迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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142. 初めてのピアンタ飛行

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 明日は日帰りでメルの洞窟に潜ってみようかと思ったら、準備が大切とチェリーに忠告される。
 そうだよね。
 まずは食料を確保しないと……

 夕食後、明日の予定をソードが尋ねてきたので。

「メルの洞窟に日帰りで潜ろうかと思ったけど、準備が先だから、明日は町をぶらついて食べ物を集めることにしたよ」

「そうですね。慌ただしくメルの洞窟へ潜るよりは良いと思いますが、食べ物を集めるとはどういう食べ物ですか?」

 不思議そうにソードが首を傾ける。

「なんでもいいけど、おいしい料理かな」

「ここの料理長もおいしい料理をつくるぞ。いろいろ作ってくれるよう伝えておくから持っていったらどうだ?」

「ありがとう、ライ」

 ガントも何気なく、わたしに言ってきた。

「パール。料理長に料理を作ってもらうなら明日は一日家にいて、できた料理から収納していったら作りたてが食べれるんじゃないか?」

「あっ、そうだね! 明日、料理長が料理を作ってくれるなら、家にいたほうがいいかなぁ?」

「パール、ほしいモノがあったら言ってください。買いに行かせますからね」

 ソードも勧めてくれる。

「ありがとう! 甘えて良いのかなぁ? じゃあ料理長に明日は、いっぱい料理を作ってもらおう!」

 どれくらいほしいのか聞かれたので、目標は一ヶ月分だと伝えるとおどろかれる。
 ダンジョンに長く潜るつもりでいると告げると、もう一つおどろかれた。


 次の日、話しが伝わっていたのか、朝から料理がどんどん運ばれてくる。

 ホントにおいしそうで、お皿にキレイに盛り付けてあったりお鍋のままなど、ここのお皿とお鍋の心配をしてしまう。

「大丈夫な範囲で渡しています。気にしなくても良いですよ」

 ソードに告げられ、ありがたくいただいていく。
 甘味のデザートまであるよ……
 あとは買ったポットにお茶を侍女長に入れてもらって、そのまましまっておいた。

 ついでに、お茶の淹れ方を教えてもらう。
 なんだか奥が深くて、おもしろい。

 わたしが興味をしめしたので、侍女長が教えてくれることになった。
 料理が出来上がってくるのを部屋で待つあいだ、丁寧に一から教えてもらう。
 他の侍女たちもこれはチャンスと、聞きにきていたよ。

 プラムとシルエラが気を利かせて、お茶に関する本を何冊か持ってきてくれる。
 すぐ説明してスキルコピーを使うと、目を見開いてみんな驚いていたけど、そのあとの侍女長はさすがだ!

 屋敷の図書室にあるお茶に関する本をすべて、手分けして持ってくるよう侍女たちに手配していた。
 本がカートで山のようにやってくる。
 知識だけならわたしは、一日でお茶淹れの上級者だよ。

 お茶の練習のあいだも料理は次々と運ばれてきていて、なんだか忙しいけど、楽しいっ!

 ライたちとのお茶の時間には、覚えたてのお茶を振る舞ってみることに……


「ん~っ。ソードが淹れたお茶と同じぐらいうまいけど、淹れるときの優雅さが~。やっぱり、負けているなぁ」

 ガントはそう言って、みんなを笑わせていた。

 わたしはそんなに笑えないぞぉ!

「優雅さはまだ九歳なんですから、しょうがないですね」

「すぐ大きくなるさ」

 慰めてくれているのか……それは……
 複雑だな。

 思いのほか楽しかったので、これからも侍女長に教えてもらえることになった。
 楽しみが増えたよっ!


 明日は朝一番で、ピアンタへ向かう。

「朝食はもらったものを食べて行くから用意しなくいいよ」

 侍女長がハッとした顔をして、朝食料理をリストに入れるのを忘れていたので、みんなと朝食を食べてから出かけてくださいと言ってきた。
 そのあいだに、朝食もいっぱい作ってもらうそうだ。
 ライたちにも、一緒に朝食ぐらい食べようと言われて、そうすることにする。

 朝、侍女長と一緒にすごい数の朝食が届けられて、全部腰の小さなマジックバックへ入れておく。

 もう、腰のマジックバックのことは侍女長たちに伝えてある。
 これだけ一緒にいたらもっといろんなことがバレてそうだけど……侍女長さんたちは知らないフリをしてくれているから、わたしもそれだけで気が楽だ。

 ライたちにもどうやってピアンタまでいくのか聞かれたときに、ひとりで移動できる乗り物をもらったと告げている。

 ごまかしきれないなら、サッサと言ってしまったほうが楽で良いだろうと、チェリーにもアドバイスしてもらっていた。

 ナイスなアドバイスだよ!
 ごまかしきれないことが多いからね!

 そのせいなのか、みんなわたしが旅立つところを見にきていた。
 興味しんしんだな……

 この乗りモノは、乗っている人の身長までは姿が消えないから、今度くるときには身長より少し高いくらいの乗り降りしやすい囲いがほしいと伝えておく。

 ボードをだすとみんなが、じっとみている。

 大きくすると……

「「「おーーっ!!」」」

 もう、聞かなかったことにして……

「ホントにいろいろと、ありがとうございした!! また、来ますね!」

 それだけ伝えて、飛び去ってしまう。


 あーーっ! どうしよう!

 こんなに、よくしてもらったのに……

 やっぱり、ひとりが楽だよーっ!

 ねぇ、チェリー?!



「うぁーっ! 気持ちいいー!!」

 どこまで上にいけるのか? 

 ぐんぐん上がってみて途中で、プルプルボードが振動しだしたところで、あわてて高度を下げる。
 大陸すべてはわからないけど、だいたいこんな感じなんだと知ることができた。

 詳しくは、チェリーに教えてもらう。

 どうもこの大陸は樹海が真ん中で大半を占めていて、国はそのまわりにあるようだ。

 そうだとすると、モナルダの家からメルの洞窟まで行ったときのように上空から直線上に進めば、最短コースになるよね?

 樹海の上をチェリーに教えてもらった方角に向かって飛んでいく。
 だいぶ速さにも慣れた。
 風の抵抗もボードの魔道具がわたしを守ってくれているようで、程よい風で気持ちいい!

 初めてのピアンタまでの飛行だから、休憩は安全のため樹海の端にくるまでやめておく。
 少し早めのお昼をかねて、強いバリアが張れる認識されない魔道具を四隅に置いてテントを張り、ゆっくりテントの中で休憩する。

 ライの家の料理長が作ってくれた一人用のワンプレート料理。
 赤身肉のローストとマッシュポテトにキノコ。
 小さなトマトと葉野菜、少し焼いてあるパンにオレンジのママレードが添えられていた。
 それにオレンジの果実を絞ったドリンクで、完璧だぁー!
 
 これは、いい!
 あとはドリンクをおかわりしてもいいように、二杯分ずつぐらい入る大きさのポットを見つけて、それをわたし専用に数個買っていろんなわたし好みのドリンクを入れてもらおうかな?

 ひとりで行動しているとちょっとした不便があり、改善点が少しずつみえてくる。

 メモしておこう。

 休憩してまた出発する。

 ホントにすごいな……
 ピアンタ王国にはお茶の時間になるまでに着いたよ。

 なんて、速いの?
 道はグネグネしていたけど、ライたちとの移動がなんだったのかと思ってしまう。

 まずは細工師の親方のところまで飛んでいき、人目のない裏に降りる。

 
 なんとなく、もう懐かしい感じがする……

 不思議だな……
 
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