迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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136. 青い屋根のライの家

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 朝早くにモナルダの家の屋上から、二人用の飛べるボードでダンジョンへ出発する。

 グンと上まで上がって町の様子を見ながら進む。

 へーっ、これはおもしろい……

 ホントにダンジョンに行く道はグネグネしているけど、メルの森と呼ばれているお城の延長線上にある立ち入り禁止の森からだと、実は斜め直線でダンジョンまでつながっている?

 王都の噴水広場からわざとなのか西に道が伸びていて、ぐるっと北にまわり込むようにしながらこれは小山? 丘? の頂付近にあるダンジョンに道は続く。

 このボードなら、まだ慣れてなくて少し怖いからスピードをそんなに出さなくても二時間……いや~、もっと早く着くな。


 適当なところで降りてダンジョン周辺を観察する。
 まだ朝の早い時間だから、気持ちがいい。

 ライのところに行くには時間が早過ぎるし、どうしようかな?
 
 やっぱり、まずは冒険者ギルドに行ってみる?

 この向こう奥がダンジョンか……近いな。
 ちょっと離れているけど、隣?
 
 ダンジョンに出入りする人も、その気になれば調べられそうな近さだよ。
 まあ、すぐ売りにいけるし便利なのかな? 
 それにピアンタの冒険者ギルドよりも、だいぶ大っきい。
 
 ギルドの中は冒険には中途半端な朝の時間だからか、人がまばらだ。
 依頼の張り紙が貼ってあるボードをチラッと覗くと、薬草のオーダーがあった。

 あれっ、高い?

 値段がピアンタよりだいぶ高い?
 ホントに簡単には採れないんだ……

 なんとなく雰囲気もわかった。
 受け付けの人に図書室があるか聞くと、二階にあると教えてくれる。
 だれでも利用できるそうなので行ってみた。
 
 ピアンタのギルドの図書室より広いけどそう変わらない作りに、本の量はまあ1.5倍ぐらいか……
 同じギルドだからなのか、よく似ている。
 人がだれもいないのも一緒……
 これぐらいならピアンタのときのように、スキルコピーしてしまおうか……

 いまなら、二時間もかからないかな。
 身体強化を少しかけてサッサっとするために、認識されにくくなる帽子をかぶり、だれかきて邪魔される前に素早く始める。

 これぐらいの量なら、もう簡単に感じるよ……
 
 貴重だった自由な時間をあんなに頑張ったのに、思った成果が出せず失敗したと落ち込んだ、あのゴタの図書館でのスキルコピー四日間が、わたしを忍耐強くさせたのかなぁ?

 へーっ、こんなところで、こんな風に役に立つのか……
 
 よかった……ちょっと感動。

 なんでも経験なんだね!

 やっぱり、一時間半ぐらいではだれもこない…
 コピーしたあとは帽子を脱いで、気になる部分をゆっくり読む。

 メルの洞窟は中に入っていくと、あるところから外にいるような感じになり空まであるそうだ。
 もしかしたら知らないあいだに外に出てるとか?
 んーっ、やっぱり違うよなぁ……

 洞窟を進んでいくと草原のようなところにでて、なぜかウサミミやシカのように弱い動物から、ホワイトベアーぐらいの強い魔物が同じ草原に生息している。
 先に進むにつれて出てくる魔物は強くなるけど、弱い動物もそのままでてくるみたいだ。
 不思議? 食べられないのかな?
 
 冒険者も日帰りよりは、二、三週間、じっくり潜って帰って来る人が多いようだな。

 シルバーウルフがこのダンジョンではよく出る代表的な魔物だと書いてある。
 お金にはなりにくいけど見習い冒険者のためにできるだけ、浅いところに群れで出てきた魔物は狩ることを奨励していた。
 でもこれが一人で倒せないと、このダンジョンはちょっと厳しいのかもしれない。

 そして洞窟の浅いところにいる動物や角ウサギぐらいの獲物は、子どもの冒険者のためにおとなの冒険者はあまり手を出さないみたいだ……
 なるほどねっ。
 若い冒険者を育てるための措置だな。

 ピアンタと違って薬草採りが難しいから、メルの洞窟独特の工夫と暗黙のルールのようだ。

 洞窟の地図も途中までしか書いてない。
 最後までいった人がいないのか?
 一カ月ぐらいかけて奥まで潜ってみても、おもしろいかも……

 わたしには、テントもあるしね。
 それには最低一カ月分の料理をためておかないと……
 これ、わたしの課題だな。
 まずは、食料をある程度蓄えること。

 今日はここらへんで図書室から退出する。
 そろそろライのところに行かないとね。

 ダンジョン近くからならどこからでも見える、青い屋根の家だったかな?

 あるにはあるけど……
 すごく大きな家? お城というか要塞というか?
 やっぱり、あれなのか……
 この通りのずっと先、突き当たりにそれはある。

 辺境伯家のお屋敷よりも豪華で、なんだかキレイ。
 貴族丸出しの家だな……

 ライを呼び捨てにするのは、やっぱりやめたい……
 こんなところで雇われているなら、ソードもガントも実はやっぱり貴族かも?

 ハァー。

 ライの家に行くのが、おっくうになってきた……

 アッ!

 雑貨屋さんを発見!
 お鍋が売っている。
 これは、買いだな……

 通りにある雑貨屋さんにはちょうどいい大きさのお鍋が三種類、おいてあるじゃないかっ!
 三つとも買えるか聞くと、大丈夫みたいなので。

「おじさん、三種類ともください!」

「はいよ!」

 これはっ? 

 大きな葉で作った袋が売っていた。
 これ、エビビとかを入れてもらった袋かな?
 おじさんに尋ねてみる。

「ああこの袋は、濡れているモノをしばらく入れておくのに便利なんだ」

 やっぱり!

 これも他の人が困らない程度に、売ってもらえるだけ買う。

「二十枚ぐらいなら大丈夫だ! 買ってくれっ!」

「はい、買いますっ!」

 お鍋は、大が銀貨三枚。
 中が銀貨二枚、小が銀貨一枚。
 わかりやすいな。
 葉の袋が十枚で、銅貨三枚。
 なので銀貨六枚と銅貨六枚。

 お鍋がもっとないか聞くと大と小がまだあるというのでそれも買う。

 大銀貨一枚と銅貨六枚になりおまけしてくれて、大銀貨一枚になった。

 持っていた大きな薄い革の袋に、大鍋が入ったので重ねてその中に、大鍋と中鍋と小鍋二個を入れる。
 葉の袋二十枚も隙間に入れた。

 この大きな薄い革の袋は、アジュガたちに注文して先に作ってもらったモノだ。
 ハリのある薄い革で持ち手の長い大きな肩掛けカバン。
 幅の広いマチ付きだよ!

「ほ~っ、思った以上に入る良い袋だな!」

「へ、へっ。ありがとう」

 気分よく先へ進む。
 途中でスペシャルな指輪に鍋は移す。
 これはいい、中のモノがわかりにくいし便利だ!
 アジュガたちにあとで伝えよう。

 あれは、焼きマロンかな?
 ヘェ~。

 じっと見ていたら、お店の人が味見させてくれる。
 うん、おいしい!

 ここのダンジョンで採れたマロンは、ホクホクしていておいしいんだと教えてくれる。

 大袋が一つ、銅貨五枚。

「おばあさん、二つ買っても他の人に大丈夫?」 

「大丈夫さ! もっと買ってくれてもいいよ」

「じゃあ、銀貨二枚分で大袋四つ」

「ありがとねー! おまけいっぱいしておくよ!」
 
 お金を負けてもらうより、うれしいかも?

 あーっ! 買い物が、楽しい……
 

 歩いていても、ウキウキするよっ!
 
 

 

 
 

 
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