところで食べるだけで、姉妹は服作り父親は読書で忙しいから、みんな食事がおろそかになりがちみたいだ。

 本好きで古本屋さんを経営しているお父さんネペタは、本をよく読むだけあってさまざまなことに詳しい。
 とくに、ここラメール王国とダンジョン。
 メルの洞窟とメルの森について研究も兼ねていろいろ本を集めている。

 もうネペタには、わたしのスキルのことを教えてもいいかな?

 素直に話して全部スキルコピーさせてもらう。
 教えたときの口をポカンと開けて目をまん丸にした顔には、こっちがおどろいてしまったけど……

「ウソだろう? ホントにそんなことができるのか? それは、特別なスキルか……う……うらやましい」

 ネペタは、はじめついて回って自分も習得しようと真似していたけど、無理だとわかるとガックリしてあきらめていた。

 空いている時間に少しずつコピーしていく。
 今日も二時間ぐらいコピーさせてもらった。
 千冊近くはできたかな?

 ラメールの歴史を少しずつ学んでいく。
 
 ここは竜人の血が流れている王様が作った国なのだということ。
 ネペタは細かい年代などは図書館に行ったほうがもっと詳しい資料があるので、そっちも調べてみたらおもしろいよと教えてくれる。

 ネペタのところにある本はどちらかというと、ちょっと違う見方をした歴史の資料が多かった。

 初代の王様は他の世界の人だったとか?
 他の世界からもう一人、王様を守ってやってきたすごい護衛の人がいたとか。
 だからこの世界にきた竜人は、実は二人だった?

 半分神話のようになっている、ちょっと変わったおとぎ話のような本も多い。

 これは、おもしろい本だな……
 ここの楽しみが増えたよ。

  
 そんなことを繰り返していると、あっという間に時はすぎてしまう。

 ライたちのところにも約束したのでそろそろ家をみに行かないといけない。
 それに一度ピアンタに帰って、マークたちがわたしがいなくなったと心配するまでになんとか合流して、みんなを連れてこないと……

 モナルダたちには、明日から少し留守にすると告げる。

「まずダンジョンの近くに家を買って、伯父さんたちが暮らせるように少し整えてぇ~。それからピアンタまでみんなを迎えに行ってくるから……たぶん二週間以上は戻れないと思う」

「よし、じゃあそれまでに錬金釜の材料を揃えておくかっ! 帰ってきたら作り方を見せてやるから、期待しておけ」

 

「やった、楽しみっ! でもグレコマ、わたしは急いでないから無理はしないでいいからね」

「ああ、大丈夫だ。無理はせんから、パールも気をつけて行ってこい」

「そうだよパール。なにかあったら無理せず、一度こっちに戻っておいで」

 モナルダたちの言葉に大きくうなずいておく。
 ここに帰ってくる楽しみができたな……

 よし。
 これで明日は、朝一番。

 ライたちに会いに、メルの洞窟へ出発だ!

 

 

 
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~

紅月シン
ファンタジー
 聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。  いや嘘だ。  本当は不満でいっぱいだった。  食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。  だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。  しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。  そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。  二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。  だが彼女は知らなかった。  三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。  知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。 ※完結しました。 ※小説家になろう様にも投稿しています

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜

ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。 死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム 前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した 記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた 村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた 私は捨てられたので村をすてる

転生したので好きに生きよう!

ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。 不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。 奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。 ※見切り発車感が凄い。 ※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

処理中です...