迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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140. わたし好みの模様替え?

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 朝から侍女たち三人を連れて、わたしの家へ向かう。
 
 侍女長がリストを作っていて、部屋を見ながら質問形式で聞いてくれる。

 ものすごく助かった。
 横でプラムとシルエラがメモしたり、お茶を淹れてくれたり……

 そうでした。 
 ここはもともとライの隠れ家だから、この三人にとってこの家は勝手知ったる家になるんだな……

 食器もある程度揃っているし、別にこのままでも良いんだけどと言うと、三人が女の子の家なのだから、もっとかわいくするべきだと張り切っていて譲らない。

 なぜだ……  
 ここは、だれの家だ?

 この三人は止まりそうもないので、わたしの好みだけしっかり分かってもらえるように、質問には正確に答えていった。

 昼食はライたちがパンやお肉にフルーツなどを持ってこっちにきたので、広い庭でみんなとピクニックのようなランチにする。
 ホントここは草原みたいでなにもない……

「少し寂しいですね。バラ園にでもしますか?」

 ソードが聞いてくれたけど……
 バラは好きだけど、管理がわたしにはできない。

 ここはこのまま、わたしの魔法の練習場にすると言うと、侍女たちがすごく残念そうな顔でこちらを見てくる……      

 ハァー、しょうがない。

「ここでこうやってランチを食べるときぐらいは、バラの花を見ながら食べてもいいかな?」

 萎れていたバラが、また生き返ったようにうれしそうな顔を侍女たちがしていた。
 なんなんだ、これは? おもしろいぞ……

 ソードがそんなわたしたちを見て。

「いままで女の子がいませんでしたから、侍女たちの出番が少なかったのですよ……パール、すみませんね……」

「わたしは家のことがぜんぜんわからないから、好みを伝えるだけで手際よく進めて助かってますよ」

 ガントが気を利かせて話を変えるためか? 素なのか? ここで自分たちも、魔法の練習をしていたんだと懐かしそうに話しだす。

 なるほどね、そんな感じの広さだよ。
 わたしもそうすると伝えておく。

「明日は商会を、三件呼んでおいたから好きなだけ注文していいぞ」

 えっ、なんで?
 お金はライが出すというから、わたしはお金に困ってないし、ライがお金を出さなくても大丈夫だと伝えたけど……
 ソードに金の両替がアレでは少ないのだと教えられ断れなくなったので、ありがとうと言っておく。

 そのあとみんなでここから見えることになる小さなバラ園の場所を確認して花の色を決めたり、魔法の練習場の場所をライたちにも手伝ってもらってだいたい決めると、三人は仕事へ戻っていった。

 わたしはその後も一日中細かくいろいろ聞かれ、これで侍女たちはわたしの好みがおおよそわかったんじゃないかな?

 安心して任せられそうだ。

 もうこういうことは得意な人に任せたほうがうまくいくのだと、今日一日で学習できた。
 わたしには、無理……
 
 明日は商会が、三件もくるのか……
 ちょっと、めんどくさいな。

 ハァー、侍女たちには心から感謝するよ。
 せめて質問には笑顔で答えようと、ひそかに誓って…… 

 返事する。

「はい、それで……」


  ♢♢♢


 今日は午前中に二軒と午後に一件、商会の人が来てくれる。
 
 侍女たちみんな、ホントにうれしそうだよ。

 このお屋敷はかわいいモノを好まないから、こんなチャンス滅多にないと張り切ってくれているみたい。

 今日もライが用意していた、わたしから見ればまだドレスにみえる新しい服を来て靴もセットで履いているけど侍女たち二人はわたしの好みを理解し、窮屈なかたい装いはできるだけ避けてくれている。
 髪の毛もサラリと後ろは流して毛先を遊ばせ、髪飾りで軽くサイドをひねって止めただけのラフな髪型だ。

 でもこの高価そうな髪飾りはどうしたのか気になって尋ねると、ライが用意してくれたわたしのモノだと説明されおどろいてしまう。

 よく見ると金でできているし……
 これもしかして、わたしの渡した金で、あの水晶なのかな?

 丸くキレイにカットされた三つの水晶。
 真ん中が両端より大きな水晶になっている。

 しかし二、三週間で作れるものだろうか?
 偶然だよね?

「髪飾りはもう少しあっても良いかもしれませんね」

 良いモノを見つけたと、うれしそうに侍女長が侍女たちと話している。

 別にこれだけで、いいけど……
 でも口にはぜったい、出さない……

 すでに三人でどんな色の石が良いか、わたしの髪の色に似合うかを真剣に話し合っているよ……すごいな。

 ライはわたしが会いに来るというだけで、こんなにもいろいろなモノを用意してくれてたんだ。

 実際に指示して用意したのはソードだろうけど、庶民のわたしの感覚とはだいぶかけ離れた金銭感覚だよ。
 これはやっぱりお貴族様だからなのか……
 恐るべしお貴族様だな。

 いまわたしはお金に困ってないから、後でまとめて何かのときに金でも渡しておかないと、これはちょっとダメだと思う。
 お金持ちと付き合うには、予定外のお金がたくさんいるんだな……

 タダというのはかえって、めんどくさいものなのだと学習した。
 何事も勉強だね。

 客室にやってきた一件目の商会は、カーテンやカーペットなど部屋の内装を扱う商会で先に女の子だと伝えてあったのか、明るいかわいいモノが多かった。

 これは思っていたよりも、楽しい時間となる。
 侍女たちとも、だいたい意見が一致したのでスッキリ決まって気持ちがいい!

 ライの引越し祝いソファも表面の生地や革だけいろいろ見せてもらい、ここから選んでいくようだ。
 これは侍女長たちと意見が分かれた。
 わたしはちょっと明るめで、丈夫なシミのわかりにくい無難なモノがいいかと思ったんだけど、三人は丈夫な革で女の子らしい明るくかわいい色のモノが良いと推してくる。

 若いいましか持てない色味を、少しのシミなど気にせず選ぶべきだという……
 一理あるな。

 三人の意見を尊重することにした。

 商会の人がわたしたちの様子から、明るい色味の丈夫な革を選びだす。
 黄色ぽい茶色の革に白ぽいグレーの革。
 ほぼ赤色の赤茶色の革と薄いベージュの革。
 あとは、なんだかすごくキレイな白の革とそれによく似た緑色の革。

 この六色がいまある丈夫な革の中で若い感じの明るいモノだと教えてくれた。

 プラムがここぞとばかりに声をあげる。

「これです! この白です! ぜったいこの白い革が良いです!」

「わたしもこれが良いと思う! すごくキレイだわ!」

 二人の意見に侍女長が、白だと汚れよりも服の色移りを心配してすぐには決まらなかった。

 商会の人も小さな椅子に白を使う人はいるけど、侍女長が心配したような汚れが一番目立つから、こんなに大きなソファの注文は受けたことがないという。
 薄い色で注文を受けるのは、ベージュやグレーぐらいの色までだと教えてくれた。

 高いモノだし、そんなに買い替えられないしね。

 それを聞いて、侍女長たち三人は顔を見合わせて、すぐに意見が一致する。

「「「白ですね!!」」」


 えっ?! なんで?


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