迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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 なぜ? 商会の人は勧めてないよ?

「パール様には特別な、人とは違うモノが似合います」

 侍女長!? そうきたか……

 もう三人にお任せする。
 できるだけ白い丈夫な革で作ってもらうことになった。

 ソファの大きさもライたちがきてもみんなが座れるように大きく。
 
 リビングにはよほど気の許した者しか入れないつもりでいるから、みんながくつろげるようにクッションなどもいくつか追加でお願いしておいた。
 
 あとはプラムとシルエラにおまかせで……

 二軒目の商会は、食器や花瓶などを扱っているところだった。
 これにはわたし付きの侍女たちだけでなく、他の侍女たちもやってきて、すごくうれしそうになんだか吟味してくれていたよ。
 自分たちが一番携わっているモノだからね……

 侍女たちが思うわたし好みのモノと、お客様用の豪華なモノを選んでくれている。
 
 あっ、そうだ! 
 無難でシンプルなポットにお茶を淹れてマジックバックにしまっておいたら、どこでもすぐ飲めるよね!

 わたしも加わって、みんなでいろいろ選んでいった。


 程よい疲れで、昼食になる。

 ライたちと一緒に食べたので、ソードが一番に聞いてきた。

「気に入ったモノはありましたか?」

 ソファを侍女たちの勧めで白色にしたことや、ポットを自分が持ち歩くように何個か家用とは別に買ったことなどを伝えるとガントが。

「白の革とは、珍しいな……おれっ、そこに座れるのか? 汚しちまいそうだな……」

「ガントは、立っていてください。わたしは座らせてもらいますよ。白とは粋な! さすがです」

 ソードがそういって侍女長たちを褒め称えていた。

 午後から来る最後の商会には、ライたちも参加するそうで、いままでよりも大きな客室に連れていかれる。

 ここにはいくつ、部屋があるのだろう?

 広い部屋なのに、座っているのはなぜかわたしとライだけ……
 ライの後ろにガントとソード。
 わたしの後ろに侍女のプラムとシルエラ。
 少し離れた所にセバスチャンと侍女長が並んで立っている。

 最後の商会はアクセサリー部門と服飾部門を展開している老舗の商会だった。
  
「ライ様、いつもご贔屓ありがとうございます。お嬢様、お初にお目にかかります。アビエス商会のわたくし宝飾担当のアベート。そして服飾担当のこちらが妹、タンネでございます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。今回は初めてのお目通りですので、できる限り勉強させていただくつもりでおります」

「はい。よろしくお願いします……」

 アクセサリーは兄で、服飾は妹。
 落ち着いたシックな装いのおとなの二人だった。

 わたしはもう別に宝石は、いらないんだけど……

 侍女長が髪飾りを勧めてくれたので、見せてもらう。

 なぜかライが張り切って、いろいろ商会のお兄さん、アベートさんに髪飾りをださせている。
 わたしは後ろを向かされていた。

 アベートさんがわたしのつけている髪飾りをみて、ステキだとほめてくれる。
 ライがよろこんで、それ以上のモノはないかと聞いていた。
 ある程度ライが満足したところで、わたしも見せてもらう。
 ライが選んだ髪飾りはすごく豪華で、いつ付けるんだ? っと考えていると、ソードがみかねてアドバイスしていた。

「ライ。その髪飾りは豪華でステキですが、これをパールがいつどんなときに付けると思いますか? もっと毎日でも付けられるような髪飾りが、いまのパールにはよくないですか?」

「毎日……」

 わかってくれたのか、選び直すみたいだ……

 侍女たち二人とライがいつの間にか、一緒に髪飾りを選んでいる。
 
 いくつ買うんだろう……
 
 頭はひとつなんだけど……


 横では商会の妹さんタンネさんが、紙の束を持って控えている。

 次は服飾だよね……

 作ってもらうモノって、あったかな?
 あっ、そうだ! アレを作ってもらおー!!
 次は服だけど、別になにも困ってないから……

 ライは好きなだけ買ったら良いと言うけど、豪華な服はもったいないよ。
 子どものわたしはすぐ着れなくなるし……
 ここにもそんなにいないしね。

 でも、ひとつだけほしいモノがあった!
 タンネさんをみて告げる。

「水着がほしいです!」

「水着ですか? それは、どういうモノでしょう?」

 えっ、ないの?
 だって、ラメール王国には海があるから泳いでる人もいたよね?

「パール。もしかして、海で泳ぐのに着る服のことですか?」

 ソードが尋ねてくる。

「そうだけど?」

「お嬢様。我が国には泳ぐときに着る、決まった服はございません。みなさん思い思いの服を着て海辺で少し遊ぶぐらいです」

「わかったぞ! パールおまえ、ゴタの海岸で泳いでいる人を見たんだろう? あれは、仕事で潜っている人たちだ!」

 ガントが笑いながら教えてくれた。

「海で泳いじゃぁ、ダメなの?」

「ダメじゃないが、あまりそういう人を見ないな?」

 なんだ、この世界は海で泳げないのかな?

 前世の記憶と混ざってしまっていたようだ……

「いいえ、泳いではいけないと決まってはいませんし、現に仕事とはいえ泳いでいる人はいます。どのような……水着とは? それは、どのような服をご所望でしたのでしょうか? よろしければ教えてくださいますか?」

 やっちゃった……しょうがないから生地から伝えてみた。

「えっと……速乾性が高く、耐久性にも優れている生地で、濡れても透けないモノ。これはぜったいね! あとは、できるだけからだにピタっとしていて、伸縮性があればうれしいかな?」

 タンネさんは、ブツブツ言いながら持っていた紙になにかを描き始めて、あっという間に一枚の水着を描きあげた。

 なかなかいいけど、まだ少しダボついているな。

 ペンと紙をかりて、同じようにからだにピッタリの水着を描き上げて見せてみた。

「こんなに、ピッタリなのですか?」

 みんなが絵を覗き込んで、これはちょっとピッタリすぎないかと聞いてくる。

「ダボつくと水の中では、泳ぎづらくて重いし溺れてしまう。わたしはまだ子どもだから安全第一! ピッタリでも大丈夫。でももし気になるようなら、少しフリルをつけてくれてもいいよ。できるだけ伸縮性のある泳ぎやすい、それでいて透けない丈夫な生地でお願いします。ここホントに、ぜったい大事です!」

「わかりました。少しお時間をいただけますでしょうか? やりがいのあるご注文で、腕がなりますわ!」

 あとは侍女たちに任せて、わたしたちは部屋をでる。

 ソードがあんな水着をどうして知っているのか聞いてきたので、どう答えようと考えていたらガントが向こうの世界で見たのか聞いてきた……
 それに便乗して、うなずいておいた。

 わたしはどうも人と違うところが多いから、言動には気をつけるようソードに注意される。

 それっ、マークにもよく言われてたな……
 
 なんだか、懐かしい。
 
 ライの家に滞在するのも、あと一日。
 
 もうすぐみんなに、会えるんだ……


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